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紫陽花の咲く頃に

作者: もふもふ

季節は12月の冬の日


私は小さいコタツに入りながらスマホのアプリを苦戦しながらやっていた


そのスマホのアプリはFPSと呼ばれるゲームだ。


銃を手に持ち、他のプレイヤーを撃ち倒して勝利を目指す

とてもシンプルで有名なゲームなの。




「かてにゃい……」



私はへたっぴだった



そもそも私は昔からゲーム機を1つも持っていなかった



「ほかの人の動きを参考にしてみ?

 上手い人の真似が1番とちゃうかなぁ〜」



苦戦している私に、お兄ちゃんがそうアドバイスをくれた


ちなみにお兄ちゃんと呼んでいるんだけれど、

この人とは血は繋がっていないの

私が勝手にお兄ちゃんとそう呼んでいるだけなの


お兄ちゃんはコタツに入りながら美味しそうに冷たいアイスを頬張って食べていた。

あの2個入ったおもちみたいなアイス



「冬のアイスはうまい!」


だってさ


私にも同意を求められたんだけど、私はそれにはあまり共感ができないわ。


(ごめんね、お兄ちゃん

私は寒がりだから冬にアイスは食べたくないの)



先に説明して置くけどこのお兄ちゃんはとっても変わっている変人なの


出会いは私が病んでいる時に出会ったんだけど、

その時のお兄ちゃんは会社の都合で地元を離れ、社員寮で一人暮らしをしていたの



「俺の借りてる部屋に好きなだけ居ていいよ。」



出会った時にそんな下心丸出しのセリフを言っていたわ


……あぁ、ヤリモクかな。


私は正直にそう思った


当時の私は今すぐ消えてしまいたいとネガティブになっていたから、

この男の言葉に甘えては、

別にどうにでもなれと言う軽い気持ちでついて行ったの。


この男の人は私に体の関係でも要求してくるもんだと思っていたんだけれど、、、


そんなことは一切されなかったの。



「掃除やご飯をたのまい!

 拙者はアニメを観るので忙しいのでござるよ。」



いきなりそんなセリフを言ってきたわ



(あっ、この人オタクだ)


誠実さを売りにしていたけれど変な人だった。

私には女の子としての魅力が無いのかと、

何度も鏡を見ては自信を無くしていたんだけれど、違うようで少し安心した

なぜなら、オタクにはオタクの信条があるそうだとか


あまり深く考えずに私は言われた通りに家事をこなした。



このオタクの男性は不思議な人だった。


アホっぽい言動や行動の裏腹には、

あらかじめ知っている答えをとぼけて訊いてくるの。

とてもタチが悪いし性格がひねくれてるのね。

でも不思議な感じがした。


ちょっと大げさに言っちゃうけど、

特技?っと呼んでいいのかわかんないけど、

このオタク男性は相手の目を見て話をすることで、

相手の目線や仕草から、【その人が嘘をついているかどうか】を見抜くことができるの

ジョジョみたいでしょ?


勘が鋭いってレベルを超えていて、

とても気持ち悪いほどに見抜いちゃうのよ。


だから私は、この人と話をする時には、なるべく目を合わさないように気をつけて話をしているの。

ごまかしたり嘘をつけば本当にすぐにバレちゃうんだもん。


そんな私も実はお兄ちゃんに似た特技を持っているの



私は目を見て嘘は見抜けないんだけど、相手の『声』を聞くことで、

その人の喜怒哀楽の感情が偽りか?真実か?自分に対して敵意や嫌悪感を抱いていないか?などがわかる時がたまにあるの。

もちろん全部が全部わかるわけじゃないよ。

私の勘違いや思い込みの部分ももちろんあるからね。



なぜこんな特技が身についているのかと言うと、


わたしは小学から中学に入るまでいじめられていたの……


いじめてくる子達が怖くて怖くて、

相手の目をまともに見れずに話をしていたわ



当時のわたしは、いじめてくる子達の声を必死に拾ったわ


声を拾っては相手の考えを理解しようと必死になって感じ取ろうとしていたの。


拾った声で判断し、いじめてくる子たちの機嫌を取っては

(へりくだ)ってその場をやり過ごそうとしていたのよ。


だからこの、

【相手の声を聞くと感情がわかる特技】は、

いわゆる【防衛本能で勝手に身に付いた特技】なんだと、

私はそう思いこんでいるの。



今でも覚えている出来事があるわ

それは小学四年生の時よ。


相変わらず毎日いじめられていたわたしは、

夕暮れ時に、泣きながら家までの道のりを帰っていたの。


そしたらね、

買い物帰りのお母さんに見られてしまったのよ


……いつもの私なら家にたどり着くまでには、

ちゃんと泣き止んでいたんだよ?

そして明るく「ただいま〜♪」って、

何事もなかったかのように玄関のドアをあけていたの。



でもこの日だけはいつもと違った



泣いてるわたしのことをお母さんは見つけてしまったの。

お母さんはすぐさまママチャリで駆けつけてくれたわ。


前のカゴにはスーパーの袋があった

スーパーの袋から、チラッとわたしの好きなだったおやつが

ちょっぴり見えていたわ。

それが当時の私の楽しみだったことを、今では懐かしくうっすらと覚えているわ。


泣きながら帰っているわたしを発見したお母さんの顔は、

とてもとても心配そうにしていたの。


すぐさま近寄ってきては泣いているわたしに何があったのかを、

肩を揺らしながらものすごい剣幕できいてきたの。



わたしは嘘をついた



「なんでもないよ(๑❛ᴗ❛๑)」



すぐに泣き止みいつものように心配させまいと無理にでもお母さんに笑って見せたの


それでも詳しく訊き出そうとしてくるお母さん。


だからわたしは子供ながらに話題をそらしてみたの。


今日の晩御飯は何かなぁ〜

お父さんは何時に帰ってくるのかなぁ〜

おやつ食べたら怒られるかなぁ〜


そんなことを言っていた記憶があるわ。


……でもやっぱりお母さんにはバレバレだった。


自分の娘が辛い思いをしているのにそれを声に出さず、ましてや心配させまいと下手な嘘をついてまで笑ってごまかそうとしているちびっこのわたし、、、


そんなバレバレの演技をしているわたしのことを真っ直ぐな瞳で見つめてきては、

お母さんはその場で勢いよくわたしのことを抱っこしてくれたの。


「本当のことを言って!」


わたしを強く抱きしめながらも、お母さんは涙ぐんでいたわ。


わたしは少しびっくりした。


そしてわたしは耐えきれずに泣き出してはその場で正直に、

学校でいじめられていることを告白したの。



「……辛かったね

 気付いてあげれなくてごめんね。

 ……愛しい子。」


お母さんはそっとわたしのことを抱きしめてくれたわ

今度は優しく優しく抱きしめてくれたの。




「……ぐすっ、、いとしぃ?なぁにぃそれぇ??」


わたしは初めて聞いたその言葉に、

可愛いらしく返事をしたかも知れない

そんな感じで聞き返していた記憶が……記憶が……

う、うん、ないですごめんなさい。

ちょっと可愛い子ぶりました。



ただ、



お母さんの言葉だけは忘れていない。



「"いとおしい"よ。……大好きってこと、、、」



お母さんはそのままわたしのことを、

優しく優しくぎゅっと、ぎゅぅーっと、

本当に優しく、

再度抱きしめてくれたの。

わたしの耳元でお母さんの鼻がすする音が聞こえた。


そのことを、

私は今でもずっと、ずぅぅっと覚えているわ。



……あの時の私はまだ小学生だったからなぁー

嘘が下手だったんだよねー

ちなみに今なら、もっと上手くごまかせる自信があるかな



わたしには内緒でお父さんとお母さんが

"学校側に相談してくれていた"

なんてことを知ったのは、お母さんが入院中の時だった。



……お母さんは私が高校に入ってすぐに癌で入院したの。



お見舞いに行くたびに少しずつ痩せていくお母さん


入院中のお母さんが

あの日の帰り道を懐かしく思い出しながら

あの時に言えなかった言葉を、

病院のベッドに横になりながらも私にそっと言ってきかせてくれたの。



「……私達の前では我慢しなくていいからね?」



弱々しく辛そうな表情で微笑んでいたわ



私はその一言で泣いてしまったの



目の前にいる大好きなお母さん、、、

今ではお母さんの方が辛いはずなのに、、、


私は何もしてあげれないことに悔しくて、

本当に悔しくて、

お母さんにすがるように泣いたわ。


死んでほしくない


ずっと私達といてほしい



……そんな私の願いはかなわず、、、

お母さんは天国に旅立ってしまった




お母さんが亡くなってからのお父さんは悲惨な心労だったのかも……


"魂が入って無い"


と言って伝わるかどうかわからないんだけれど、

ずっとボーっとしているような、そんな虚な、

生きる気力が感じられない状態だったの。

そして最悪なことにお父さんはお母さんの後を追うように自殺してしまったの


私は独りぼっちになってしまった



……話が暗くなってきたから戻すね。



私は上手い人を参考にしようと、

ゲームの配信をスマホ1つで簡単に配信できる、

とっても使いやすいアプリを見つけたの。


さっそく私もやってみることにした

ゲーム配信とか初めてだ。


私は緊張しながらも、

声を出してゲーム配信をしてみた。


最初の5分くらいだったかな?

初見さんが来てくれたの。


その後も何人か観に来てくれたわ。


だけど私ってば、

"ゲームをしながらコメントを返す"ってことが難しくて

その人達とまともに挨拶すら出来なかったの。



15分が経過したので配信を終わることにした。


とても長い15 分だと感じたわ。


いやほんとにね。


結局、


私は誰からもフォローされなかった。



私は終わってから1人スマホに向かって、


「まぁ、私は可愛い声でもないしぃー。

 トーク力もないから仕方ないよね〜。

 誰からもフォローされなくても、

 別にいいんだけどねぇー」


っと、


そう捨てセリフを吐いたの。


このセリフはそもそも間違いな気がする。


なんの努力もせず、

いきなりバズるなんてことは、、、


そんな都合の良いことは、、、


う、うん、実際あるよね。



それでも私は、

努力をしてまで"配信を面白くしよう!"

などとは微塵も思わなかったの。

だから私がさっきの捨てセリフを吐くなんてことは

おこがましく、

そして間違っていることなのだと思ったわ。


もちろん私は有名になりたいとは思ってもいない。

逆に人に注目されると嫌な気持ちになる。


なぜなら、

とあるつぶやくSNSで、

私の顔や全身が写った写真を載せてみたことがあるの。

いわゆる裏垢と言うやつなんだけどね……。

承認欲求なんだと今になって気付きました。

若気の至りってやつよね。黒歴史なんて人それぞれあるよね。

あると言ってほしいなぁ、、、



私の容姿を自己評価するとしたら、

可愛い系って言うよりかは、美人系?だと、


そう思っちゃってます。


はい、

ちょっと見栄張っちゃいましたけど何か?




写真を載せてすぐに、たくさんのDMが来たわ。



「可愛いね!住み近くだね?遊びに行こうよ。」


「いくらなの?おっきいのは好きかい?」


「エロい身体してるねw 1回揉ませてw」



初対面にも関わらず、

気持ち悪いDMが山ほど来たの。


挙げ句の果てには、

男性の性器が写った画像を、

勝手に送り付けられたわ、、、


ネットは匿名だからって、

何やっても良いはずがないのにね、、、


……私はそっとそのアプリを消した。



今では青いハトのマークを見るだけで、

とても嫌な気持ちになってしまうのだ。



話がだいぶ()れてしまったけど、

配信アプリで上手い人の立ち回りを見ては、

上達する為に勉強しろと、

お兄ちゃんはそう言っているのだ。

ちなみにお兄ちゃんは、自分ではFPSはやらないみたいだけれど、動画を見るのは好きみたいだった。


たぶん動画の影響か何かなんだろうけど、

一時期のお兄ちゃんの口癖が、

「カットしていくぅ〜!」

っとなっていたわ。


一緒にご飯を作っていた時なんて最悪だった。


材料を切っては、

「カットしていくぅ〜!」

っと、

やたら連呼していたの。


ネタを知っている人には面白いのかも知れないけれど、

その人を知らない私からしたら、

本気でイラッときていたの。



居候の身であるはずの私でも、


たまらず、


「なんでも影響されるのやめてっ!」


っと、


オタク男性の肩を思いっっっきり、グーパンした。


マジでグーパンした。



今思えば、

あれはわざと苛つかせる為にやったのかな、、、


いや、


アホな人だから、本気でネタをやっていたと思う。


でも私は、

この男の人のおかげで、

少しずつ感情が戻ってきた気がしたわ。


そしてもう1人、、、


私に元気をくれた人物がいるの、、、




私はお兄ちゃんに言われるがままに、

他の人の配信を見に行った。


上手い人の動きを参考にしようとしたのね。



そのアプリでは、

いろんな配信者さんが様々なゲームを配信していたわ。



私は冒頭でも言ったように、

FPSのアプリの配信を探していたの。



見つけたので適当に視聴してみることにした。



初めて入った配信者さんは……



エモモがピンクの髪をした女の子だった。


その女の子は実況しながらも、

私と同じFPSのアプリをプレイしていたの。



このピンクの髪の女の子は、

この時はまだ成人していない年齢だったわ。


私より歳下の子だったんだけど、

おとなしい私と違って、

とても明るく元気な女の子だったの。


おまけに声が可愛い。



「はい、清楚♪」



敵をキルするたびに、

そんなことを言っていた気がする。



このピンクの髪の女の子は、

ゲームがすごく上手(じょうず)ってわけではなかった

だけどなぜか常にテンションが高かった

それはこちらまで元気にさせられるような、

そんな不思議なテンションの高さだったの、、、


私はその時の配信では、

ピンクの髪の女の子をフォローせずに退室したわ。


(たまたま見ただけであって、

もう会うことも無いんだろうなぁー)


っと、


この時の私はそう思っていたのね。


私はいじめを受けていた時から他人に対して、

どうも冷たい感情になってしまっているの。


もしかしたら、


最初から冷たい人間だったからこそ、

わたしはいじめられていたのかも知れない、、、


……実際のところどうなんだろうね?わかんないよね




次の日の晩になり、

私は再び配信アプリを開いた


昨日と同じく、

FPSの配信を探しては、

立ち回りの勉強をしようとしたの、、、



するとね、



またピンクの髪の女の子の配信を見かけたの。


私はなんとなーく、

また配信を視聴することにしたわ。



「ちす!ちす!いらっしゃい♪

 ……あっ、昨日も来てくれた人やんなぁ?♪

 ゆっくりしていってくれたら嬉しいなぁ♪」




私は少しびっくりした。


昨日の通りすがりの私なんかのことを、

このピンクの髪の女の子はちゃんと覚えていてくれてたからだ。



ピンクの髪の女の子は、

ゲームアプリのFPS、

BattleRoyal(バトルロイヤル)と言うモードをやっていた。

これは100人中、

最後の1人まで生き残れば勝利となるゲームモードだ。


ピンクの髪の女の子は敵を発見しては、

先に敵に向かってグレネードを放り投げた。



そしたらなんとね、


このピンクの髪の女の子はね、


自分がついさっき投げたグレネードのことを忘れているのか、

そのまま敵の方に自ら突っ込んでいったの。


そしたらね、

案の定ね、

グレネードが爆発して自爆しちゃったのよ。

まぁ普通そうなるよね。



「バカなの?ねぇバカなの?」


私は思わずスマホの画面越しに、クスッと笑ってしまった。


本人は必死だったので、

私はピンクの髪の女の子を励ました。


「がんばれ〜ふぁいとー!」

っと、

応援のコメントを残した。


ちなみに私は男性のエモモに設定しているの。


このおかげで変な人は寄ってこなかった。


男性の見た目なので私のことを君付けで呼んでくる人もいた。

私はめんどくさかったので否定はしなかった。

その人がそう思ったら性別はそうなのだ。

ネットだからネカマもいれば、その逆もいるのよ。



私はピンクの髪の女の子の配信を見続けた。


もう一度BattleRoyal(バトルロイヤル)に挑戦するみたいだ。


ピンクの髪の女の子は、

空から降ってくる救援物資の箱を取ろうと車を走らせていた。

この救援物資の箱は、

他のプレイヤーも狙ってくるほどに、強いアイテムが入っているの。




誰よりも早く、落下地点に到着したピンクの髪の女の子。


上から箱が降ってきている。


それを受け取ろうと、


ピンクの髪の女の子は落下地点でスタンバイしている。


するとね、、、


救援物資の箱がね、


ごろごろってね、


転がってきたの、、、


そしたらね、


ピンクの髪の女の子が操作しているキャラクターがね、


まさかの"箱に"潰されてしまったの。


他のプレイヤーの敵に殺されるわけでもなく、

箱に殺されちゃったのよ?



それを見たリスナーからのコメントは、

「www」がいっぱい打ちこまれていたわ。


「え⁈

 今のなに⁈⁈

 そんなことある⁈♪」


ピンクの髪の女の子は初めての出来事を経験し、

戸惑いながらも、それを楽しむように笑いながらゲームを続けていた。


爆笑とまではいかなかったが、

私はまたしてもクスッと笑っていたの。


ちなみに私は、

このゲームは箱によって潰され死んでしまうことを、

事前にお兄ちゃんから聞かされていたわ。



さすがにもうこんなことは続かないよねー。


っと、


私は見守りながらも、

このピンクの髪の女の子の配信を見続けた。



そしたらまさかまさかの、



ピンクの髪の女の子は、


三度、


またやらかしちゃうのだ。




車に乗って移動しているピンクの髪の女の子。



敵のプレイヤーと遭遇した。



敵はこちらの車を目掛けて撃ってきている。

……車の耐久値は赤色に。



ピンクの髪の女の子は、

構わず敵に向かって車を走らせた。

……私とそれを見ているリスナーの全員が、

こう思ったと思う。



()き殺す気だ!』っと。



敵のプレイヤーもその意図に気付いたみたい、、、


そしてサッとかわしたわ。



かわされた車は勢いよく木にぶつかっちゃった。


そしたらね、


女の子が運転していた車がね、


綺麗に爆発したの。


……キルログは車両爆発で"自爆"扱いだったわ。



女の子は初めて車が爆発することを知ったみたい。



「え??

 まっ⁈

 車って爆発するん⁈⁈⁈」



とても驚いていたわ。




いやいや、あのね、……スゥー(息を吸い込む)



『私の方が驚きなんですけどぉぉぉ⁈』



3回とも素で自爆した人なんて、……スゥー



『初めて見たんですけどぉぉぉ⁈』


配信を見ていた他のリスナーも、

きっとそう思い爆笑していたと思う。

真剣勝負で3回連続、自然に自爆するなんて、、、

やろうと思ってできることじゃないよね。


このことがきっかけで、

私はこの子の配信を観に行くたびに、

「自爆はまだですか?」

っと、ボケを言うようになったの。


とある配信中のことだ。

「コラボはしないんですか?」


っと、

私は聞いてみたことがある。


そしたらピンクの髪の女の子はこう言ったの。


「最初にコラボする人は決めているの。

 ○○○○って女の子なんだけど、

 良かったらフォローしてなぁ♪

 実は私が配信を始めたのって、

 この子を知ってほしい、有名にしたい

 って、そう思ったから配信を始めてん♪」


関西弁でそう言っていた。


あぁ、この子は誰かの為に動ける人なんだなぁ


私は気付けばピンクの髪の女の子のことをフォローしていたの。


向こうも後から気付いてフォローを返してくれていた。


私は別にフォローが返って来なくともなんとも思わない、

むしろフォロー返しとかはいらないとすら思っていた。



だけど、、、



フォローが返ってきたのが少しだけ嬉しかった。



人間の心理なのかどうかは置いといて、

送った好意がちゃんと返ってきたら、

やっぱり嬉しいものがあるみたいね。


まぁ当たり前のことだよね……


いや、


今のは待ってほしい。


そもそも『当たり前』って私は言っちゃったけど、


それは『誰の常識』で、

私はそう言ったんだろう?


そもそも『常識』って???


非常識なことでも、

周りが認めちゃったらそれは常識になるし、

そもそも送った好意が返ってこないからって、

腹を立てる気持ちになるのは間違えていると思う。

……

………

私はなんだが"答えの見つからない迷宮"にでも迷い込みそうだったから、

さっさとお風呂に入って寝ることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日もピンクの髪の女の子の配信に遊びに行っては、

コメントをして、

みんなで盛り上がっていた。

リスナーさんのコメントも面白いのだ。


配信者さんはその面白いコメントに同意したり、

ツッコミやら笑いを足したりしていた。

このアプリに限らず、

配信者さんたちはすごいし流石だと思っているわ。


私のことなんて、

主役の配信者様から見たら、

1リスナーでしかないし、

周りのリスナーさんも当然のことながら、

私なんかのことを、気にもとめてないはず、、、

それは当然のことだよね。

だって配信者さんの配信なのだから。



でも私はちょっと見方が違っていた。


主役を盛り上げるのは『名脇役』だと、

映画やドラマ、

漫画やアニメ、

それらをよく観てはそう感じていたからだ。



お互いを高め合うライバル。


ピンチに追い込み、

ハラハラとさせてくれる悪役。


登場人物達のなにげないワンシーンが、

後に名シーンになったり。


"素敵な好敵手や名脇役がいてくれるからこそ"、

主役が引き立ち、

物語をよりいっそうと面白くするの。


それは人生と言う物語でも同じことかも知れないよね。



ライバルもいない?

友達もいない?

目標とする人物すらいない?


もし仮に、あなたが独りぼっちだと感じたのなら、



『独りぼっちの主役』



なんて映画のタイトルが付けれそうだよね。


ううん、私が勝手に付けてあげる。



この映画の主役はもちろん『あなた』。


家族や友達、恋人が1人もいない『あなた』


そんな状態が続いていると、

自分は本当に独りぼっちなんだと思い込んでしまうの。



だけどこの物語の主人公の『あなた』は、

本当は独りぼっちなんかじゃ全然ないの。

ただ真理に気付いてないだけ、



「なにも知らないくせに勝手なことを言うな」



そんな声が聞こえてきそう。



たしかに私は『あなた』のことを何ひとつとして知らないよ?


『あなた』は私のこと知ってるの?


知らないでしょ?



……これでおあいこだね♡



独りぼっちでいるとね、

街中を独りで歩いていると、

急に悲しくなって来たり、

周りを妬んだり、

嫉妬したり、


そんないろんな感情が込み上げてくることあるよね?



でもそれは逆に気付くチャンスなんだと思う。



いっぱい傷を負うとね、


悲しい気持ちにはなるんだけど、、、


その分、


"誰かに優しくしよう"って気持ちになるんだよ?



たぶんそれはね、



『痛みを知ってる』からなんだと思うんだぁ



例え初対面の人にでも、


"自分が受けた痛みは、

相手にはけっして与えないようにしよう"って、

そう考えるんじゃないかなぁ。



それは普通の人にとっては当たり前にできてることなのかもね。

だからこそ、

普通の人は独りぼっちじゃないのかもね。


自分は普通じゃないと感じていても悲観しないでほしい


あなたにしかできない優しさもあるからね?


『独りぼっちの主役』


あなたが思う主人公って、

どんな風なのかなぁ


誰かに批判されようが、馬鹿にされようが、




"あなたの信念はあなたにしかわからない"



あなたの夢や目標を周りが否定し、

それを止めに来たとしても、


"続けてほしい"


例え親や友達から心配され、口を出され、あなたの考えが変わりそうになったとしても、


それでも、


"続けてほしい"



「無責任なことを言うな!

 お前に責任が取れるのかっ!」


っと、

そう言われてしまったら、、、


私は声を大にしてこう言ってあげる♡





『取れるかあほぉー!!

 でも、、、

 あなたが輝いている世界の方が、

 絶対に面白い!!!』



こうハッキリと言えるよ?


暴言は良くないね。

……ごめんなさいでした。



人には人それぞれの悩みがあるからね?


失敗ばかりで苦しいと思う、


独りぼっちで寂しいかも知れない、


才能の違いに絶望を感じるよね、



それでも、、、



『諦めない』



一流じゃなくても

二流で夢を叶えても良いと思う。

そこからまた高みに挑んでみようよ。ね?



だいぶ話が逸れちゃたけど、

私は配信者様のことはもちろんなんだけど、

その周りで面白いコメントや優しいコメントをしている人のことも気にして配信を見ているの。


ピンクの髪の女の子の配信にはそんな人が多かった。


私は今日もピンクの髪の女の子の配信を視聴しに行った。


ギフランと呼ばれているイベントの最中だった。



彼女は入賞して貰えるアリスの衣装が、

とても欲しそうだった。

たぶん私じゃなくても、

彼女の声を聞いたら、

その衣装を本当に(ほっ)していることがわかったはず。


そこへ、、、


物凄い勢いでギフトを投げてくれる『女神』が、

ほんと急に現れたの。


とゆーか、


さっき来た初見さんで、

名前を見ても私なんかでは知らない人だったわ。


(えっ?ほんとに初見さん?

それにしても、

初見さんでいきなりこんなに投げるかなぁ⁈)


私はスマホの前で驚愕(きょうがく)していた。


いや、今のは少し嘘をついちゃった。

そんなシリアスな驚き方じゃないの。


小説だからって、

ちょっと大袈裟に表現しちゃったことを、

ここに謝ります。


実際には、

スマホの前で、

口を「ほぇー」ってアホみたいに開けながら、

お布団の中でゴロンとして観ていたの。



ピンクの髪の女の子も、

『女神』からの大量のギフトに驚いていたわ。


「えっ⁈ちょっと待って⁈ちょっと!!」


っと、


びっくりしていたのが伝わった。


そして最後にピンクの髪の女の子は女神に一言、、、


「ありがとう♪」

(ありがとう♡)←コレは私にしか聞こえない心の声ね。


嘘偽りの無い、感謝の言葉だった。


ピンクの髪の女の子は、

リスナーであるその女神に

「なぜ初見なのに投げてくれたの??」

っと質問していた。


私もその答えが知りたかった。



すると女神は、



「え?

 だって、、、

 本当にほしそうだったから……」


っと、

そう答えたの。



私はそれを聞き、

思わずその女神の人をフォローしていた。


きっとこの女神の人は、


『相手の気持ちを汲み取る心が綺麗な人』


なんだと、私は勝手にそう思ったの。


別に大量にギフトを投げたからじゃないよ?


なんて言うか、、、


語彙力が足らずに申し訳ないんだけど、、、


周りが否定しようが、

本人さえ否定しようが、


『相手の気持ちがわかる心が綺麗な人』


そう私は感じたのだ。


きっとこの人の前世は女神なのだろう。

(女神に"さま"をつけないのは以下の通りなのです)


しかしそんな女神のことを、

私はだんだんと知っていく内に、


「あっ、やっぱり狂人に呼び方を変えようかなぁ」


っと、

心の中で悩むほど、

やべーやつだったのは内緒のこと。




私は今日もピンクの髪の女の子の配信を観に行った。


私はあまりギフトとか投げるのは好きじゃない。

まず、私にはお金が無い、、、


お金によって人の態度は全然変わる。


ピンクの髪の女の子は私が1円の価値しかない、

小さなハートを送ってもちゃんと喜んでくれた。


私の特技でそれが真実かどうかは見抜けたの。


まぁ特技とかちょっと大袈裟に言っちゃってるけど、

そこは厨二病が現れたとでも思って、

生暖かい目で見守っていてくださいね♡



ピンクの髪の女の子は最初はこんな感じだったの。


「小さなハートありがとう♪」

(はい、ありがとう。)


明るい声で初々しさもあったのだけれども、

「とりあえず言っておこう」みたいな印象だった。

決してdisってるわけじゃないからね?

本当に最初は彼女もそんな感じだったんだよ?

ほんとうだよ?


だけどね、



彼女も配信を通して成長していったの。



見る人が増え、

彼女はきっと苦悩してきたのかも知れない


私なんかが想像していることよりもずっと、

きっとものすごく悩み、

今でも苦しんでいるのかも知れない。


嫌がらせや心ない言葉を投げつけられたり、

いきなり来た初見さんに、

的確な指摘もなく、

ただただ「つまらない」っと言われたりとか、、、


そんな辛い思いをしていても……



『彼女は諦めなかった。』


彼女は"見てくれている人が楽しんでくれるように"

っと、

いろいろと試行錯誤(しこうさくご)をしているのが、

配信を通じて伝わってきていたの。



そしてある時から、


彼女は来てくれた人に対して、



『心から感謝』


をしたのがハッキリと分かった。



ポチッ。


私は今日も彼女に小さなハートを送った。



「小さなハートありがとう♪」

(来てくれてありがとう♪)



「!」


私は少しびっくりした。

最初と違って、

本当の感謝の気持ちが、

彼女の声に込められていたからだ。


そしてそれに比例するかのように、

不思議と彼女を"推す人"が増えていった。


……私も彼女の明るさを見習わなくちゃ。


「歳下から学ぶことなど無い」

っと、

本気でそう思っている人がいるのなら、

その人はその程度の人なのでしょうね。


まぁ偉そうに言っている私も、


結局は、

変人のお兄ちゃんからの受け売りなんだけどね。

(*´꒳`*)てへっ。



彼女がイベントで走る時は協力しようと決めた。

お金がない私は、


「お兄ちゃん!5万円ちょうだい!」


っと、


ずぅずぅしくも頼んでみた。


「5万⁈何に使うん?」


「課金!」


「課金かぁー。そうかぁ〜。」


……ポンッと財布から五万円を出してくれたことに驚いた反面、

アホなのかな?この人、、、っとガチで思った。

もちろん尊敬する部分もある。


お正月にお兄ちゃんの実家について行った時のことだ。


最初はお兄ちゃんの家族から

『まさかこんな美人な彼女を連れて帰るなんて⁈』


……うん、

美人って部分は足しましたけど何か?



オタク男性が女連れで、

実家に帰って来たから家族の人はとても驚いていたの。



しばらくすると、


小さい子供連れの人達が、

お兄ちゃんの実家に挨拶にきていた。


お兄ちゃんは元気いっぱいなちびっこ達の

遊び相手を喜んでしていた。


そして、

おじさんとおばさんに、

新年のご挨拶をした後、

その人達にお年玉をあげていたの。


そのおじさんやおばさんは受けとるのを

もちろん断っていた。


「小さい頃におじさんやおばさんから頂いた分を、いま返しているだけですよ♪」


っと、

照れくさそうに笑いながらそう言っていた。

さらには、

「ちびっこ達の分」っと言って追加していた。


親戚のおじさんやおばさんはとても感動していた。


その光景を目の前で見ていた私は、、、


『私には一生そんなことは出来ない!!』


っと心の底から思った。

ここに誓ってもいい。


そして元気いっぱいな ちびっこ達が、

「早く遊ぼう♪」っと、

お兄ちゃんのことを呼んでいた。


そしてなぜか私も一緒に遊ぶことに……


私も子供は嫌いじゃない。


だけど私は、


子供達とは一緒に遊ばずに、

ひたすら小さい子供達のほっぺたを、

ぷにぷに していた。


頬ずりだってした。


すごく柔らかい!


まるでお餅みたい!!


私はとても満足していた。



……さすがに子供達から鬱陶(うっとお)しがられたから謝っておいた。



「小さい子供からでも気付かされることなんて

いっぱいあるやんなぁ」


そう私に言いながら、

一生懸命に ちびっこ達 と遊んでいるお兄ちゃん。



「愚か者は誰からも学ばないが、

 賢者は愚か者からも学ぶ

 って言うやんあれ。

 まぁ、

 この子達は愚か者じゃなく、

 未来の偉人になるかもしれへんよなぁ〜

 いや、アニメ業界に入って貰おうか♪」


立派な振る舞いや言動だが、

どこかアホっぽい。


そして冗談かどうかもわかりずらい……


そんなお兄ちゃんのことが、

時々、

カッコ良いのか悪いのか分からなくなってくるの。


っとまぁ、

お兄ちゃんの言葉を教訓として、

私はいろんな人から、

学ぶ姿勢を真似ているってことなの。


私はお兄ちゃんの実家で楽しい時間を過ごさせてもらった。



「……もう大丈夫そうやね。」


帰りの電車でお兄ちゃんがそうつぶやいた。


きっとこれはお別れの言葉だと、


私は直感した。


たしかに出会った当初よりかは、

私は元気になったと思う。


だけど、、、


私はまた独りぼっちになるのが怖かった。



「大丈夫じゃない!

 お金持ちでイケメンの彼氏ができるまで、

居候するから!」



お兄ちゃんは笑っていた。

私もつられて笑った。


……そしてまさかの、、、


お兄ちゃんから

同じ会社の人を紹介されたの。

本当に将来お金持ちになりそうなイケメンな方だった。


ーーー

注意:ここからは省略します。

まとめる時間がなく、中途半端になるかもですが、

誕生日に載せれるように予約はするつもりです。

ーーー



彼が転勤することになった。

私はパートをやっていたけど、

辞めて彼と一緒に同棲する流れになった。


それは同時に、

今までの生活ができなくなることを告げていた。



……いまお付き合いしている彼には申し訳ないんだけど、

私には気になる人がいた。

それは赤い髪の配信者さんだ。

ピンクの髪の女の子のリア友らしい。


声から来る優しい雰囲気や、

その人が作る楽曲やメロディがとても好きなのだ。


ピンクの髪の女の子には感謝しきれない。


"彼女がいてくれたからこそ、

たくさんの人を知るきっかけになった。"


"その明るさに、私は救われた。"



今は楽しかった配信を観に行くことができなくなってしまっている。


"推しは推せる時に推せ"


この言葉がとても突き刺さっている。


私も配信を辞めずに続けて有名になっていれば、

みんなともっと

たくさんお話ができていたのかなぁ?



過ぎてしまった時間を悔んでは、

そんなことを考えてしまっている私がいる。


お兄ちゃんにはよく、

私がご飯を食べる時に配信者さんたちの話題を話していた。


お兄ちゃんは「へぇー。」

「あ、そうー」

っと、

ちゃんと話を聞いているのかどうかわからない感じだった。

誰が誰なのかきっとわかっていないと思う。


お別れの晩に、


「……中途半端はヤダなぁ」


っと、

私は不意にボソッとつぶやいた。


ついさっき夢がどうのこうの偉そうに言っていたけれど、

それは私だって同じことなの。


お兄ちゃんは黙ってご飯を食べていた。

それが何を意味しているのか

お兄ちゃんにはきっとわかっていないよね。


今までありがとう。

変な人だったけど楽しかったよ。さよなら。




そして、、、


紫陽花が咲く頃にいろんな想いが溢れてきます。


好きな花は今までなかったけど、


この花は好きになったかな。




7/2のお誕生日の配信者さま

1年前にも言ったけど、

それでも何度でも言いたいです。


『誕生日おめでとう!

 生まれてきてくれてありがとう(*´꒳`*)』


               もふもふ。

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