第3話 魔族と旅立ち
今回から各話5000字で投稿していきます。
「じゃあ、行ってくる」
「行ってくるとは1人で行くつもりでございましょうか?」
「あぁそのつもりだ」
「そんな、危険でございます。それに我が村の為に其処までさせる訳には」
「いいから、ついて来なくていい訳じゃない。ついて来るなと言ってる」
「そんな訳には!・・・」
「そ、そうでございますか。御武運を」
どうやら、ホロウスは俺の剣幕に押されて、認める事にしたらしい。
「じゃあ、行ってくるけど、心配しなくていいからな」
この川の上流に行けば、いるのか。見つけたら絶対ぶっ殺してやる。女子供しか居なかったのに、反抗してないのに、村をあそこまで壊滅させるとか。川の上流まで、スタミナが持つか分からない。というか。持たないと思うが、それでも歩を絶対に止めない。前世では恩返しや激情等、縁遠い物だったが、今は別だ。助けられたから、助け返す。これが、今のおれの流儀だ。
ふぅ、疲れてきたな。でも、見えてきた。この原っぱだな。村を壊滅させた奴が指定してきた原っぱは。
「来た様だな。しかし、1人で来るとは死にに来たのか?」
「違うな。俺はお前をいや、お前等を倒しに来ただけだ。死ぬ気など微塵も無い」
「ほう、俺が1人ではなく、複数で待っていたのに、気付いたか」
「空間感知魔法でも持っているのかな?」
「いや、ただ単に予測しただけだ。
お前等みたいな奴等はグループで行動してる可能性が高いからな。
後、「1人で来るとは」って言ってた時、俺等はグループで来たぜ。と言ってる風な感じだった」
意外と落ち着いているな、俺。怒りが一周して、冷静になったのかな?
「ほう、中々の読みだな。だが、所詮は人。我等魔族に戦闘能力は足元にも及ばん」
「やはり、魔族だったか」
「感付いていたのか」
「まぁな。にしても、3対1か。所詮は人とか言いながら、大分警戒してるんだな」
「まぁ、転生者はステータス補正がかかるからな。それに、俺はかなり警戒して、戦闘に臨むからな」
「念には念を、か。嫌いじゃないけどな、そういうタイプ。いまは敵なんで」
「じゃあ戦闘を始めますか」
「随分余裕があるもんだな」
「まぁな。さて、こないならこっちからいかせてもらいますか」
「御自由に」
「ファイアボール」
「ウィンドカッター」
「マッドバレッド」
「いきなり、3人で攻撃してくるか。しかし、俺に魔法は効かないから意味がないな」
予想通り相手の魔法は俺のスキルで無効化された。
「魔法が効かない。そんな筈は無いだろう」
「どうせ、耐性が高いだけでしょ」
「もしくは、1時的に、魔法を無効化してるのか」
お、ほぼ正解だな。まさか、1回見せただけでそこまで見抜くとは。しかし、俺の場合は1時的じゃないんだよな。お前等が魔法を打つ度にスキルは成長する。そして、その成長速度は無効化限界が近づく速度よりも早い。つまり、ずっと続く訳だ。ただ、1気に威力の高い魔法をぶち込まれたらそれが出来ない。まぁそうされたら、ちがう方法使うだけなんだけど。
「それに近いが、ちょっと違うな。俺の場合は1時的じゃなくて、永久にだ」
「それはないだろ。それだったらあまりにも強すぎる」
「だから言ったろ、俺の場合はって。それに俺は、それ以外のスキルを持ってない」
「まぁいい、それが本当かはすぐ分かる」
「フレアメテオ」
「ストームカッター」
「ギガントハンマー」
「言ったろ、効かないってさ」
実は結構ぎりぎりだったりする。
「馬鹿な。村を壊滅させる事が出来る威力だぞ」
「いや、俺に魔法で勝ちたいなら、山潰せる威力が必要だぞ」
「ま、まさかお前がエルホウス山は破壊したのか?」
「よう分からんけど、山破壊したよ」
「な、なんだと。くそ仕方ない。おい、あれをやるぞ」
「でも、あれは魔力の消費が」
「仕方ないだろ、あれじゃないとこいつには勝てない!」
「そうだな」
「邪神よ、我等が声をききたまえ」
「我等が望むは暴虐・破壊の魔法」
「代価は我等が魔力」
「「「ヘルフレアスター」」」
「おいおい、これは無いだろ」
あいつ等が詠唱を終え、放った魔法は業火に包まれた隕石(直径8m程)の流星群だった。
しかも、隕石自体は魔法じゃなくて、元々存在していたものだ。つまり、無効化出来ない。
しかし、万策尽きた訳じゃない。まぁそれが成功するかは分からないけどな。
よっしゃ覚悟を決めてっと。隕石の数は10個その内3個の火を消す。そして、後の7個はエネルギーボールを中心にぶち込む。これで被害はあまり出ない筈だ。まずは無効化!よし、出来たな。これで、大丈夫だろう。後は、
「エネルギボール」
割れろ!よし割れた。だが、半端なく魔力を使ってしまったな。えも、火が燃え移るのだけは避けないとな。やばい、意識が薄れてく。でも、魔族を倒さないと。おれは、残りの魔力のほぼ全部を使ってエネルギーボールを放とうとした。しかし、その時、流星群が地面に衝突した。その衝撃で俺は態勢崩しながら、エネルギーボールを放った。そして、案の定かすりもしない、違う方向に放たれた。その時、俺の視界は真っ黒になった。つまり、意識を失った。
〈称号『救済者』を取得しました〉
「あ、起きましたか」
「ホロウス!あいつ等はどうなった?!」
「えぇそれがですね、捕らえようとしたのですが、何故か突然死んで・・・」
「う~んまぁいいや。ところで、急なんだけどこの村で将来有望な子供っていない?」
あれ、死ってこんな軽く流せるもんだっけ?まぁそれはおいとくか。
「いますが、どうするんですか?」
「ん、ちょっと手伝ってもらおっかなって思って」
「はい、分かりました。何名ほどでしょうか?」
「う~ん3人で」
「分かりました」
「あ、ゴブリンのちょっと連れてくから」
「そうそう後、俺明日村出るから」
「え、何故でございますか?」
「いや、この村救うなら国の中入った方がやり易いだろ」
「そうですか」
「村の事は任せるからな」
「はい!」
「じゃあ今、夕方だけど、ご飯の用意してくれない?昼食ってなくてさ」
「かしこまりました」
さて、ご飯が出来るまで、LV上がってないか見とくか。
『ステータス』
タカオ・カワタ
34才
無職
無属性
習得魔法
〈元力球〉
HP315
スタミナ290
力305
防御300
敏捷335
幸運100
〈下位級スキル〉
なし
〈上位級スキル〉
なし
〈特別級スキル〉
なし
〈特質級スキル〉
なし
〈究極級スキル〉
能力魔法無効化
〈終焉級スキル〉
なし
〈神達級スキル〉
なし
〈謎暗スキル〉
一道乃極
〈称号〉
悟られぬ者
永遠の童貞
転生者
特異者
救済者
全然ステータス伸びてないじゃん。え、こういうのって10倍位になるもんじゃないの?後、新しい称号があるな。どんな効果かな?
『救済者』
救済者
自分より弱い者又は自分と親交が深い者が攻撃を受けた際、攻撃した者への攻撃・防御が大幅に上昇。
弱体化系能力・魔法無効化。
お~結構いいな。でも攻撃と防御上昇させたところで意味無いと思うんだよな。元々が低いから。
後あ、そうそう明日から俺についてくる奴決めないとな。でも、誰がどんなんか分からんからな。
「おーいホロウス」
「はい、何でしょうか?」
「明日俺についてくる奴でお勧めの奴いる?出来れば子供がいいんだけど」
「それでしたら、ジェリカ、ミーチャ、エリオス、ペルード、ファイク、こっちに来なさい」
「「「「「はーい」」」」」
「この5人か?」
「はい、そうです。皆自己紹介を」
「ジェリカです。10才です。属性は火で、得意なのは剣を打つ事です」
第一印象、元気な女の子。
「ミーチャ。10才。属性氷、樹」
第一印象、暗い女の子。
「エリオスだ・ゴフン!エリオスです。11才だ。属性は水。得意なのは鍛冶だぜ」
第一印象、うざい、調子乗ってる。
「ぺ、ペルードです。きゅ、9才です。属性は土です。鍛冶は苦手ですけど、よ、宜しくお願いします」
第一印象、気弱な男の子。
「ファイクです。10才です。属性は風で、得意なのは防具を打つ事です」
第一印象、THE 普通 。
「そうだな、じゃあジェリカとミーチャとペルードでお願い」
「宜しいのですか?」
「え、何で?」
「いえ、エリオスは村で一番将来有望な子供なので」
「え、そうだったの。まぁいいや」
「そうですか、では」
「でも、子ども連れていって大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ。皆この村から出たいと思っているので」
「そうか、じゃあご飯出来たかな?」
「丁度出来た所ですね」
「いやーやっぱ美味しいわ」
「お口に会いましたか?」
「あぁ」
「ようですか、良かったです」
「そうだ、お金の単位教えてくれない?」
「はい、お金の単位は世界共通の単位で銅貨100枚で銀貨1枚。銀貨100枚で金貨1枚。金貨100枚で白金貨1枚。白金貨10枚で聖金貨。聖金貨10枚で龍(竜)金貨。龍(竜)金貨10枚で神金貨となります。ですが、神金貨は伝説の中でしか、使われていませんので無いのではと言われております。
銅貨4枚でお肉一項買えますかね」
「一項ってどん位の重さ?」
「えっとタカオ様が今食べた分ぐらいですかね」
なら100g位だから、銅貨1枚100円位だな。それで考えると銀貨1枚1万円、金貨1枚100万円、白金貨1枚1000万円、聖金貨一枚1億円、龍(竜)金貨1枚10億円、神金貨1枚100億円だな。
「(教えてくれて)ありがとな」
「いえ、お礼なんていりませんよ」
「よし、じゃあもうそろそろ寝るわ」
「承知致しました」
「おーいハラーク」
「はい」
「明日、俺村出るから、ついてきてくれない?」
「いいですが、村を出るのですか?」
「あぁ村を出た方がいろいろ出来るからな」
「そうですな。もう何人か連れて行った方が良いのでは?」
「あぁそのつもりだ。10人程頼む」
「それならば、
エホース、フェイルド、ペンター、コアート、チェイト、ネイク、シーラ、エリーナ、リンカ、ユイカ」
「はい、何でしょうか?」
「この方に自己紹介をしなさい」
「はい、僕はエホース、11才です。属性は火で前線で戦います」
第一印象、リーダー気質がありそう。
「フェイルドです。10才です。属性は水、氷で前線で戦います」
第一印象、普通。
「僕はペンターです。9才です属性は樹、土で後衛です」
第一印象、若干気弱?っていうか、なんでさっきから戦う場所言ってんの?まぁ助かるけど。
「コアートです。10才で、属性は風、火で前衛です。未熟ですが宜しくお願いします」
第一印象、礼儀正しい真面目な子。
「チェイトです。10才で属性はありません。戦えなくて、全く役にたてないと思います」
第一印象、仲間!
「ネネネ、ネイクです。じ、10才です。ぞ、属性は火、木です。よよ、宜しくお願いします」
第一印象、めっちゃ緊張してる子。
「シーラです。11才で、属性は水です。宜しくお願いします」
第一印象、この子もリーダー気質がありそう。
「エリーナです。10才で属性は風、土です。スキルで結界が使えます」
第一印象、言い方悪いけど、使えそう。
「私はリンカです。11才で、属性は土、水です。魔法が使えます」
第一印象、凄い!
魔法は子ども使える様なものでなく、才能がないとこの年ではおぼえられない為凄いだろう。
「ユイカ、10才、属性は氷、風」
第一印象、暗い。
ゴブリンの方でもいたぞ。暗い奴。
「じゃあ、宜しく」
さて、自己紹介も終わったし、寝るか。村を出るのは計15名だな。若干多い気がするけど、大丈夫だろう。
よいしょ、あ~良く寝れたな。やっぱり、寝るって気持ちいいな。
「ご飯の用意お願い」
「もう済んでおります」
「早いな」
「はい、そうですね」
「今日は何だ?」
「今日はパンですかね」
「パンか、そんなのもあるんだな」
「はい、よく食べられる物ですね」
「そうか、じゃあ食べるか」
「ところでゴブリンとは仲良く出来そうか?」
今、この村はドワーフとゴブリンが共存している。もし、何かあったら嫌なので確認しておこう。
「えぇ大丈夫ですよ」
「そうか、それなら良かった。じゃあご飯も食ったし、俺はもうそろそろ出ようかな」
「そうですか」
「ジェリカ、ミーチャ、ペルード、エホース、フェイルド、ペンタ―、コアート、チェイト、ネイク
シーラ、エリーナ、リンカ、ユイカ、ハラーク」
「「「「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」」」」
「よし、じゃあ行くぞ」
「「「「「「「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」」」」」」
「お待ち下さい」
「うん、どうした?」
「これをお持ち下さい」
「お金とこれはおにぎりか」
「はい、心ばかりですが」
「いや、ありがとう。また、帰ってくると思うから、その時は宜しく」
「はい、分かりました」
「じゃあ、行ってくる」
「御元気で!」
「あぁ!」
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