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断罪予定の悪役令嬢の行く末  作者: みずのとさやか
断罪予定の悪役令嬢
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悪役令嬢の長期休暇中にお話を聞こう

前振り会なので短くてすみません

 本日もサファイアのような素晴らしい青空です、ご機嫌よう。

 ノイエ様をお迎えして5日、リリーナが到着して2日目の本日は、聖女結界についてお伺いします。

 聖結界については実際にお見せしながらが……との事で、本日は我が家自慢の庭園でランチピクニックをしながらになりました。


 本来なら王族をお迎えしているので正装で望むべきですが……、もっと気楽に話そうと言うノイエ様の提案でワンピースです。まあ、ミモレ丈より長めだけれど、ドレスよりは軽くて動き易いし、足首が見えてるので涼しいのです。


 ところで、リリーナがワンピースに着替えた姿に驚きました。いつもと違った彼女が見れて素敵!……とかいうのではなく、乙女ゲームの長期休暇イベントスチルのワンピースだったからです。


 ……あ、これちゃんとイベントだったんだ、と妙に実感しました。リリーナの昨日の表情を見ていると、第一王子ルートに入っているのか不安だったので。


「いつものドレスだと大人びて見えるけれど、こういった様相だと年相応に見えるね。可愛らしいよ」


 ノイエ様の社交辞令が炸裂しましたが、要約すると「普段老けてるけど意外と若いんだね」ってことでいいかしら?


「クレマチス男爵領ですと、もう少しカジュアルなワンピースが多くて……私、変じゃありませんか?」


 リリーナが可愛くクルッと回る。

 ……正しくヒロイン動作。


 正直、可愛いけどあざとい子だな〜アグレッシブな子だな〜と思っていたんですが、ここに来てまさかの素という可能性に気付きました。

 その証拠に、以前わたくしがカフェテリアで指摘した事や、その他の方に言われたであろう内容が改善されています。


 ……ヒロインちゃんだわ……。あれが自然に出来るなんて……、ある意味凄い。


 因みに、わたくしがタラタラこんな事を考えているのは、先程のリリーナからの問いにノイエ様が答えるの待ちです。イベント前会話なので、早く選択して欲しいです。


 チラりとわたくしの方を窺うリリーナ。

 ……え?わたくし待ち?ここはちゃんと攻略対象と向き合おうよ!


「いつにも増して、可愛らしいですわ、ね?ノイエ様」


 仕方なく話を振る事にしました。

 おいおい、紳士としては流れるように女子褒めておけよ!……なんて、思ってませんよ?少ししか。


「ああ、いつもより快活そうなイメージでいいね」


 ……微妙な返しですよ、ノイエ様。


「リリーナがあんまりにも可愛らし過ぎて言葉が出ないなんて、ノイエ様もまだまだ少年だったのですね」


 一応フォローしておきました。


 うーむ、流石に細かなキャラ台詞を覚える程やり込んでいたゲームでは無いから、これがどの程度の好感度に当たる台詞なのか判明しない。

 第一王子はキラキラキャラだけどちょっぴり腹黒って設定だったから、手放しで褒められるより親しげで有りなのかしら?



 そんな会話で打ち解け?てから、聖女専用聖結界についてお聞きする事になりました。


「リリーナの結界は、わたくしたちが使う聖結界と異なりますのよ!」


 わたくしの言葉に興味津々のノイエ様。


「ああ、聖女としての能力が覚醒したとか。魔力を吸収?するらしいな」


「まだ安定して発動させるのは難しいのですが……、聖教会からは聖女認定を申請していると伺っております」


 聖女覚醒してまだ1ヶ月経っていませんしね、妥当でしょう。でも安定しないのは不安だよね。


「能力が安定してから、聖女認定されるのだろうな。覚醒した後、能力が安定せず聖結界自体を張れなくなった事例もある様だ。……そうか、まだ安定していないのか」


 サラッと怖い事を漏らし考え込んだノイエ様。

 ……え、覚醒イベント後は聖女になって攻略対象者とハピエンは確定なんじゃないの?お友達エンドなどが有るのは知ってるけど、どのエンドでもヒロインちゃんは聖女だったはす……?


「そうなのです。ですから、今日はアナベル様に聖結界を指導して頂けたら嬉しいなって。……ダメ、ですか?」


 ウルウルお目々+上目遣い!使う相手間違ってますわ、リリーナ!


「聞きたい事というのは、これの事かしら?勿論よろしくてよ」


 そうだよね、聖女の聖結界が安定していないなんて王子殿下に伝えたくないよね、二人きりの時が良かったよね……ゴメンよ。

 でもわたくしも悪役令嬢Aなのでね、ちょっぴり意地悪要素入れていかんとダメだと思うのですよ。

 今回のはめっちゃ無意識だったから、根っからの悪役なのかもしれないわねわたくし。


「いえ、これについてもお伺いしたかったのですが……これとは別にもあって」


 顔を赤らめながら話すリリーナは本当に可愛らしくて、余計な事を考える暇が無くなりました。

 ええ、全力でお教えしますわ、聖結界について!


「リリーナ嬢の魔力量は充分なのだろう?それが上手く乗せられないのかな?」


 ノイエ様は何故にこんなにも冷静なのか。話を進めるのには良い進行役ですがね。


「魔力が吸収されているのを確認し辛いせいかもしれませんね。クレマチス男爵領では安易に聖結界を発動させられませんし。でも、我が領ならば、魔獣が来ても大丈夫ですわ!領兵の他に自衛団に騎士団もおりますので、何とかなります。存分に練習なさってね!」


 聖結界練習中に魔獣遭遇イベントが発生し、森から出られなくなくなって一晩過ごす……みたいな内容だったはず。川に足を浸して微笑むヒロインちゃんのスチル可愛かったなあ。

 という訳でイベント発生させる準備を整えましょう!


「敢えて魔獣を呼び寄せるという事かい?……ここスターチス公爵家は領地のほぼ中央にあるから、魔獣を呼び寄せるとなると……」


 ナイスアシスト、ノイエ様!

 ランチの後に森に行こうと誘いやすくなりました!ついでにわたくしの傲慢さをアピール出来ましたね!


「アナベル様はそんな恐ろしい事は考えていらっしゃらないと思います。アナベル様の聖結界はかなりの広範囲に及ぶもの。ですから、魔獣を弾いた上で、その中で練習を……とお考えだったのでは?」


 リリーナ……、わたくしのフォローは要らないのよ今は。


「いえ、わたくしはランチの後に場所を移動すれば良いかしら……と、単純に考えておりましたわ」


そんな訳でランチ後は、森イベントです!





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