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合宿終わる

今回で合宿が終わります。

夕方五時過ぎ、部員達が「ひまわり」の代表に「ありがとうございました!」と頭を下げると大島先生がレンタルし直したハイエースに


乗り込んで函館を出発した。目的地まで大体30分。夏休みのため渋滞が続くだろう。部員達はさすがに疲れた様子を見せ、神崎と条一郎が


眠ってしまおうとする松野にイタズラをしかけていた。サイトの隣に座った大和がサイトの顔を覗き込むと言った。


「サイト、さっきからなんか、ニヤニヤしてるけど...なんかあった?」


大和に言われるとサイトはビクっと反応し、「別になんでもねぇよ」と言い、荷物の中からPSPを取り出した。女の子とアドレスを交換


して浮かれてます、なんてバレたらみんなに馬鹿にされるだろうが。後ろの方で「うおぉ、やっぱ詠進の絵はうめぇーな」と三上先輩の声が


した。振り返ると詠進先輩が昨日、今日描いた「チャーミーグリーンの坂」の絵をみんなに見せていた。サイトがPSPをリュックに戻し


「俺にもみせてください」と言い、スケッチブックを三上先輩からうけとるとそこには鉛筆で描かれた風景画が描かれていた。


坂道を頂上から描き、坂の下には海が広がるその絵は細かな線とたくましい実線が混在した「絵がうまいオーラ」が漂う空気感を醸し出していた。


本当はもっと適切な評価をしたいのだがみんな炎天下での写生会に疲れており、「いやー、ここの街灯のタッチが」とか「雲の描き方が秀逸」


など抽象的な褒め方をしていた。それにも関わらずその絵を描いた詠進先輩は「みんなありがとう」と言って笑みを浮かべた。



あたりが暗くなるころ大島先生が運転するハイエースは出発点と同じ恵港に到着した。なんども睡眠を妨害されご機嫌斜めな松野を始め


部員達が車から降りると大島先生が部員達を集め、この合宿を締めくくるように言った。


「みんな合宿で自分の能力を再確認できた?ダメだった人はそれを明日から始まる夏の大会に生かして頑張ってちょうだい。


それじゃノマちゃん何かある?」


話を振られ、ノマ部長はしばらく考えたが「特にありません」と答えた。なにもないのかよ。


その後、部員達は解散し、みんな各々に帰宅の路に着いた。サイトは家のベッドの上で携帯電話を眺めていた。家の絵は完成したけど


どうやってそれを慈雨に見せればいいのか。しばらく考えた後、サイトは画用紙を鏡の前に立て、携帯のカメラ機能でその絵を撮影した。


それをメールに添付し、「斉藤才斗です」というメールタイトルをつけ


「今日描いた絵です。これからよろしくお願いします」という本文を書き「雨宮慈雨」にメールを送信した。ちょっとカタい文章だったかな?


まぁいい。今日は疲れたから寝よう。サイトはベッドのなかに入り明日から始まる夏の大会に向け英気を養う事にした。

突然ですが、作者の都合でしばらく休載します。できるだけ早く戻ってきます。期待して待っててください。

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