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シーン7 エンドウォールの事情(2)

森林の葉の隙間から漏れ出る温かな日光。

静かに響く鳥の啼き声。

徐々に意識がはっきりしてくる感覚。

「そろそろか」

ため息をひとつ。

すぐに身を起こし、背伸びをする。

少し離れた所で、日課の素振りを始める。

その時。

一陣の風が吹き、見上げたら、小屋に1人の少女が居た。

昨日会話を交わしていたセイラだ。

呆然と眺めていたら、向こうのセイラも気付いたようで、顔を逸らされた。

涼しい風が吹き、自分の理性を取り戻す。既に幾らかの時間が流れたようで、気付けば目の前にさっきのセラが居た。

「起きるの、早かったですね」

「あ。うん。さっき美しく見えたから別人かと思った」

「そ、そうですか…」

何となく空気が気まずくなる。

「あ、出発するまでちょっと待って下さい。女神ラギュリア様に祈りを…」

セイラは地面に短剣を突き刺して、祈りを捧げる。

僕は急に変わったセイラの態度にひたすら困惑していた。

エンドウォールにもうすぐ辿り着くのに、全然嬉しくなかった。





ーーまだ世界中の地図の半分が空白だった頃。


神に造られし箱庭、幻想世界ゲルニア。

今、世界に魔物という脅威が力無き人々に迫っていた。

それでも勇敢に挑んでいく人達が居た。

曰く、国を護る、騎士団。

曰く、金額の分だけ、働く傭兵。

曰く、魔物に復讐し、狩る者。

曰く、そのような危険な世界に、一握りの希望と覚悟を持って、挑んでいく者。

その人達を周りはこう呼んだ。


敢えて危険を冒す者。縮めて、『冒険者』。



これは、バルド・ブールアが辿る旅物語ーー。




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