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メンズグループのオーディションに女だけど応募したら、推しと同じグループになっちゃった。  作者: タッピー


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9/10

東狐 弐

北狐ほっこってなんだよ!お前は東狐とっこだろ!」

どういうことだ?!次期組長?意味わかんねぇ!


「なんだよって、そのままやで。自分、考えても分からん?偽名や、偽名。おれぁヤクザ、北狐家長男 次期組長や。」


「俺の知っている東狐は自分語りをしないけれども、俺らと仲良くしてくれている良い奴だろ!」

「演じてたんやろ。もう、ええ?さいなら」


回れ右をして闇に消えようとする。

「よくない!まて東狐!東狐!」


東狐は止まることなく闇に消えた。

俺の声だけが静かな闇に響き渡る。俺はメンバーを担いで、動けず何も出来なかった。



あの夜以降、東狐は一度も顔を見せなかった。家に行ってみたが、そこはもぬけの殻だった。


「電話、通じないねぇ。新MVどうしようか。」

「俺たちが酔っ払ってたせいで全く覚えてない。」

「・・・。」


「今日は一旦解散!問題は明日から話していこう!ファンの人には体調不良ということで通しとくから。帰った帰った。」


マネさんに促され、各自家に帰宅する。

「なんだよ、東狐のやつ!」

偽名を使ってた?元から素が見えなくて苦手だったけど、あんな態度とられたらムカつくわ!


「ふー。帰って宿題でもするか・・・。」

道路を歩いている後ろに黒い車が止まる。


気がつくと捕らえられていた。声を出そうにも口を塞がれて出せない。


「依頼達成。簡単だったなぁ。にしても、こいつがあの冷酷な北狐のダチか?」

「ひょろすぎんだろ。」


いかにもヤクザって感じの面構えだな。・・・俺は東狐の友達じゃねーよ。


「着いたぞ。立て!」

縛られた腕を強く引っ張られる。


「いてぇーんだよ。丁重に扱えや!」

そう叫びたくても、口まで布で縛られてるので出せない。


「ボス、お連れしました。」

「こいつがあのダチ・・・。」

「はい、間違いないっす。道路ひとりで歩いてたんで、捕まえるの簡単でした!」


「ひょろすぎんだろwwwwww」

下っ端どもが笑うが、ボスらしき人は真顔だぞ?


ボスと思われる、前に座った男が立ち上がる。

笑っている部下の一人に近づき、肩に手をかける。

「ボスも思いますよね!」


その瞬間、ドンッと鈍い音が響いた。部下のみぞおちに膝が入り込む。部下たちはさっきまでの騒がしさが嘘のように静かに、凍りついた。

唾を吐き出し床に転がる部下を見下ろし、男はこの世の終わりのような低い声を出した。

「じゃかあしい。自分、用済みや。失せろ。」

「は、はい・・・!」

床に転がっていた部下は、よろつきながら走り去る。


あー、いわんこっちゃない。まあ、言ってないけど。空気を読む力が欠けているからそうなるんんだよ。

「自分、人質や。北狐が来るまで大人しゅうしとき。あぁ、外したれ。」

部下が布を外す。


「・・ぷはっ。・・・東狐とっこは来ないよ。」

「・・・みな外せ。」

部下たちが席を外していき、ボスが部屋に鍵をかける。


「・・・自分、女やろ。」

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