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合宿ミーティング

サイトと大和が美術部に入ると、1組の神崎が先に来て前の方の机に座っていた。神崎があれ?今日は早いね、とサイトに言うと


美術部の去年の活動記録が載ったアルバムを見せてくれた。大和と一緒に覗きこむと「合宿のおもひで」とノマ部長の字で書かれた文の


上にピースサインをする美術部員達が写った写真が載っていた。数えてみると11人の生徒が写真に写っていて6人の現3年生以外は


みんな卒業した先輩たちだろう。神崎が言った。


「去年の合宿についてなにか資料はありませんか、って大島先生に聞いたらこのアルバムを貸してくれたんだ。サイト、あんまり馬鹿騒ぎするなよ。」


「俺はそんなキャラじゃねぇよ。それより松野とかの方がある意味危険じゃね?普段、密閉された空間で活動してるからさ。

あ、条一郎もテンション上がるとはっちゃけそうだよな。」


3人ではしゃいでいると「誰が暴れそうだって?」と言いながら松野と条一郎が教室に入ってきた。神崎が松野を見ると


「まっちゃん、興奮して地元の女子高生に手をだすなよ〜」とからかった。松野は


「僕はそんなキャラじゃないよ。それより条一郎のほうが、」とさっきサイトが言っていた事と似たようなことをいいだしたので


部室が笑いに包まれた。そんなことをしているうちに3年の先輩が次々と部室に集まり、美術部の1学期最後のミーティングが始まった。


前の方に1年生、後ろに3年生という感じ座った部員達に黒板の前に立った佐々木ノマ部長がチョークで大きな字を書いた後振り返ってこう言った。


「それでは合宿の場所を発表します。今回の合宿地は函館!」


後ろの席の鶴野舞先輩がわざとらしく「お〜」と声を挙げた。実は事前にみんな今回はどこで合宿が行われるかを知っていた。函館はウチの


学校から大体30分くらいだ。先輩の話によると函館の宿泊施設に泊まり2日間自由に絵を描くらしい。俗に言う「写生大会」という


ヤツで2日目は美術部顧問の大路地先生がクロッキー講座を開いてくれてみんなに絵の描き方を教えてくれるそうだ。クロッキーって


なんだ?ノマ部長に質問すると棒に墨をつけて描く絵のことだそうだ。へぇ、そんな描き方もあるのか。ノマ部長の話が終わると


舞先輩が口を開いた。


「当日は雨降らなきゃいいよね〜。雨だと去年みたいに室内で模写だから」


「明日は降水確率10パーセントだって。うわ、29度もありやがるよ。」


三上悠人先輩が携帯電話を見ながら言った。本土と違い、7月に最高気温が30度を超えることが珍しい道南では


外で絵を描くには厳しい状況になるだろう。日焼け止め買わなきゃな〜といっている舞先輩を横目に美術部代表で英語教師の大島先生が切り出した。


「明日は9時に恵港えこうに集合ね!1分でも遅れたスチューデントは乗せていってあげないからね!ハッハッー!」


何が面白いのかわからないがとりあえず遅刻はNGだそうで、絵を描くのに必要な道具を持ってくること、おやつは300円までとか


明日の持ち物について大島先生は説明してくれた。先生の話が終わるとノマ部長が


「じゃー今日のところは解散!みんな明日は遅れないでね〜」


そういうとぞろぞろとみんな部室を後にした。今日は部室にクーラーが付くため業者がくるらしい。サイトは学校にクーラーが付くなんて


非現実的だと思っていたがこれは大路地先生のポケットマネーで付くことになったらしい。先生、グッジョブです。


サイトは階段を降りようとしている伊達詠進先輩に声を掛けた。


「先輩、明日はとうとう待ちにまった合宿ですね!先輩達の絵、楽しみにしてます!」


サイトがはつらつとした声で言うと詠進先輩は難しい顔をしながら、


「うん、明日は僕らにとって最後の合宿だからね。おおいに楽しむことにするよ。」


と作り笑いを浮かべながら言った。いつもの詠進とは明らかに様子が違ったがサイトは真夏の陽気でそのことに気付かなかった。

合宿では函館に行くそうです。どんな感じになるか、楽しみだな(日本語変)。

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