表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/5

第二話:王への謁見

注)規約に沿うように改稿中



 セシリア・アースガルドに連れられて彼女の実家、アースガルド城へ。


 衛兵に睨まれたが、セシリアの取り成しでどこでもフリーパス。それにしても随分とデカい城だ。


 ひとまず案内されたのはセシリアの居室。王女様らしい、よく手入れされた豪華な部屋。汚し甲斐がある。


「どうぞ。ちょ、ちょっと恥ずかしいな……こら、あまり見まわさないでくれ」

「お邪魔します。へぇ、ここがセシリアの部屋か」


 女が小綺麗にしているプライベートスペースに入り込んで、適当に間食したり散らかしたり自分の趣味のものを持ち込んだり。そうやってシミをこさえるのは性交とは別の趣がある。


「俺の魔術道具とか持ってきていい?」

「ああ、あなたの部屋も用意させるよ、コート」

「いや要らない。しばらくはセシリアの部屋に寝泊まりする。ここに置かせて」


 その一言でセシリアの美貌が真っ赤になる。ただ、嫌がる様子はない。恥ずかしそうにこくりと頷く。


 いい女だ。昨日のセシリアとの夜は楽しかった。


 つま先からてっぺんまで非の打ち所がない。きめ細やかな白い肌。美しい比率の胸、腰、脚。王宮で良いものばかり食って育ったのだろう。いままでつまみ食いして来た下級貴族の娘とは一線を画す。


 例の……なんだっけ……そう、ロイという男には感謝してもし足りない。奴が心変わりする前に、セシリアの心も体も掌握しておこう。後悔してもどうしようもない事態にしておこう。


 婚約は成立済み。挙式で外向けに既成事実確定させて、出来れば子作り強制王族入りまで足を延ばしたいところだ。


 ただ、王女っていうのが色々面倒なんだよな。


「なぁ、セシリア。今日の晩飯で俺を紹介してくれるんだよな」

「ええ、父上……国王陛下と王妃殿下に」

「身分の違いで追い出されないだろうか」

「大丈夫だ。こ、この指輪を」


 セシリアが差し出してきたのは豪奢で、しかも強烈な魔力を感じる佇まいの純金指輪二つ一組。


「これは?」

「王家に伝わる、『契りの指輪』だ」

「どんな効果なの?」

「付けた王家の者とその相手が結ばれ、王家の繁栄を約束する。非常に強力で、三百年に一度しか発揮せず、国王ですらその由緒と効果には口出しできん」

「ほほー、いいね」

「ほ、本来は政略結婚制度が未熟だった時代に、有力者を取り込むためのものなのだが……その、先日無理を言って持ち出した」


 ロイのためにだろうな。


 会話から察するに、彼もまた身分は下層。でも恋しくて恋しくて仕方ないセシリア王女様は指輪を渡そうとして、その前にフラれた。


「で、これってプロポーズでいいんだよね」

「そっ……そう。お願い。コート、受け入れてほしい……捨てないでほしい」

「いいよ。セシリアのプロポーズ、受けよう」

「あ……! ありがとう! コート……!」


 そして俺がなり代わった。幼馴染に貰えなかった愛情を、俺が代わりにたっぷり注いでやるぞ。


「食事会は夜か。それまでかなり時間があるな」

「ん……」

「じゃあセシリア、昨日の続きをするか」

「あっ……♥」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[他投稿作品]
スライムにも勝てない俺は、革命スキルで強者”だけ”には絶対勝利できる
主人公最弱転移もの。強さ上位1%未満のみ対象で必勝出来るスキル持ち。シンプルな無双から少し離れて変化が欲しい方向け。
異世界渡りの征服者 ~最強の俺が征服する世界は一つでなく、二つでも飽き足らず~
主人公最強転移もの。何度でもどこへでも転移できるアイテムで、多数の異世界を全て征服する。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ