春
僕は、三年生になった。中道一組で、利之と夜叉節さんと一緒です。今日から、最終学年です。見た目は年長組と言われるんだけど、高校生最終学年です。
もう少しで選挙権を得るんだって、総理に言われてますけど、僕のクラスの中にはそう思って接してくる人はいないんだ。
始業式を終えて、教室内に戻ると女子は、
「ショタ幹、また一緒だね?嬉しいわ」
「ショタ幹、今年はよろしくね♪」
等、僕に対する言動は区々です。
男子は僕を子供の様な存在に見ています。
「一丸、ミルクいるか?」
「卵焼きいるか?」
子供に対する笑顔を向けてくる。
先生は、持ち上がりになりました。
「お~い、虹、夜叉節、前田頑張れよ。副大臣を経験した君達ならば受験競争も軽く突破出来る筈だ」
更には、
「他の者も三人に負けない様に頑張れよ」
夜叉節さんが、手を挙げた。
「私は、進学しないって決めています」
担任の返し
「どうした?」
夜叉節さん「私は、利之のお嫁さんになります。専業主婦という訳じゃないけど、進学しないってことで御願いしたいのですが」
担任の返し
「それで良いんだな?」
夜叉節さん「はい、構いません!成績が良くても考えは変わりません」
担任の先生は、他の人にも確認する。
「他に進学しない人はいるか?居たら、早めに言って欲しい」
女子の中に、結婚の為に進学しないって人が2、3人いた。男子の中では結婚して進学しないって人はいないんだけど、結婚するって奴は女子と同じだけいます。
夜叉節さんと利之の婚約は知られていて、既成事実を作っていることも知らない人はいないからね。国民党の代表には知られたくないって言ってた。
僕は、恋人もいないし、まだ結婚するだけの甲斐性もないんです。
僕の進学先は、党の承認が要りますけど、既に桜丘大学で承認がされています。
承認は僕の権限ではなく、総理(党代表)の権限です。大学進学は、僕の育成計画に入っていて、生態学の学部学科を出ることになっています。
夜叉節さんと利之の育成計画は、どうなっているんだろう?
サイドアウト
夜叉節サイド
私は、利之と結婚することを先生に言ったわ。進学しないって決めたのは私です。育成計画では、進学することになっていたのよ。でも、私は利之に恋したので、計画の変更を申し出ました。幹事長は続けていくことは始めの計画通りにするわ。まあ、既成事実を作っていることを党首に認めてもらっているだけでも幸せなのかもね。
サイドアウト
利之サイド
俺は、秀子と既成事実を作っているんだが、育成計画では、進学することになっているんだ。まあ、既成事実を作ったことを代表に知られると離党することになってしまうので、秘密にしないとね。秀子のお腹が大きくなると解ってしまうかもからんけれど。
サイドアウト
亀井サイド
ウチは、党と内閣のどちらの役職からも解かれてしまったの。因みに、あの三人ともクラスは別になり、中道3組です。ウチは、大臣をやったし、今年度は無役で過ごす訳なのかしら?




