エピローグ
「寝取ることから始まる恋」
この媚薬を飲んだあなたの意中の人は、最愛の人とあなたとが入れ替わって見えるようになります。意中の人には、あなたの容姿だけでなく、声も匂いも何もかもが最愛の人のものとして認識されます。意中の人の最愛の人として、本来最愛の人が得られるはずだった愛情を全て横取りしてしまいましょう。ただし、媚薬にあなたの髪の毛を1本混ぜることを忘れずに。それを怠れば、意中の人は猫も杓子も最愛の人の姿に見える脳内お花畑モードに突入します。あなたの意中の人は、一夜をともにしたあなたのことが忘れられず、そこから2人の恋は始まるでしょう。
ママから届いた「媚薬から始まる恋」の箱を開封すると、そこには茶色いビンが8つ入っていた。
「媚薬から始まる恋」は8本入りで1セットだったのである。
電話でママは「7つの媚薬」と言っていたので、どういうことかと思い、一つ一つの媚薬の効能を確認してみたところ、その意味が分かった。
「寝取ることから始まる恋」はどう考えても私がお兄ちゃんに対して使用できるものではなかったため、ママのカウントから漏れていたのである。
「寝取ることから始まる恋」。
この薬の効能は少し複雑であるため、例を使って説明する。
意中の相手(K生)に好きな人(I美)がいるとする。K生に自分(M白)の髪の毛を混ぜた媚薬を飲ませれば、K生の目には、I美とM白が入れ替わって見える。容姿だけでなく、声や匂いまでも入れ替わったように感じる。これによって、M白はI美になりすまし、1日だけK生とデートや夜の営みができる。1日だけK生をI美から奪うことができる。
K生としては普段通りI美とイチャイチャしているつもりでも、第三者から見ればM白とイチャイチャしているようにしか見えない。そのときに避妊を怠れば、気付かぬうちにK生はM白に対して責任を取らなければならないことになるかもしれない。
そんな恐ろしい薬が「寝取ることから始まる恋」なのである。
しかし、この薬は本物の真白と本物の和生との間には無用の長物である。
なぜなら、本物の和生は本物の郁美のことが好きではないからである。郁美だけではない。お兄ちゃんはかの国民的アイドルのめいりんのことですら好きではない。
お兄ちゃんが好きなのはこの世界にたった1人。私なのである。
つまり、お兄ちゃんに「寝取ることから始まる恋」を飲ませても、何も起こらない。
上の例でいうと、M白のことが好きなK生にM白の髪の毛を混ぜた媚薬を飲ませることになるのだから、入れ替わりの起こりようがない。お兄ちゃんの中ですでに1番のポジションにつけている私は、お兄ちゃんを誰かから横取りしようにも、横取りする相手が誰もいないのである。
1日だけ吹◯一恵や工藤◯香になりたい女子にとっては喉から手が出るほどに欲しいであろうこの媚薬も、私にとってはゴミ同然だ。
話を元に戻すと、そもそも「媚薬から始まる恋」は、買収した製薬会社に資金援助をしてママが研究開発させたものであるが、決して私のためのオーダーメイドではない。
おそらくこの製薬会社は、「媚薬から始まる恋」をいずれ市場で販売しようと目論んでいるし、ママはママで、お金は出す一方、会社の研究内容についてはほとんど干渉しなかったのであろう。
だから、媚薬の中には私のニーズにマッチしないものが含まれていた。
電話で、お兄ちゃんが相変わらず私にしか興味がなく、学校で告白してきた女子をバサリバサリと切り捨てているという話を私から聞いた母は、「媚薬から始まる恋」にセットとして含まれている8つの薬のうち、「寝取ることから始まる恋」は使えないものだと判断した。
だからこう言った。
「『和生を真白のものにするための』媚薬が7種類あるわ」
と。
結果だけ見れば、「一目惚れから始まる恋」を筆頭に使えない薬は他にもあった。
しかし、それらの薬には、それが私にとって都合が良かったか悪かったかはさておき、少なくとも何らかの薬効はあった。
他方、この「寝取ることから始まる恋」だけはお兄ちゃんに飲ませても本当に何も起きない。水を飲ませるのと何ら変わらない。そういう意味ではママの見立ては正しかったといえる。
「俺はただの実験マウスじゃない。真白に毎月怪しい薬を飲まされるのを座して待つことはしない。ある日、真白が家にいないときに真白の部屋に忍び込んで媚薬を探したんだ」
「妹の部屋に忍び込むなんて、変態」
「どう考えても正当防衛だろ!!まあ、今その部屋のベットで真白を押し倒している俺は間違いなく変態だが……。それはさておき、部屋に真白がこれから使おうとしている媚薬があれば、捨ててやろうと思ってたんだが、見つからなかった。どうせ鍵のかかった引き出しにしまってたんだろ?」
「そうだよ。大事なものだからね」
「でも、その代わり、真白が大事にしていなかった8つ目の媚薬を見つけた。真白が『使えない薬』と判断してぞんざいに机の上に放置していた『寝取ることから始まる恋』だ。ついでに『各薬共通ルール』が書かれた説明書も見つけた」
正直、「寝取ることから始まる恋」のことは存在すら忘れていた。まさかお兄ちゃんに盗まれていただなんて……。
「俺はこの薬を使って、真白にカウンターを食らわせることにした。真白にこの薬を飲ませることにしたんだ」
「え?お兄ちゃん、私に「寝取ることから始まる恋」を飲ませたの?」
「ああ、昨晩遅く、真白のコップに入っていたお茶に忍ばせておいた」
「気付かなかった……」
「真白としては、まさか飼い犬に手を噛まれるとは思わなかったわけだ。俺の計画はこうだ。真白が俺に媚薬を使う日を見計らって、真白に先んじてこの薬を使う。誰か適当な男性の髪の毛を混ぜて真白に飲ませる。そうすれば、真白の中で俺とその男性が入れ替わって見えるから、真白は俺と勘違いしてその男性に対して媚薬を使う。すると、真白とその男性がデキることになる」
「誰か適当な男性」に選ばれたのが、今ベッドの下で横たわっている男であることが明らかだった。
お兄ちゃんはあろうことか、私を騙し討ちにして、私とこの男をくっ付けようとした。私の身体をこの男に捧げようとした。
「『適当な男性』とは言ったが、ちゃんとうちの学校で一番モテてる奴を選んだぞ。俺の隣のクラスの高身長金持ちイケメンの氷山翔。真白は俺以外に興味ないから知らないかもしれないが、うちの学校のアイドルとしてかなりの有名人だ」
「最低……お兄ちゃん、大嫌い」
本音だった。
私はお兄ちゃんはなんだかんだ言って私のことを大切にしてくれていると思っていた。
それなのに、お兄ちゃんは私を裏切った。
私を娼婦のようにして、知らない男にあてがおうとした。
お兄ちゃんは何も分かっていない。私はお兄ちゃんじゃなきゃダメなのに。
一度やんでいたはずの涙の雨がまた降り出す。
「真白、ちょっと待て!もう少しだけ俺の話を聞いてくれ!!たしかに一瞬魔が差したことは認める。真白に兄離れをして欲しいという気持ちから、残酷なことをしてしまった。ただ、公園のベンチでイチャつく真白と氷山を見て、俺は初めて自分の本当の気持ちに気付いたんだ」
そこまで言って、お兄ちゃんは黙った。
「お兄ちゃん、じゃあね。私、もうお兄ちゃんと会わない」
起き上がろうとする私をお兄ちゃんは強引にベッドに押しつけた。
「真白、ちょっと待ってくれ!言うから!ちゃんと照れずに言うから!!」
「じゃあ何?お兄ちゃんの本当の気持ちって?」
「……真白を俺以外の誰かのものにしたくない」
……え?もしかして、これって、これって、これって、プロポーズ!!??
「俺は氷山に激しく嫉妬した。真白が氷山を家に連れ込んだのを見たとき、頭を金づちで殴られたようなヒドイ気分だった。俺が仕組んだはずなのに、何とかして止めたいと思った」
話を整理しよう。
私がストーカーだと思っていた氷山の正体はお兄ちゃんだった。
私がストーカーに尾けられていると感じていたのは、お兄ちゃんが遠くから私のことを見守っていたからだった。
私が氷山を家に連れ込んだのを見て、お兄ちゃんは居ても立ってもいられず、家に乗り込んできた。当然お兄ちゃんは合鍵を持っているのだから、玄関の鍵を開けて家にも入れる。
私の部屋に突入し、私がまさに氷山と事を始めようとしているところを見たお兄ちゃんは、氷山をやっつけて、それを阻止した。
ここまでは分かる。
じゃあ、なぜお兄ちゃんは私を襲ったのか?
なぜ私にディープキスをしたのか?
なぜ私の服を脱がせようとしたのか?
無論、本物のお兄ちゃんは何の媚薬も飲んでいない。
-やっぱりそうだ。
お兄ちゃんはついに私と一緒になる覚悟をしたのだ。
待ちに待った瞬間が訪れた。クリスマスイヴは婚約記念日にするのに申し分ない。
「俺は早く真白を『寝取ることから始まる恋』から解放しなければならない、と思った。真白の目に氷山が俺として見えている限り、真白が氷山とヤることを阻止できない。それこそ、氷山の姿をしている俺が真白に麻酔銃で撃たれでもすれば、その時点でゲームオーバーだ。だから、俺は24時間待たずして薬の効果を止める必要があった」
ん?お兄ちゃん、難しい話はもういいよ?早く「結婚しよう」って言って?
「『各薬共通ルール』によれば、24時間の経過以外に薬の効果を中断する方法はただ一つ。真白、覚えてるか?」
「恋の成就を諦めること?」
「そう。薬の使用者が恋の成就を諦めること。媚薬に混入させた髪の毛の持ち主が『薬の使用者』で間違いないだろう。つまり、今回でいえば『寝取ることから始まる恋』の『薬の使用者』は氷山だ。俺が真白に氷山の髪の毛を飲ませたからな」
オエッ……改めて言われると気持ち悪い。
「真白、氷山には何の薬を飲ませたんだ?」
「え?……あ、『身体の関係から始まる恋』。髪の毛と一緒に飲ませると、髪の毛の持ち主に肉体関係を求めるようになる薬」
「えらいストレートな薬だな?まあ、それはさておき、『身体の関係から始まる恋』の『薬の使用者』は髪の毛の持ち主である真白だ。とすると、「寝取ることから始まる恋」については氷山が真白に対しての恋の成就を諦めたら終了。「身体の関係から始まる恋」については真白が俺に対しての恋の成就を諦めたら終了。正確に言えば、『俺の姿形をした氷山に対しての恋の成就を諦めたら終了』なんだが、まあ、当時の真白の中では、氷山=俺だったわけだから、実質的には一緒だな」
お兄ちゃん、そんな話は良いから、早く婚約を済ませて、さっきの続きをしようよ?婚約初夜をしようよ?口説い男は嫌われるよ?
「俺は、『寝取ることから始める恋』を解除するため、仕方なく真白を襲った」
……は?何それ?
「最終目標は、氷山に真白に対する恋の成就を諦めさせること。ここに至るルートは2種類ある。まず1つ目。俺が氷山の目の前で真白を略奪してイチャつくことによって、直接氷山の気持ちを萎えさせること。これは分かりやすいんだが、真白が目の前で別の男に犯されているところを見た氷山が真白を諦めるかどうかは怪しい。だって、真白、『身体から始まる恋』を使ったんだろ?氷山は単に真白の身体目当てなんだから、なんというか、その……心が折れないというか……むしろその……」
「私が襲われているところを見ると興奮して、3Pで混ざってくる可能性すらある」
「そうそう。真白、俺が言いにくい下ネタを言ってくれてありがとう。助かった」
「可愛い女の子はどんな下ネタを言っても許されるからね」
「そうだな。とにかく、氷山が自ら真白との恋の成就を諦める確証はなかったわけだ。すると、2つ目のルート-より複雑なルートの方が案外近道となる。このルートは、真白にまず俺に対する恋の成就を諦めさせて、それをテコにして氷山に真白に対する恋の成就を諦めさせるルートだ」
「どういう意味?」
「氷山の姿形をした俺が真白を襲うことによって、しかも、それが俺の姿形をした氷山に見せつけられることによって、真白はきっとこう思う。『もうお兄ちゃんのお嫁には行けない』」
「え!?お兄ちゃんって、もしかしてエスパーなの!?」
「図星だったか。そうすると、ここで真白が俺-正体は氷山-に対する恋の成就を諦めることによって、『身体の関係から始まる恋』の効果が解除される。すると、真白の身体に夢中だった氷山の魔法が解けて、氷山は真白に対して『可愛いJK』程度の興味しか持たなくなる。その単なる『可愛いJK』が目の前で同年代の男の子とねっとりキスなんかしているものだから、当然真白に対するほのかな恋心は全て蒸発する。それによって、『寝取ることから始まる恋』の効果は解除され、真白はようやく俺のことが俺として見えるようになる」
「じゃあ、つまり、お兄ちゃんが私を襲ったのは、私の薬の効果を終わらせるためなの?私と一緒になる覚悟をしたんじゃなくて?」
「ああ、そうだ。さっきもそう言ったはずだ」
お兄ちゃんは私の落胆に気付かないのか、信じられないくらい快活な返事をした。
「ただ、真白を愛しているがゆえに真白を襲ったのかと訊かれれば、その答えはイエスだ。真白を愛しているからこそ、真白が氷山に穢されるのが許せなかった」
「そんな偏理屈はどうでもいいの!!つべこべ言わず、今夜はホワイトクリスマスにするからね!!」
私はお兄ちゃんに抱きついた。
空気を読んだのか、居たたまれなくなったのか、いつの間にやら氷山は私たちの前からいなくなっていたから、ここからは二人だけの世界だ。
まあ、お兄ちゃんのせいで飛んだ当て馬となってしまった可哀想な男だったと同情はする。
ただ、とにかくここからは二人だけの世界だ。
お兄ちゃんは私の唇を避けるようにして顔を逸らしながら、またつべこべ言い始めた。
「いや、だから、俺は真白が他の誰かのものになることは耐えられないんだけど、かといって真白を俺のものにしたいわけじゃなくて」
「だから、偏理屈はもう飽き飽きなの!」
揉み合ううちに体勢の上下が交代し、上から私がお兄ちゃんを押さえつける格好になって、「これで完全にお兄ちゃんを捕まえたぞ」と確信したのも束の間、お兄ちゃんはレスリングの選手のように私の脇からスルリと抜け出した。
くそ。やっぱりお兄ちゃんを攻略するためには媚薬が必要だ。
「でも、お兄ちゃん、前作は最後にフレンチキスまでいって、今作はディープキスと服を脱がせる直前までいって、きっと次回作ではフィニッシュまでいけるね!」
「いや、残念ながら、作者はもう次回作を書くつもりはない」
「えーっ、そんなぁぁ!?『この不思議過ぎる異世界転生は、俺の妹愛を結実させようとしている』とか、テキトーなタイトルを付けて書こうよ!!」
「『テキトー』っていうな!異世界転生は奥が深いんだぞ!!」
お兄ちゃんはベッドから起き上がると、そのまま私の部屋を出て行ってしまった。
この冷淡さがお兄ちゃんらしいといえばお兄ちゃんらしいのだが、もう少しだけ優しさがあっても良い気もする。
というか、今気付いたが、私がお兄ちゃんに襲われてるとき、媚薬の効果がなくなったことを黙っていれば、お兄ちゃんはあのままABCの全てをやってくれたのではないか?本当に惜しいことをした。ごめんね、私の卵。
意外にもお兄ちゃんはすぐに私の部屋に戻ってきて、更に意外なことに、またもや私をベッドに押し倒した。
「きゃあ」
「真白、目をつぶって」
あまりの急展開に私の胸の鼓動は急ピッチになる。
「ほら。早く早く」
私は急いで唇を舌で湿らせると、お兄ちゃんの指示通りに瞼を閉じる。
首に圧力を感じたとき、「え?お兄ちゃんってサドだったの!?」と焦ったが、再びお兄ちゃんの指示に従って目を開けると、首にはシルバーのネックレスが巻かれていた。
「真白、メリークリスマス!!」
「お兄ちゃん……」
今日の私は泣いてばかりだったが、いま私の目を濡らしているのは、本日初めての嬉し涙である。
「あえて自分で言うが、ネックレスをプレゼントするということは独占欲の現れだよな。深層心理には逆らえないな」
「お兄ちゃん、本当に嬉しいよ。私、ずっとお兄ちゃんだけのものだから」
「いやいや、それは良くない!!やっぱり真白はいずれは俺以外の誰かのことを好きになって、その人と結婚して、幸せな家庭を築かなきゃいけないと思う。ただ……」
「ただ?」
「そのネックレスはずっと付けていて欲しい」
「大好き!!」
お兄ちゃんは今度は私の唇を拒まなかった。それどころか、私の身体を強く抱きしめ返してきた。やった。ついにお兄ちゃんが私のものに……
「ああ、ダメだ!!最後の砦は守らなきゃ!!」
お兄ちゃんは突然訳の分からない独り言を吐くと、私を突き放し、そのまま部屋を走り去ってしまった。
「もうなんなのよ!!」
私は悔しさのあまりベッドを叩く。ベッドが揺れ、同時に私の首に下がったネックレスも振動し、ハート型の飾りが裏返しになる。
そこにはローマ字で2つの名前が刻まれていた。
Mashiro
Kazuki
たしか、お兄ちゃんは、「そのネックレスはずっと付けていて欲しい」と言っていた。
「何よ。結局、私のことをいつまでも独占したいんじゃん」
思わず笑みがこぼれる。
なんて可愛い兄なのだろうか。
やっぱり私はお兄ちゃんのことが大好きだ。
(了)
読者の皆様、小説家仲間の皆様、拙作に目を通していただき、本当にありがとうございます。
倫理観や貞操観念がぶっ飛びんだ作品なので、読んでいて不快に思われた方もいるかもしれません。そのような方に対しては深く謝罪したいと思います。
もしこの作品を気に入って下さった方がいらっしゃれば、ぜひともブックマークや評価をお願いします。とても喜びますし、全てが僕の地肉となり、次回作品に向けての糧になります。
感想を下さった方のページには必ず飛ばせていただき、感想で返させていただきます。拙作「タイムループは終わらせない」では、感想欄で素敵な出会いがたくさんあり、そこから良き仲間ができました。今回もそのような素敵な出会いがあればいいなと思っています。もちろん、厳しい意見や「こういうアイデアもあったんじゃないか」という提案もどんどん受け付けています。今回もたくさん勉強させて欲しいです。よろしくお願いします。
それでは、本作の作成過程について簡単に説明させていただきます。
前作の「この不思議過ぎるダンジョンは、俺の妹愛を試そうとしている」もそうだったのですが、真白ちゃんシリーズは、かなり軽いノリで書いています。
前作もそうでしたが、本作も構想と執筆含め、10日以内で済ませています。そのため、ディティールが雑だったり、強引な展開も多かったりするとは思うのですが、そのムチャクチャ・ドタバタな感じがラブコメでは却って良い、と自分に言い聞かせ、えいやで進めさせてもらいました。
以下、第3話から第10話まで、少しずつコメントを入れてみたいと思います。
第3話「素直になることから始まる恋」
前作の執筆直後から、めいりん本人に対して「ブスりん」と暴言を吐く和生を描きたい、と思っていました。ちなみに「めいりん」の名前は僕が好きな実在のアイドル(神宿 羽島めい)の愛称からそのままとっているので、心苦しさがあったことは否めないです。国民的アイドル設定にしているから許して…
第4話「意識することから始まる恋」
「恋の始まり方」でググったところ、「まずは意識することから」と書かれたサイトを見つけたことがこの話を書いたきっかけです。真白の着ている制服について、「セーラー◯ーキュリー」というハッキリとした特徴を与えたので、どなたか真白を描いてくれる絵師の方がいないかなあ、とほのかに期待しています←
第5話「一目惚れから始まる恋」
個人的にどんでん返し的なストーリー展開が好きなのですが、毎回がそういう展開だと飽きられてしまいそうなので、直球的なストーリーを箸休めとして挟んでみました。ラブコメの巨匠である高橋留美子先生へのリスベクトを込めたつもりですが、パクリっぽくなってしまうのはさすがに嫌だったので、最後のオチだけは被らないように、と頭を捻りすぎた結果が、あのシュールなオチです(苦笑)
第6話「本能に従うことから始まる恋」
「一目惚れから始まる恋」同様の箸休めです。もっとも、直球加減はこちらの作品の方が上回っているでしょう。この作品については特にコメントはありません。読んでいただいた通りです(笑)
第7話「大嫌いから始まる恋」
この作品はかなり難産で、「回るラブホテル」の下りが思いつくまでは何度も構想を練り直しました。「回るラブホテル」の下りが思いついてからは流れるように筆が進みました。ラブコメに必須な恋のライバルとして風間郁美というキャラクターを出してみたのですが、ちょっと雑魚キャラ過ぎましたね……
第8話「偶然の出会いから始まる恋」
出会って7秒で◯◯(自主規制)じゃあるまいし、という和生のツッコミが書きたくて描いたような作品です←ぇ
ちなみに、僕はよく某チェーンのコーヒーショップを利用するので、この作品で真白が口にした「怖い現実」が単なるフィクションであることを信じたいと思います。
第9話「身体の関係から始まる恋」
本当はクリスマスイヴのお話も4000字くらいでサラッと書きたかったのですが、約1万2000字に及んでしまい、泣く泣く2話に分けざるを得ませんでした。ユーモアもないし、ベッドシーンでは筆力も追いついていないし、個人的には超駄作なのですが、えいやとアップしてしまいました。皆様の作品を拝読し、もっと勉強しなければな、と思います。
第10話「エピローグ」
「寝取ることから始まる恋」と題したかったところでしたが、さすがにネタバレになるかな、と(苦笑)この薬の効果が分かりにくいので、最後の謎解きはよく分からなかった人もいるかとは思います。「愛しのローズマリー」というか、最近だとアニメの「斉木楠雄の屮難」でもろそのままの超能力が使われていたので、そちらを参照してください。ただ、僕も真白と同意見で、大切なのは「和生が真白を愛しているかどうか」です。最後の一行は、前作との平仄も考えて、まあ、あれしかないかな、と。
長くなってしまい、申し訳ありません。次回作品予告は、どうせ守れないのでしません(笑)
最後までお付き合いいただきありがとうございました。今後とも菱川あいずをよろしくお願いいたします。




