バニースタイル
いつもお読みいただきありがとうございます。
「大将~この酒って『バニースタイル』いけるよね」
常連客のナベチャンがカウンター越しに声をかけた。
食事が終わってゆっくり飲みたい彼に少し、馴染みのbarから譲り受けた酒を出した。
最近ナベチャンは先輩から教えてもらった老舗のbarに通っているらしい。
「バニースタイルって?」
「俺が作った造語なんだけど、濃い酒をバニラアイスクリームにかけて食べるのが良い感じにしっくりくるんだよ。〆に良いんだ」
そう言えば、どこかの都市で「シメパフェ」が流行っているらしい。
「うち、アイスクリームないよ」
「じゃ、俺買ってくるよ」
さて、どうするか
ナベチャンに出した酒は、リンゴの蒸留酒のカルバドスだ。一応食後酒として提供したつもりで出した。
正確には分からないが、カルバドスはリンゴのブランデーらしい。
店では提供しないから、興味のある客に試しに出してみたのが、こんなことになるとは…
「じゃ、これでよろしく!」
自分も興味があるし、言われるがままガラスの器にアイスクリームをすくって出してみた。
ナベチャンは慣れた手付きでアイスクリームに酒をかけた。
「ん~大将。当たりだよこれ!」
ナベチャンはご満悦
試しに食べてみた。良い感じだった。
うちの店には特別「デザート」はなかったから、今度メニューに載せてみよう。
「俺が前に赴任してた街のbarで、『チョコレート梅酒』ってのを出されて、それをアイスクリームにかけて食べたのが『バニースタイル』の始まり!大将、これからも『バニースタイル』に合う酒あったら教えて!」
「はいよ」
返事したけど、
『チョコレート梅酒』
自分には、味の想像がつかない。
ネットで検索してみるか。
まだまだ、自分が解らない世界があると痛感した夜だった
これは、さっきの出来事を書きました。
情報提供ありがとうございます。