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高校生幹事長   作者: 源綱雪
二年生編
110/240

出産~カノン~

主人公は出てきません。

私はカノンよ。遂に念願の義文の赤ちゃんを産む日になったの。学校?休んでいるわよ。テスト?前もって受けたわ。

そして、赤ちゃんが産まれた。私の赤ちゃん、可愛い。そして、義文も同じように言っているのよ。

私が産んだのは男の子で、一丸に少し似ている。私は義文の子を産んだ筈……純美子さんに電話して聞いてみた。

純美子さんが、義文の実母であることを明らかにした。なるほど、納得だわ。しかも、一丸は電話の向こうにはいなかった。

「義文、一丸は貴方と血が繋がっているわよ」

「何言ってるの、カノン?」

「この子、一丸と少し似ているのよ」

「それで?」

「貴方の赤ちゃんというのは確実よ。遺伝子検査ではっきりしてるの」

「それで?」

「そしてなおかつ一丸に似ているってことは……」

「一丸と僕が血が繋がっているってことか」

そう、義文と一丸とは血が繋がっているのよ。幼馴染みで誕生日も近い二人が身内だったのは驚きよね。私も身内になったの。赤ちゃんを産んだことは嬉しかった。

サイドアウト


純美子サイド

思わぬ人から電話があった。私が産んだ義文と子供を作って産んだカノンよ。私はお祖母さんね。30歳ですけどね。可哀想なのは一丸ちゃんよね。16で姉に孫がいることになっているんだからね。私はカノンの(実の)お姑よね、まあ、義文を育てたお姑もいますけどね。本当に有難いわ、義文を立派に育ててくれて。

とにもかくにも、一丸ちゃんを福島に行かせた私だけど、ちゃんと食べているのか心配だ。下手をすると食べることより、頑張ることを優先する子だから。

サイドアウト


義文サイド

僕も人の親になったんだ。カノンが産んだ我が子を見て顏が緩みにやけてしまったのかな。自分を俺って言おうかな?良いよね、親父になったんだから。赤ちゃんの名前を考えているけど、良い名前が浮かばない。音文(ねぶん)いや、駄目だ。花丸 いや、僕の字が入ってない。音義(ねぎ) これでいいや!!

認知届けに判を捺して出しに行く。出生届も一緒に出す。

サイドアウト


緑の社会サイド~野球秋の都大会~

私達のチームは校内大会を勝ち抜き、都の大会に出た。一回戦は都立校だった。私は監督として頑張ったけど、打線が振るわず、投手戦になった。まずい、バントを絡めて攻めよという指示している。結局、バントからの攻撃は決勝点になった。

二回戦は私立高だった。野球学校として有名だった。ゴールドで負けたんだけど、来年につなげたわ。一組は何してるのよ。野球に誰も来なかったじゃないの。

一年、二年、三年と一体何処に行ったのよ。出すって言ってた人が一人も来ないじゃないのよ。えっ、震災ボランティアに行っているですって!?私達は母校の名誉の為に戦っているのよ?国の為に行っているんじゃ怒れないじゃないのよ!?私も一応政治家のはしくれなんだから。

サイドアウト


教師サイド

あの子はいい働きをしているみたいだな。先生は鼻が高いぞ。虹、震災復興ボランティアに行っているのはきっと将来役に立つぞ。頑張れ虹。

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