表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/36

反省会?

おひさしぶりです。気が向いたので少し更新してみます。完走できるよう頑張ります^^

次の日、サイトが美術部の部室のドアを開けると冷ややかな風がサイトの首筋を撫でていった。そうか、俺達が合宿に行っている間に


大路地先生がクーラーをつけてくれたんだっけ。サイトはドアの正面に設置されたクーラーを見つめるとありがとう、という意味でぺこり


と頭を下げた。その様子を見て、先に部室に来ていた松野が声を掛けた。


「おはようサイト。昨日描いた絵、持ってきた?」


松野に言われサイトは挨拶を返すと「ごめん、持ってくるの忘れた」と頭をかきながら答えた。松野のとなりにいた神崎が


椅子からずり落ちるようにして笑う。


「せっかく合宿で絵を描いたんだからみんなで見せ合おうと思ってたんだよ。昨日はみんな疲れてたし、時間も無かったからさ。まっつんは何の絵を描いたんだっけ?」


神崎に聞かれ松野は待ってました、と言わんばかりにご自慢のスケッチブックを取り出した。意気揚々とページをめくろうとすると


「みんな、おはよー」という明るい声と共にノマ部長が教室に入ってきた。「おおー!すずしいー」部長が夏服のすそをぱたぱたとさせると


松野は咳払いをし、「おはようございます。部長。」と顔を赤くして挨拶をした。サイトと神崎も部長に挨拶をすると後ろから大和と条一郎も


教室に入ってきた。「あれ?部長と一緒に来たの?」神崎が聞くと二人は笑みを浮かべながらうつむいた。


「もう!ずっと私の後ろつけて歩いてきたの?声掛けたらいいじゃない!」ノマ部長がわめくと「しょーがないじゃない。ウブなんだから」


と言いながら舞先輩が教室に入ってきたのでサイトはすこし可笑しくなった。カバンを机の上に置くとノマ部長が話を切り出した。


「みんな、夏の大会なにで絵を描くか決めた?」


サイトが聞き直すと「油絵と水彩画、どっちで描くか、ってこと。キャンバスの木枠を用意するから油絵を描く人は先に教えてよね。」


ノマ部長が言い終わると松野が「はい!僕は油絵で描こうと思います!」と挙手をして答えた。やる気満々の松野を見て舞先輩がふっと


笑うと「私も油絵で描く~」と手をぶらぶらさせて答えた。条一郎が少し考え込んだ様子を見せると「おれは...水彩画で...お願いします」


と大和がちいさな声で言った。神崎も「おれも今回は水彩画にしよーかなー」とつぶやいた。サイトは持ってきた油絵セットをどん、と


机に投げ出すと「斉藤サイト、油絵でお願いします!」と明るくはっきりとした声で部長に答えた。それを聞いて条一郎も「俺も油絵で」


と消え入りそうな声をあげると部長は「わかった。明日までに用意しておくね。」とメモを取りながら言った。夏の大会の油絵のサイズの


最大の大きさは20号と決められており、部員達はこの間発表会で松野が描いた絵よりすこし小さいサイズの大きさのキャンバスで絵を描くことになりそうだった。


俺にあの大きさの絵が描けるだろうか。サイトの胸に不安と期待が広がった。部長の話が終わると神崎が思い出したように手を叩いた。


「あ、そうだ。まっつんに絵を見せてもらうんだった。やまちゃんと条一郎、昨日描いた絵、持ってきた?」


そう言われると二人はカバンから昨日までの合宿で描いた絵を取り出した。松野は教壇に上がるとスケッチブックを教卓の上に広げた。


部員達は松野が描いた絵を覗き込んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ