巨大書庫にきて早一年
ん~、と俺はいつものように起きる。
そして、天井にかけられてる時計を見ると朝の5時だ。
俺は、【人口太陽】を使い書庫内に明かりをともらせる。
そして、いつものように【創造】で転生前の世界でよく食べていたラーメンを作る。
いやぁ、この味にも飽きたなぁ…もっと転生前にいろんな味のラーメンを食べとけばよかったなと俺は思う。
ラーメンばかりで健康に悪いって転生前の世界なら言われるだろうな…
察しの通り、俺は転生者だ
う~む、転生したのは一年前くらいかな~と俺はあの日を振り返る
―――――
この本、面白いなぁ…と俺はとある本を手にしながら、道を歩く…
歩きスマホと同じだって?大丈夫、大丈夫、なんせここの交通量は少ないからな…
しばらくは普通に本を読めていたが、急に右側からトラックが突っ込んでくる。
ッ!!!!!!!?
俺は反応する間もなく、無残なまでにトラックにひかれる…あぁ俺の人生はここで終わりか...と俺は過去を振り返るがぶっちゃけいい思い出がない。
そして、、、俺の人生は終了した…いや、、、したはずだった。
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意識がなぜかある…あの事故で助かったのか?
しかし、周囲を見てみるとその考えを相殺するように俺の体は闇の中にあった。いや正確に言えばなかった。意識だけになってた
そして、目の前には一輪の光る花が……そして、その隣には本を読んでいる天使?らしき存在の姿があった。
天使:「……あぁ、最近こないと思っていた転生者が来たようだね」と天使はそうつぶやき本を閉じる。
「……」俺は目の前の状態に驚き言葉を発せずにいると
天使:「突然のことだから困惑してるか...とりあえず、言ってしまうとあなたは死にました」
そりゃそうだろうな...あの事故で生存できてるわけがない。
俺としても生存にかけたかったがあの事故を詳細で見直してみるに、生きてるわけがないのだ。生きていたらそれこそ化け物だ。
天使:「ふむ、あなたは冷静な方なんですね…そして、本が好きと」と天使はつぶやく
天使:「そして、君は神から選ばれたようですね…説明が遅くなってすみません」
天使:「神はあなたに対して慈悲をかけました。あまりにも、悲惨な事故だったので、、、、そして、神はあなたに2回目の人生を与えました…それが【転生《Re.》】と呼ばれ、あなたはこれから新たな人生を送ってもらいます。転生したからと言ってチートとか持てるわけじゃないですし、記憶もなくなるかもしれません。ですが、あなたに決定権はありません。すべては神が決めました。」
そういう説明を聞いた後に、天使は一つ尋ねる…
天使:「…が、今回は特別です、あなたは転生する環境を一つだけ決めれます…」
ふむ、どうやら、色々決めれるようだ。
俺:「なら、好きなだけ本が読める環境がいい…できれば、俺がわかる言語の本を」
だが、俺がわかるのは日本語だけだから異世界とはいっても根幹はずれないのだろう。
異世界と聞いてわくわくしたが、俺はあいにく、チートとかそういうのには興味がない。
知識の向上、新たな感性との接触、これが一番俺にとって価値のあることだ。そして、魔法とかを使える小説内の世界に行ければ万々歳だろう。
天使:「!!!?普段、こういう特別決定をあげると、大半は「チート能力を持つ世界!」と答えるのですが、、、いいのですか?」確か、天使はそういう風に驚いて聞き返してきたっけな
俺:「あぁ、俺は本を読むのが大好きだからな…そして、静かな環境への転生を望む…」
(天使:「ほんっと、知識の向上が趣味ですか…神は今回はいい人材を選んだんだな~」)
天使:「じゃあ、とりあえず異世界転生の準備するね~」と言いながら天使は近くにあった杖で魔方陣を描く…
そして、数秒してから魔方陣が書き終わり、転生の準備が整ったという連絡を受ける。
そして、俺の新たな人生が始まろうとしているのだった。
――――
あの時の俺はこんな、巨大な書庫に閉じ込められるなんて思わなかっただろうな…
転生当初、俺は書庫にあるたくさんの本、その数はざっと数えて一万冊は超えていた。そして、最初の本を読んでるうちに【フォリィ】や【ゼルシア】、【ゼルドラ】といった意味不明な国家が登場することからこれは小説かと思ったが、形式的に歴史書だと分かった。
そして、その時の俺に降りかかってきたのは絶望だった。