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高校生幹事長   作者: 源綱雪
二年生編
123/240

冬眠する木

僕は並木が葉を落としている中を歩いている。ケヤキだったんです。道路を挟んで桜丘大学が見える。前にはお馬さんの公苑があります。僕は、お馬さんを見に来たって言っても競走馬ではありません。馬術のお馬さんを見に来たんだ。

お馬さんを遠くから見ているとカッコいいんだけど、近くで見ていると大きくて怖いって思ったんだ。

今も、目の前にお馬さんがいて、顏は怖くないんだけど、体を見ると蹴られる恐怖を感じます。それでも、目は優しいのは分かるよ。

あっ、そうそう。僕が何でこんな所にいるかというと・・・

“可愛高校 三富君”

そう、よしちゃんの応援に来ているんだ。

「よしちゃん、頑張れ」

僕は声を枯らして応援した。よしちゃんは僕の応援に手を振って応えてくれました。

そして、よしちゃんの番になっていた。凄い!!ノーミスで演技を終えた。

よしちゃんは僕の側にくると、赤ちゃんの話をし始めた。

「抱っこが大分出来るようになってきた。可愛いわが子だから出来るのかな?」

僕は、流石中津さんの旦那だねって茶化した。すると、

「お前も可愛いわが子だな」

仕返しされました。そして、膝の上に乗せられて頭を撫でられました。

頭を撫でられると眠くなってしまいます。

とうとう眠ってしまった。

サイドアウト


よしちゃんサイド

俺は、馬術をする為に東京に来ている。

応援にかずちゃんが来ていて、俺は、応援に応えて手を振った。おっ、笑った。可愛い!!

俺の演技をノーミスで終えた。何回練習をしたって思っているんだ。当たり前の結果だ。

かずちゃんの顏を見ると、子供の話をしたくなる。そして、俺の子供の話をした。その時、茶化されたからかずちゃんも可愛いわが子って返り討ちにした。そして、膝の上に乗せて、頭を撫でてやったら眠った。こういうところは変わってないな。眠ったから、おんぶして家に送ってやった。この子にとっては親だから。俺にとっては実親なんだけどな。

サイドアウト


再び、僕サイド

僕は気が付いた時、議員宿舎のベットの中で寝ていた。目を覚まして、リビングに行くと姉さんが朝食を作っていた。

「一丸ちゃん、起きたの?」

「あれ?昨日、僕、起きなかった?」

「帰って来たのが午後4時頃で、ご飯の時間になっても起きなかったわよ」

僕は何も知らずに今まで寝ていたらしい。いいもん!寝る子は育つって言うもん。・・・たくさん寝ていたのに未だに小さい僕っていったい……

気を取り直して、ご飯を食べる。美味しい。ご飯は加賀のコシヒカリ、お味噌汁は雪みそ(白味噌系)で、具は絹ごし豆腐だよ。

ご飯を食べ終えると、僕はよしちゃんを探しました。

「よしちゃん~~」

すると姉さんが

「義文なら帰ったわよ、一丸ちゃん」

とおっしゃった。えっ、帰ったの!?まあ、よしちゃんも忙しいんだろうしね。

僕の17の誕生日が迫っているのに、未だに声と容姿は幼いままなんだ……僕のコンプレックスです。早く大人な容姿と声を手に入れたい。僕の願いです。声は高過ぎるんだ。容姿は極度な童顔と背の低さ。どちらもシャレにならない。

こんな僕にとっては、利之は理想です。背が高いし、大人な顏と低い声を併せ持っているんだ。

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