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大災害と能力発動のこと 6

ポケットの話、続き

 タケルは思い出すように空中を見つめて、ポケットのことを付け加えた。


…あれから、ポケットのことは、おっかなビックリで色々実験みたいなことをしたの。

すり抜けるのとプルンの境い目みたいのがどこなのかな?って思って。


さっき話したように、見えてる子供は多いはずなわけで、どこで触れるようになるのかとか、出し入れ口みたいな方向みたいのがあるのかとか。


子供の時はそんな言葉にはできなかったけどね。

で、さきに小石で出し入れ口みたいのを実験したのさ。上から、下から、前から、後ろから?


で、全方向なのか詳しくはわからないけれど、石を入れられないポイントみたいのはあるんだけどほとんどの方向から石は入った。で、前から入れた石ころを上からでも取り出せた。


あとは、ぶつかる実験ね。

最初はなんにも入っていない状態で、次は石ころを入れた状態とか。


俺、小学校の時に理科の実験が好きだったんだけど、実験の授業がある前にポケットで実験してたんだなって後から思ったよ。


意識がないときはスルー出来るから大丈夫なんだけど、意識をしながらぶつかるとどうなるんだろう?

って、実験というか遊びというか、テレビでやってるコントあるじゃん、あれを想像しながらやってたね。バタンってずっこけて転ぶのかな?とか。


でも、意識をしていてもあんまり感覚がないというか、あれ?なんか触れた?くらいの感じ。

部屋の中で急にそよ風みたいのに当たったような…そんな感じ。


介入するときって、あらかじめ意識を強くしておかないと触れることも難しいんじゃないかな…

結構疲れるんだぜ、介入って。

__


「じゃあ、今度はポケットのある場所についてなんか思っていることとか無い?」

以前にも聞いた記憶はあるけれど、その時はタケルはそこあたりを断片的にしか話さなかった。


…ポケットはあちこちにあるんだけど、地形にも関係あるのかな?っては思うよ。

俺が知る限りでは平地よりは山の方に大きなポケットがある。

 あと、川の…なんていうのかなクネクネしてるところ?近くに神社とかあったりして。


俺が思っているポケットってのは動かないイメージなんだけど、地形レベルの大きな時間の流れだと位置や大きさは変わるのかも知れない。


 あと、古い神社とか大きな岩とか。神社が先かポケットが先か、それはわからないけど結構な確率で見つかる。もちろんサイズは様々だよ。


新しい神社とかだと見かけないかな。

見かけないからと言って、神社の中まで見ることもないし俺には透視能力みたいのはないから詳しいことはわかんない。


 水の中は、水中というよりは底のあたりにあるとは思うけど、調べたことはないよ。

この前マタギの話で竜か大蛇か見たってやつ、あり得る話だなと思ったし、湖とかなら大きく地形も変わらないだろうしね。


 上空ってのは見たことない。

町中にあるといっても、ほとんどが1階か地下だから、地表とか地下とかに関係あるのかも。


子供が神隠しにあう伝説も、ポケットが地面に近いからじゃないかな。

そこで子供が死んでたら…と思うと、ちょっと怖いから。そういう言い伝えがあったところには行かないし触れないようにしてる。

__


「タケルはこの町のポケットって大体把握してる?」


「いや、気にしたことない。俺の行動範囲内にもチョコチョコあるけど、不審な動きしてるとこを見られる方がイヤだし、ほとんど触ってないよ」


「お宝みたいの隠したりしないの?」


「子供のときはやった。拾った小銭とか警察に届けないでポケットに隠した」


「犯罪じゃん」


「花火大会とか夜祭の翌日って小銭が落ちてるんだよ、それを拾いに行くのが流行ったの」


「…そっか。この店にもあるの?」


「ここは、トイレにある。なにも隠したりしてないよ」


「ほんと?」


「…実は3千円隠してる。500円玉で6枚。勘定忘れたとき用の貯金」


「最後にこの店に来ることも多いしね、なんで500円玉なの?」


「硬いものの方が探しやすいからかな。ヌルヌルの向こう側に紙を入れるのは感覚的にイヤだし」


…タケルは時々感覚優先の話をするのだが、僕みたいに頭でっかちは能力に程遠い人間なのかも知れないな。

ご覧いただきありがとうございます。

酒飲みの会話ばかりです。

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