ライブに遅刻?!
家の中は攻撃された蜂の巣状態だった。
「おい!早くトイレ変われよ!」
「ドライヤー1個しかねぇーのかよ!」
「朝ごはん車内で食うぞ!もう車来たって!」
あちこちで聞こえる怒鳴り声。
俺は昨日、寝る前に準備していたから最低限の用意は終わってる。
そういえば東狐は?まさか俺達を置いていった!?
「おい東狐!どこに・・・ぃ?!」
「あ゙?さっき、ようやく寝始めたのになんだよ・・・。」
「なんだよ・・・。じゃねーよ!遅刻だよ!昨日酔っ払ってなかったのに何してたんだ!早く準備し・・・。」
東狐は玄関で寝ていた。普通は部屋で寝るはずなのに。よく見ると東狐は髪も服も整っていて、外に出れる状態だ。あとはメイクさんがなんとかできるだろう。疲れてるみたいだし。
「・・・寝てていいよ。あと鍵どこ?」
「・・・これ。しめといて・・・。」
えこくんが用意してくれた車に乗り込む。
「リハぎりだから時短で行くぞ。車内水分、栄養補給、顔面調整、もろもろ終わらせろ!」
さすがリーダー。なんとかしようとしている。・・・が。
「これは準備に時間がかかってゲネプロが中止、短縮されるかもね。」
「最悪、ダンスだけの確認で済ますしかないよ。」
「遅刻するなら昨日、変更しなければよかった〜!」
「やるしかないよ。」
皆で作戦を練り、動線を確認した。できることはすべてやった。
「Mystery Pure colorsの皆さん、入ります!」
「早くメイクして、衣装着ろ!」
マネさんは開口一番に俺らに怒鳴った。
「時間ないから巻きで通すよ!客降りはカットで!」
ハイスピードで最終確認をする。予定していた当日ゲネも早かったけど、段違いだ。本番で心に余裕が持てる分、いい練習だけどハードすぎる!なんで東狐は玄関で寝てたんだよ〜!
「ゲネ終わり!皆は楽屋でメイク直しといて。スタッフ!リセット急いで!機械班は・・・」
俺達は楽屋に戻りメイク直し、衣装リセットをして休憩した。東狐は呑気に電話してるし、頭が良いから覚余裕なのかな?・・・それにしても力入りすぎだろ。血管見えてるぞ?
しばらく経つと舞台裏に移動した。なんとか間に合ったようだ。
「皆!バタバタな2日目だけど、最高のライブにしよう!」
ライトが落ち、熱気は上がるが会場内の音量は下がる、反比例の会場。
それが一気に比例の会場になる時、アイドルをしていて嬉しい瞬間だ。
機械も警備も異常なし!あとは楽しむだけだな。
「っぎりっぎり間に合ったねぇ〜!みんなおつかれ」
ライブは何事もなかったかのように過ぎた。まあ、マネさんにはすごい怒られたけど。
てか、なんでそんなに酔ってなかったはずの東狐が起きてないんだよ。・・・いや、これは俺が悪いか。
「この後皆で打ち上げいかね〜?」
「「「「い〜ね!」」」」
「っあれ?東狐は?」
「なんかさっき急いで帰ってたよ。顔色悪そうだったけど大丈夫かな?」
「一応、メールで誘っとくか。」
『おかえりなさいませ。若様。』
物騒な集団が道を開ける。その真中を冷酷な男が通る。
その男の姿が見えなくなるまで、下っ端は頭を下げたまま一切動かない。
「・・・あれが噂の時期組長か。さすが、血がつながっているね。」
「だな。」
最後に出てきたのは、あるヤクザ組織の事務所です。
ここは非常に規則が厳しく、そして残酷な場所。もし若様が通る際、下っ端が少しでも動いていたらどうなっていたか……。
想像するだけでも、一般人には到底耐えられないような制裁が待っていたでしょう。
様子のおかしかった東狐はどうしたのでしょうか?そしてあるヤクザとは?
次回をお楽しみに!




