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悲劇と転機

あの時は、本当大変だったな

そう思いながら、俺はベランダに歩き出す

カーテンを開けるとまぶしい朝日が俺の部屋に入り込む


「うぅ」


情けない声が俺の口からでた

(ハァ、こんなにも俺は落ちぶれたのか)

手で顔を覆いながら、そんな事を思う


「いってらっしゃい」

「行ってくるね」


新婚さんが向かいの家から出てきたドアの目の前でイチャイチャしている

(朝一番に見るのがこれかよ…)


恋人がいる人はみんな、あんな感じなのかな

手を伸ばせは、いつも君がいる~なんて変な妄想をしてしまう自分が一番悲しい


俺には、縁もないだろうな

食べ物で表すなら、ソフトクリームと納豆くらい合わんだろう

ゴミ袋に納豆とファミリーパックのソフトクリームの箱があったのを見て思う

一人暮らしなのに、ファミリーパックってのもおかしいか


「今日は何時くらいにかえってくる?」

「早く帰るようにするよ」


よく見る、夫婦の会話だな

そう思って、煙草に火をつける


「青魚とか牡蠣とか食べてまっとくね」

「え…うん」

そう言って、女性は旦那に近づく


「早く帰ってきてね」

女性は男性にキスをする



ゴホッ

くわえてた煙草を落とし、むせてしまう

新婚さんが、俺のほうを見たのは分かった

閑静な朝の住宅街に俺のむせる音が響く


普通、外でキスするか?

変な知識は覚えてる自分が恥ずかしい

こんな、知識覚えたってどうせ意味ないのだから

俺には、普通の恋も、普通の生き方もできないのだから


だって、俺は反社、マフィアなのだから





大好きだった。人が亡くなった

あれはもう六年も前だ。

いつもの帰路についていた時に居眠り運転で暴走した、トラックが俺たちがいる歩道橋に突っ込んできた。


レインはトラックに正面衝突し8メートルも飛ばされた。

彼女の所に駆け付けると、体は血だらけで腕からは神経が見えるほどまでにえぐれていた。

あの時に、もう会えないと思って俺は確かプロポーズしたっけな


内容は確か「俺達結婚して幸せな家庭を築こうだから、頑張れ」自分は怪我してるのに急に告白されたら誰でもびっくりするし相場は感謝や出血箇所を抑えたり、楽な体制に変えてあげるだろう。


気が回らなかったってのはいいわけで実際はテンパって何をすればよいのか分からなかっただけだ


能力を使って助ければよかったけど俺は俺の能力が嫌いだった。

別に人に危害を加えたり、口から酸性の液体を出したり、バリアを生成したりするものではない。

人の能力を無効にしたり、見たものの能力を使えるーなんてチート能力ではない


ただ、実用性のないいらない能力だ


能力ってのは

この世界には、能力を持つ者、能力を持たないいわゆる、有能力者、無能力者、そして

複数能力を持つ、異能力者の3つに分かれる。

パーセントで表すなら有能力者が98%無能力者が1,5%異能力者が0,5%。

そして、僕は能力を持ってるから、有能力者である


葬式の時の、彼女の両親は壊れてしまっていた。

参列者から、香典を渡される時も、虚ろな表情をしていた。


父親もわが娘の姿をただ突っ立ってみているだけで、何時間も同じ体制だった。

居心地はいいはずがないし、大事な人が目の前から消えた絶望から

僕は、逃げるように葬式場を後にした。



「こんにちは、クロ君」


考え事をしていると、いつの間にか後ろに人がいた

180㎝くらいだろうか、スタイルがよくおまけに美人だ

長い金髪に、白いコート、どこかのお偉いさんか?


「なんで俺の名前を」

「知ってるよ。君の事は」


知ってる何を知ってるんだこの人は


「私はね、マフィアのボスをしているんだ」

「マフィア?」


そう言って、女性は隣に座ってきた。


「私の名前は翡翠、ガラムっていうマフィア組織を知ってるかな?」


ガラム、いまアメリカで起きてる事件の半分に関与しているとされるマフィア組織だ

危険で、巨悪、関与したら危険。

そんな組織のボスが俺に何の用だ


「君マフィアに入らないか。」

勧誘のために俺に話しかけたのか。


「何で俺なんですか?」

不安と怖さがあったが俺にはどうでもよくなっていた

俺は翡翠と名乗る女性についていった。

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