第壱話 レーヴァテイン
「しっかしまあ随分でっかい闘技場だな〜」
2016年風に言うと東京ドーム1個分位。
「あなたの醜態を晒す場所としていいところでしょ?」
「まあそうかもね…」
ギャラリーも十分と言えるほど数がいる。
「これより!神器勝負を行う!ルールは簡単!相手を先に倒す!以上だ!ではお互い対価を…」
「へ?対価?」
「こういう決闘では良くあるのよ。そして私の望む対価は退学よ!」
「ん〜俺は特に何もないかな〜」
「仕方ないわね…じゃああんたが勝てたら貸し一つよ…勝てたら…ね?」
挑発をする翠…しかし全く動揺しない紅。
「では!開始!」
「神器『グラム!』」
「ほほうグラムか〜」
グラムとは北欧神話の神器である。
「あんたも早く神器を出しなさいよ!言っとくけどここじゃあ致命傷を受けても、治る設備があるから手加減しないわよ?」
「元々グラムとはオーディンのものだった。しかしオーディンはこう言った『この剣を引き抜けたものにこの剣をさずけよう』と…」
「な、何よ?」
「それを引き抜いたものはシグムンド…しかし後にオーディンにより剣は砕かれる…それを直してくれ…と言うシグムンドの遺言により…砕かれた破片で出来た剣…それを『グラム』と言う」
「それがどうしたって言うのよ?」
「だから…その剣をもう1度砕いてやろうと思って…ね?」
「っ!?」
すると紅の周りには大量の炎があった。
その炎は形をとっていた。
その形は剣…つまり…炎の剣
「これが俺の神器『レーヴァテイン』だ!」
炎の剣は更に数を増やしていく。
《レーヴァテイン・・・神話では形すら不明形は一様剣と仮定されている》
「さあ覚悟は出来てるな?」
「っ!?」
俺はレーヴァテインを振り下ろした…