前書きと後書き
このお話は作者が実際に経験した事を基にしております。
皆さん小説家になろうを利用して小説を書いて投稿してますよね。
私も現在は筆を折ってしまいほぼ読み専と化してますが、昨年は意欲的に小説やエッセイ等を書いては投稿し、書いて投稿し。繰り返してました。
また、あの頃の情熱が生まれて欲しいものです。本当……切実に……
さて、短編でも連載でも種類を問わず小説を1本または1話書き上げて投稿する時に【前書き】と【後書き】に何か読者に向けて書いた事がある作者の方は多いはずです。
「本日は2話投稿の為、こちらは2話目です。ご注意下さい」
「いつもよりは短いですが、キリが良かったので投稿しました」
「この話は三人称になっています、次話から主人公の一人称に戻ります」
こんな感じの前書き。
「面白かったですか?ブクマしてくださいね」
「ポイントクレクレ!」
「下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして下さい」
「おかげさまで日間ランキングに載りました」
こんな感じの後書き。
前書きや後書きを書く機能が付いているのですから、それを利用して読んでくれる読者に向けて作者がアピールするのは当然の事だと思います(やりすぎは嫌気差す読者も中には居ますが)
そんな前書きや後書きに関する私が体験した、すごく凹むと言うか面倒だと思ったと言うか、手間を掛けさせられた事があります。
私は昨年、連載小説を書いていました。
日間ランキング1位。週間ランキング1位。月間ランキング1位。年間ランキング3位。と言う、自分でも何故こんな事にと頭の中に【???】が浮かぶぐらいの小説を。
そんな小説がとある有名な出版社(名前を聞いたら10人が10人とも知ってると言うぐらいの出版社です)の出版企画部と言う部署に勤務されている、ある社員の方の目に止まりました。
もふもふもんさんの書かれた小説は、書籍化して出版するに値する作品だと私は思ってます。つきましては、社内でのコンペティションに掛けてみたいと思ったます。
このような内容の封書が、ある日突然私の元に送られて来たのです。
当然私は、その手紙の内容を読んで狂喜乱舞した事は想像にかたくないでしょう。
ここで少し補足です。
私が書いていた小説は所謂「ファンタジー物」「ライトノベル」等とまったく違った小説です。
100作品の中から1作品のアタリが出たら儲け物と言うような、現在の出版乱立している小説ジャンルとは違います。
とりあえず本にして売ってみるか。
このような手法に該当する作品では無い為に、その出版社の書籍化するに足る作品である。と言う総意が必要となる為、現在もコンペティションの真っ最中であり、書籍化されてはいません。
さて、話を本筋に戻しますが。
このコンペティションに掛ける為に、私の元に手紙を送ってくれた社員の方は私にこう言いました。
「もふもふもんさん、この小説を【紙媒体】にして送ってきて下さい」
私が書いた小説は、なろう換算で90話24万文字超の作品となってます。
私は、社員の方が言われた通りに、なろうに書いて投稿した作品を知り合いに借りたPCとプリンターを使い、紙媒体へとプリントアウトする作業に入りました(紙媒体であればプリントアウトした物でもOKですと事前に言われてます)
ここで私は、この作業に対して最大の難敵に遭遇したのです。
そう私も他の作品さん達と同じように、前書きや後書きに色々な事を書いていたのです。
出版社に送り色んな社員の方に読まれるであろう物に、余分な、なろう読者に向けた前書きや後書きは必要無い。むしろ邪魔になったのです。
そして私と知り合いのPCの知識が無かった為に、なろうに投稿されている本文を、PCのワードにコピペしてからプリントアウトする。と言う方法を取っていました。
私は、全90話の前書きと後書きを削ってはプリントアウトし、削ってはプリントアウトし。その作業を強いられたのです。
何度、このまま送ってやろう。と思った事か……
出版社の中には、なろうを読むからいいよ。そう言ってくれる出版社もあると思います。
しかし、今回のケースのような紙媒体を求める出版社もあるのです。
なろう読者に向けて、前書きや後書きを毎話書いてる作者さんへ。
お前らも紙媒体を求められて俺と同じ苦労を味わいやがれ!(笑)
この言葉を最後にこの下らないお話を終わりたいと思います。
追伸
読みやすくする為にわざと空けていた行間をそのままにしてプリントアウトすると、プリント用紙600枚強になる事が判明した私は、前書きと後書きを消すついでに、各行間を埋めると言う作業も強いられました。そしてなんとか半分の300枚までにして、出版社にプリントアウトした小説を送りました。