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罪
更新は遅めです
すべて、
すべて、忘れてしまえたらどんなに楽なのだろうか。
己の宿命さえ忘れ、すべてを忘れ、このままでいられたらどんなに幸せだろう。
だけど、それは無理な事だ。
決して許されてはいけない罪を、私は侵してしまった。
許されるはずもない罪。
私はただ逃げて、罪から背を向けてしまった。
目の前の幸せばかりに目を向けて、逃げていた。
そのつけが回ってきたのだろう。
言うならこれは罰だ。
逃げ続けた私への罰だ。
だけど、私以外の者から幸せは奪わないでほしい。
罪を受けるのは私だけで充分。
私から幸せを奪うのはいい。
だから、お願い。
あの子から今の幸せを奪わないで。