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外伝 ザロンのお留守番




陽が出る時間が長くなり、暑くなってきた頃。

拠点用テントにて、歌いながら、料理する1人の男がいた。

野菜を素早く刻んで小さなフライパンに放り込み、発火魔法で炒める。

気が良くなったのか、鼻歌をやりながら、料理を続けた。


彼はバルドの師匠であり、 かつて一流の冒険者として大陸中に名を轟かせていた、ザロンだ。

五十歳を過ぎても、鍛えられた逞しい肉体は今でも健在だ。

「おらぁ、大将よ〜。とっと持っていけや、泥棒め〜」

ただ、今に限っては一流の冒険者としての面影が微塵もない。その姿はまるで単なる酔っ払いのようだ。

「ららら〜」

のんびりと歌い、ふと手を止めた。

「そういや、バルド、今何をやっているんだろうな。ま、どうでもいいや」

我が弟子に思いを馳せるが、すぐに自己解決した。





この日、ザロンは暇だった。仕事が無かったのだ。

他の冒険者は用事で出払っているし、今は誰もいない。

ザロンだけがお留守番であった。

居残ろうとする人も居たが、無理やり締め出した。主にザロンの命令で。

おかげで空き時間が腐るほど出来てしまった。

そこで気分交換の為に、しばらく手を付けなかった料理をやってみたのだ。





(ま、こんな事をやるのも、俺の自由時間の一つだもんな)

誰かに縛られない。

自らお意志で自由に動ける。

それがザロンが理想とする生き方だからだ。

もちろん、不満やストレスなどはあるが、今のところ楽しくやっている。

「さて、そろそろできたか」

肉と野菜を絡んで炒めたもの。それがザロンのお気に入り料理だ。

「気持ちよく晴れているし、今日は酒を飲みながら、食べるか」


1日きりのザロンのお留守番はこうして時間を潰していくのであったーー。








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