全てあなたの献心だった
掲載日:2026/01/14
「雨、思ったより降ってビショビショやわ」
「そう? 私はあんまり濡れへんかったけど」
「そりゃ橘、お前がチビやからやろ」
「チビでも濡れるわ……てかチビちゃうわ!」
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「やっば、テストあんのに一限遅刻する!」
「おいそこのアホ!」
「え、なんでアンタ……」
「俺も遅れてん! ええから早よ後ろ乗れ!」
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「やっぱ振られてもうたわ……」
「そうか」
「いつもみたいに、笑えばいいやん」
「笑うかよ」
「なんでよ……」
「ホンマに、チビのままやな」
「うるさい……」
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「陽菜、具合大丈夫か?」
「……これが大丈夫そうに見える?」
「軽口叩く元気はあるみたいで良かったわ」
「それより、仕事は……?」
「アホ言え、今日は休み貰ったわ」
「別にそこまでせんでも良かったのに……」
「陽菜、もう一人の体ちゃうねんから、こういうときは素直に俺に甘えてくれ」
「……うん」
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『悪いけど、絶対俺の方が長生きするわ』
『はあ?アンタ急に何言ってんの?』
『いやな、最近なって色んなこと考えたら、俺が残っといたらんとあかんなって思ったんよ』
『アホばっか言うて、子供らだってアンタみたいなんに残られたら困るやろ』
『うるさいうるさい、とにかく俺は長う生きるねん』
『はいはい……』
「……ホンマ、嘘つきやわ」




