【検索出来ませんでした】
見よう見まねで始めました。誤字脱字、辻褄合わないぞなど、あるでしょうが、どうか大きな心で読んで下さい!
「んんっ」
差し込んでくる光に目を開ければ、
「何処 此処?」
何処までも広がる草、草、草。
草ばっかじゃない!
「何処なの?」
・・・・・・・
落ち着いて私。
落ち着いて考えて!
何処にいたっけ?
確か皆で遊びに・・・皆って誰だ?
待って!そもそも私は誰⁉︎
ピピっと音がして目の前に文字が現れた。
高遠 雪凪(18
HP 500 MP 6580
固定スキル : シールド
スキル : レンタル ・ サーチ
意味が分からない。
HPとMPの意味は理解出来るけど、この差は何?
魔力の方が桁違いなのか、体力が異常に少ないのかどっち?しかもレンタル?
「この世界で何探して、何借りんのよ!」
と、叫んでみたものの答える者もいるはずなくて、私は草原に座り込んだ。
「高遠雪凪・・・誰よ、ソレ」
自分の名前を聞いてもピンとこない。しかも何処から来たかも解らない。只、此処ではない何処かだと言う事だけは漠然と感じていた。
「はぁ〜〜」
取り敢えず私は重い腰を上げて歩き始めた。それしかやる事がない。何処か街にでも出れば誰かに何か聞けるだろうし。
「確か能力はサーチだよね。此処は何処?」
・・・・・・・。
「シカトなの⁉︎」
すると、目の前にキーボードが現れた。
「・・・・アナログ過ぎない。音声入力ぐらいしてよ」
私のいた世界では・・私の・・・、うん。
ループするからスルーで。
「えっと、此処は何処?」
検索出来ませんでした。
「・・・ん?いやいやいや、私の聞き方が悪かったんだよね。現在地は?」
検索出来ませんでした。
「・・・・・・」
北緯何度?
検索出来ませんでした。
此処の場所は?
検索出来ませんでした。
近くの街は?
検索出来ませんでした。
地図
検索出来ませんでした。
世界地図
検索出来ませんでした。
「何調べられるのよ⁉︎」
秘技 ちゃぶ台返し!
・・って言っても、透明なキーボードを私の手が虚しくすり抜けただけだったけど。
「ホント腹立つ。役に立たな過ぎでしょ」
歩けど歩けど草ばっかりだし!
此処は何処なの⁉︎
私は誰よ⁉︎
何しろって言うの⁉︎
普通あるでしょ!異世界に飛ばされた人は勇者になったり、サポート役がいたり、チートがあったり、・・・レンタルって何借りるのよ。
「ちょっと落ち着こう。先ず、覚えてる事を整理しよう」
草や太陽、手や足に頭などの名称は解る。当たり前の事は解るのに、自分が何処から来て、どんな生活をしていたかの記憶がない。何が好きだった?嫌いな物は?友人は?家族は?
「思い出せない」
《ーーーーーー》
「えっ?」
人の声に振り返ってみても、誰も居るわけがない。そもそも何て言ったかも解らなかった。でも確かに聞こえた。私を呼ぶ愛しい声が。
「愛しい?恋人?」
でも思い出せない。頭の片隅にあるのに取り出せない。
「・・・・疲れた」
幾ら考えても解らないモノは解らないのだ。とうとう私は嫌になって地面に寝転んだ。ムカつくぐらい快晴だ。
「暖かいな」
暖かいな温もりは私を急速に眠りへと沈めていく。
「眠い」
取り敢えず考える事を諦めて、私は暖かな日差しの中目を閉じた。