エピローグ
僕達は、卒業式の後に、三人で話をしている。利之と夜叉節さんは、七月(昨年)に18歳になっている。ついでに、どちらの両親の同意も取り付けていたんだって。
「夜叉節さん、結婚おめでとうございます。利之もね」
「ありかとう」
「ありかとう、一丸ちゃん」
「僕は、桜丘大学に入学するんだ。寮生活になるんだ」
「俺は、慶応大学に入学する。秀子と一緒に暮らすぜ。幹事長を一緒に出来なくなるが、いつかまた政治家として一緒にやろうぜ」
「私は利之の妻で、この子のママよ。幹事長は続けるわ」
夜叉節さんは腕の中で寝ている赤ちゃんを見せてくれた。か、可愛い。こんな可愛いんだね、赤ちゃんって。(僕のじゃないけど)
不意に、
「そういえば、一丸ちゃんのお姉さんは大臣よね?」
「う、うん。一体どうしたの?」
「子供手当欲しいんだけど?」
子供手当!?まだ、審議もしてないんだけどね……
「というか、夜叉節さんも政府の一員でしょうに!!」
この時から与党の幹事長・副大臣を5年、野党をその後4年を経験した僕は、27歳で石川1区で初当選しました。そして、総理の指名を受けて、就任しました。この時には、容姿は中学生に迄成長をして、声変わりはまだありませんでしたが、世界では一番可愛い権力者として知られる様になってしまいました。
僕はギネスにその事で載ってしまいましたけど、国内の支持率は80%という高過ぎるって思ったんです。亀井さんを官房長官に据え、利之と夜叉節さんも大臣に据えた内閣で若さを前面に出して組閣しました。豊臣元総理は政界を引退しています。姉さんは・・・参議院議員で僕を支える補佐官になってもらっています。
石部さんは外国に出て日本政界に影響を与えることはないってことで安心して政策を遂行することができています。動植物共同参画は豊臣総理の時に完全実施しましたので、不都合なことがある時に改良するという程度で済みます。
教育の改革も豊臣総理の時に終えたのですが、前の政権での見直しで不十分なことになったので、直すことが政治課題となっています。教育担当の補佐官に足利君を登用することにしたのはそのためです。
故郷の幼馴染みの3人は、静君は市長になり、よしちゃんの夫婦は仲睦まじく、民間企業で働いています。
僕が幹事長の時の政調会長(高校3年生~時)は地方行政のトップ(特別区長)となっています。僕とは余りにも違う道にいます。どう考えてみればいいんでしょうか?
その弟は僕の内閣で外務大臣をしてくれています。僕は豊臣君を充てたかったんですけど、臣下の内閣での入閣を拒まれてしまいました。豊臣君は当選しているので、2世というより、即戦力と見ていただけにダメージの大きさは測り知れませんでした。
何はともあれ、幹事長で色々と経験して、今の地位に上らせて戴きました。僕は幹事長に15歳の男の子、政調会長に15歳の女の子を任命して、僕の様な育成をすることにしました。頑張って下さいね。
完




