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断罪予定の悪役令嬢の行く末  作者: みずのとさやか
断罪予定だった悪役令嬢のその後
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近隣国の王女殿下の疑惑

相変わらずまったり更新です。

感想ありがとうございます!日々の糧です!

 クロッカス様歓迎の諸々は散々でした。近隣国の王女殿下とは言え、許される限度を超えていませんか?という程に。


 ノイエ様へのベタつきのみならず、ディエス様も近くに置いて、カンパニュラを顎で使う始末。ハーレムルートでも攻略中なのでしょうか?というレベルです。


「ノイエお兄様、デルフィニウムは怖くて嫌いだから近付けないでくださいね。その代わりに護衛はネメシアにしてください」


 ネメシアは近頃魔術協会代表団として他国を訪れる機会も有りますが、まさかクロッカス様が他国の魔術師団長子息(侯爵子息でもありますが)をご存知とは思いませんでした。


 ……うーむ、これは何か裏がありそうです。


 さて、わたくしとノイエ様ですが、あれからクロッカス様の付き纏いが物凄く、二人きりなんて夢のまた夢でした。しょぼん。

 それなら手紙(広域に見れば同じ屋根の下にいるのに!)でもと思いましたが、クロッカス様が勝手に破り捨てたり、持って行ってくれる侍女や侍従、メイドをいびるそうで……彼等が可哀想過ぎて諦めました。


 するとノイエ様が、


「書類に紛れさせて言葉を交わすしかない」


 と、深夜テンションで考えたんだろう策を披露したそうです、ネメシアに。


 所謂それは『交換日記』でした。しかも、わたくしとノイエ様の魔力感知機能付きという謎の高性能な。

 これで互いしか内容は見れませんし、重厚な参考資料本のような装丁にした為、クロッカス様にバレる心配もありません。


 初めは両想いになったのに交換日記とかって、めっちゃ昭和……いにしえの文化……とか思っていましたけれど、よく考えたら連絡方法手紙(文)は平安時代よね。それを考えたら急に進化しているわと思い直し、それに至ったノイエ様ってそのうち現代科学を考えつくのでは?とか思ってしまいました。


 なお、無駄に高性能なので、この技術を応用して機密文書を作るなど、以降の事務作業が飛躍的に進化しました。ノイエ様の発想とネメシアの技術力の勝利です。


 ちなみにこの交換日記ですが、ダウングレードして魔力で個人専用では無く(個人特定だと術を掛けられる人が限られる為)簡易版の属性指定するタイプと、鍵付きのタイプをちゃっかりムスカリが販売し大ヒットとなるのは数年後の話です。


 話題が逸れました、何の話でしたっけ?……そうそうクロッカス様の情報網の話です。


 クロッカス様は、誰かに教えて貰っているが如く、我が国の有力子息の顔と名前をご存知でした。大臣や宰相の顔も知らないのに!

 今どこの部署に所属しているなどは知らないのに、好きな食べ物や趣味は知っているなど、かなり偏った情報でしたが、まだ要職についてはいない(ノイエ様の側近ですが現在はまだ補佐なとで、将来的に要職に就任予定という身分なのです)彼等について、どうして知っているのかが疑問で、交換日記でも話題になりました。


 ノイエ様には言えませんが、彼女の情報の偏りは『前世の知識』ではないかと思うのです。

 でもだとしたら、ゲームのエンディングにあたる現在よりも、ゲーム期間中に仕掛ければ良かったのでは?という疑問も残ります。それとも、ゲーム終了後に記憶を取り戻した?けれどワトソニア先生やユーフォルビア様関連を調べれば、ゲーム通りの流れでは無い事は明白で、今仕掛ける必要がありません。


 とてもチグハグで、それでいてなんらかの意図を感じる行動でした。

 クロッカス様については、用心深く探る必要がありそうです。


「何か探る必要がありますか?」


 わたくしの超優秀な侍女で聖女なリリーナが隠密宣言をし始めました。……何を目指しているの、リリーナ。


「まだわからないから大丈夫よ。それよりも、聖女の任務についてはどうなの?」


 わたくしの侍女ですが聖女の仕事もあるリリーナは、聖教会に週一で通っています。王都内で魔力溜まりが出来ている場所の魔力吸収を行ったり、聖歌の練習又は披露、聖女としての勉強などをしているのです。

 両立が大変では無いかと心配したところ、王宮ならムスカリと会えるし勉強になるからこの方が良いとこの事でした。偉いわぁ。


 ここ一ヵ月は聖歌披露が多かった様ですが(聖女の一般へのお披露目の意味合いもあります)、正式な出動要請が入るかもとの事でした。


「魔獣討伐があるかもしれません。カトル君のイフェイオン辺境伯領なので、基本的には領内の戦力で対処出来る筈との事ですが、超大型魔獣が発生した場合、二週間程お側を離れます」


 イフェイオン辺境伯領は、隣国への牽制だけでなく、魔獣討伐を行っています。領内に魔力溜まりが出来やすい険しい地形が有るせいで魔獣発生率が高いのです。

 小型のうちに対処出来れば良いのですが、魔力が融合して中型や大型になる事も多々あります。運悪く条件が重なってしまうと、超大型魔獣になってしまう事もあるのだとか。


「それは構わないわ。そうならないに越した事は無いけれど、要請があった場合は最優先で、けれど自分の身もしっかり守ってね」


 デルフィニウムの護身術教室は、クロッカス様がいらしてから頻度が高くなりました。そのおかけでリリーナの危険度は大分減りましたが、現場では何が有るかわかりませんからね。


 ちなみにデルフィニウムの護身術教室が増えたのは、ノイエ様の護衛にネメシアが付き、デルフィニウムがわたくしの護衛になる機会が増えたからです。


「充分に気をつけますね!もし要請がある場合は、イフェイオン辺境伯領から使者がある筈との事でした」


 本日分の交換日記を書きながら、使者が来る迄は日程に変更無しと確認しつつ、小さな嫌がらせはあれどまだ暇だなぁと思うのでした。







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