第1話 新しい世界へ
自信はありませんが頑張りました.温かい目で見て頂くと幸いです。
は~また、金欠週間か。まだ、7月だってのに、もう、今年入って6回目だよ。
そんな、呟きをしている俺、川田隆夫は34才独身だ。もちろん、童貞だ。というか、永遠に童貞だと思う。俺は頭良いけど、ルックスはクラスで1、2を争う程不細工で、運動神経もクラスで下から2番目っていうロースペックのおかげで1度も女性と付き合った事が無い。就職も面接で落とされたんだよな。やる気無いのがばれちゃって。なので、今の職業はバイトと一応ゲーム実況者だ。それで何とか生活してる感じだな。どうでもいいけど、好きなゲームの種類は歴史シュミレーションだ。三国志のやつとか、戦国時代のやつとかは大好きだ。俺の憧れの人物は孔明だからな。おっと話が逸れちゃったかな。取り敢えず今、金が無いんだよな。いつも、節約しまくってくるから、もう節約できないんだよな。ん、なになに、ゲームとかを売ればいいって、それは出来ないな。俺はゲームする為に働いてるんだから。ちなみに、住んでんのは中古マンションのワンルーム(1階)だ。本当はローンで買いたかったのだが、職業がバイトと人気のないゲーム実況者っていう職業って言わない様なやつだから、信用されなくて、金貸して貰えなかったんだよ。後、バイト1ヶ月で約15万3000円稼いでいて、ゲーム実況の方は1ヶ月約3万稼いでいるので、合計で1ヶ月約18万3000円稼いでいる。日本の平均月収が約34万5000円だから、大分生活が苦しいのが解ると思う。取り敢えず、コンビニで今日の昼ご飯を買いに行くか。うちには冷蔵庫が無いので、食べる時だけ何か買って食べている。今日は何食おうかな?
カップラーメン・唐揚げ・おにぎり・弁当、どれがいいかな?でも、今は金無いから、おにぎりかな。
よし、じゃあ家に帰るか。そして、俺が家に帰ろうとしている時、或る事に気付いた。財布が無い!
あの中には(俺からしたら)大金が入ってるのに。くそ、誰だ!?俺は後ろを振り返った。怪しいのは・・・あいつだ!夏なのにスーツでも無い黒い服、ニット帽。俺の財布を奪ったのはあいつだと分かった瞬間、俺は叫びながら走った。
「お前待てや!お前やろうが、俺の財布奪ったんわ!」
すると、そいつは俺に気づいた様で、路地裏に逃げ込んだ。逃がすか!そして、追いかけ始めてから、1分もたたずに、あいつは行き止まりに嵌った。
「はあはぁぜぇぜぇ。今、大人しく返すんやったら、警察は呼ばん。だから、大人しく返しな!」
そしたら、あいつは俺の財布を投げてきた。よし、じゃあ帰るか。おっと、待て待て。もしかしたら、中身抜いてるかもしれんしな。俺が財布の中身を確認しようとした、その時。俺の財布を奪ったそいつが、包丁を持って突っ込んで来た。やばい、殺される。
『グサッ!』
「グアァ!」
痛い、熱い、寒い、くそ、追い詰めたと思ったら、嵌められていたのか。あ、痛みが引いて、意識が薄れてきた。これが死ぬっていう事か。未練も無いし、意外と悪くないな。でも、死ぬなら、あまり、痛みが無い死に方が良かったな。
ん、此処は何処だ?病院かな?でも、下がベッドの触感じゃなくて、岩の触感なんだよな。取り敢えず、意識は回復してるから、目が回復するまで、待つか。
ん、もうそろ回復する気がする。お、回復したな。ってマジで此処何処?俺が寝ているのはやはり岩だった。周りも岩・・・って事は此処は洞窟だな。う~ん、まず、此処が何県か把握したいな。でも、それより、何故、俺がこんな所いるかだな。誰かに運ばれた、っていうのは無いだろうな、流石に人の目があるし。病院から運ぶにも、俺の状態が良くなってからだろうし。やはり、この洞窟を出て、考えるか。
「ぜぇはぁ。結構長いな、この洞窟」
しかも、気味が悪い。何か良くないものが出てきそうな雰囲気やな。
出て来ないように。俺、ホラー系は大の苦手なんだよな。ホラー映画とか、CMでアウトなぐらい苦手だ。
俺がそんな事を考えていると。
『一道乃極の効果を受ける魔法とスキルをお選び下さい』
うわ!びくったぁ。なんだよお前誰だよ。周りには誰もいないけど。しかも、今の耳から聞こえた、というよりかは、頭の中に直接話しかけられた様な感じだった。どうしたらいいんだ?なんだろう?一道の何ちゃらこんちゃらの効果をなんちゃらこんちゃら、って。この声はテレパシーか何かかな?テレパシーとかあるのか解らんけど、もそあるんだったら、俺も使えるかな。試してみるか。
『あなた、誰ですか』
『私は世界の監視者と云う者です』
良かった、反応があった。これで反応無かったら、心の中で言った事とはいえ、恥ずかしいから。
『世界の監視者ぁ?』
『はい、この世界のあらゆる事象を知り、それを選ばれた者に伝えるのが、私・世界の世界の監視者です。
まぁそれ以外の事は出来ないのですが』
『ふ~ん。大層な役割だな。で、そうそう此処って何処なんだ?』
『見て分かる通り、洞窟ですよ』
『そうじゃなくて、この世界がどんな世界かを聞いてんだよ』
『此処はあなたが住んでいた世界とは違う世界。異世界と呼ばれる所です』
『異世界!?そんなんあるの?ってか、じゃあなんで、俺は異世界にいるんだ?』
『あなたは死んで、転生したんですよ』
『転生かぁ。まぁテレパシーがあるんだったら、転生して異世界にいても、可笑しくはないのかな』
『結構落ち着いてますね。ほとんどの人は1日中驚いてるのに』
『待って!もしかして、俺以外にも転生者っているのか!?』
『いますよ。この世界じゃ然程珍しい事じゃありませんよ。まぁあなたが住んでいた所以外の転生者もいますが』
『マジか、何か安心するな。でも、確かになんで俺、あんまり驚いてないんだろ。まぁ悩んでも解りそうにないし措いとくか。っていうか、異世界ってそんなにあるんだな』
『まぁそれなりにありますね』
『あ、そうそう。異世界っていうことは魔法とかもあるのか?』
『ありますよ、他にもステータスとか、能力とか、魔物もね。でも、(あなたの世界から見て)異世界全部に魔法が有る訳じゃないですよ』
『後、一道のなんちゃらの効果をなんちゃらこんちゃらって何だ』
『そうでした。では、まずは心の中、もしくは声に出したりして、明確な意思表示をして、ステータスと念じて下さい』
『こうかな?ステータス!』
タカオ・コウタ
34才
無職
無属性
習得魔法
〈元力球〉〈貯力砲〉〈衝撃波〉
HP185
スタミナ125
MP210
力 170
防御165
敏捷205
幸運93
〈下位級スキル〉
なし
〈上位級スキル〉
なし
〈特別級スキル〉
なし
〈特質級スキル〉
能力魔法無効化
〈究極級スキル〉
なし
〈終焉級スキル〉
なし
〈神達級スキル〉
なし
〈謎暗スキル〉
一道乃極
〈称号〉
悟られぬ者
転生者
永遠の童貞
特異者
「・・・弱!」
いや、他の人のステータス見てないから分からないよ。でも、これは低すぎるでしょ。後、永遠の童貞とかいらねぇよ。大きなお世話だ。でも、いくらなんでも低すぎないか、これ。あ、でもスキルは何か強そう。
『凄く弱いですね』
『言わなくていいから。分かってるから、何か傷付くから。でも、スキルはどうなの?』
『非常に言いにくいのですが、能力魔法無効化は転生者全員が必ず持つスキルなので・・・』
『え、マジかよ。じゃあ価値低いって事?』
『まぁ価値は高くはありませんね。でも、大丈夫ですよ。価値が高くなくても、結構優秀なスキルですから』
『あ、そうなの。良かった~。でも、まず効果知らないし。まぁ名前で予想つくけど。で、どうやったら効果解るんだ?』
『ステータスの時と同じように、能力魔法無効化と念じて下さい』
『了解、能力魔法無効化!』
特質級スキル 能力魔法無効化
無効化限界まで、相手の能力・魔法を無効化する。
無効化した分は時間が経つと消える。
『無効化っていうよりかは吸収って感じだな。後、やっぱり、無効化する限界はあるんだな』
『限界が無かったら、強すぎるから当たり前でしょう。じゃあ、もう1個の方はどうですか?』
『そうだな、調べるか。一道乃極!』
謎暗スキル 一道乃極
指定した、能力・魔法の素質を限界突破させ、極限まで高める。
指定した、能力・魔法以外の能力・魔法は消滅する。
新しい、能力・魔法を習得する事は出来ない。
『う~ん、なんていうんだろう?諸刃の剣ていうのかな?』
『そうですね。1個の素質を上げ、その代わりに他のを全てを捨てる。中々面白いスキルですね』
『で、これの効果を受けるやつを選んだらいいのか』
『はい、選んで下さい』
スキルは1個しかないから、確定で、魔法はどれにしようかな。う~んよし、これにしよう。
『選んだぞ』
『では、私の役目はもう無いですかね』
『そういえば、今、結構な時間、俺の所いたけど、大丈夫なのか?』
『大丈夫ですよ。そんなに、私が出るような大事は起こりませんから』
『そうなのか。後、最後にもう1つ、いや2つか。称号ってなんだ?』
『称号は何かをしたら得られます。もしくは元から持っている物もあります。
どちらにせよ、ステータス等に補正がかかります』
『補正がかかっている?え、補正かかっててこれなの?』
『どれだけ、補正がかかるかは、個人差がありますが、あなたはあまりにも低いですね』
『まじかよ。悲しくなってくるわ。まぁそれはさておき、お前ってこの世界に直接 干渉出来るのか?』
『出来ません。でも、誰かに力を授ける事は可能です』
『そうか。じゃあ色々ありがとな』
『いえいえ、当然の事をしたまでですから。では、お気を付けてお過ごし下さい』
『あぁ、じゃっさようなら』
ふ~いやぁまさか此処が異世界だったとはな。でも、なんで、俺はこんな、非科学的な事に対して落ち着いているんだろう。取り敢えず、方針を決めないとな。下手にうろついていると、魔物に殺されかねないからな。しかも、此処は洞窟だ。あんまり、RPGやった事無いから、知らんけど、洞窟には敵(魔物)がいるのが相場と決まっている。しかも、俺は弱いからな。って言った傍から、何かいるし。あいつは何だろう。あれ、あいつ浮いてね。って事はゴーストか。本当は気づかれない様にスルーして、進むのがいいんだけど。出口、あいつの方向に在ると思うんだよな。走って行っても、俺の敏捷低いから、追いつかれる筈だからなぁ。頑張って倒すしかないか。動く気配も無いし。なら、あいつの攻撃方法を知らんとな。武器を持ってるよな様子はなし。でも、隠し持ってるかもしれんな。いや、待てよ。あいつ、杖持ってる。って事は攻撃方法は魔法だろう。来たこれ、だな。俺に魔法は効かないんだよな。
でも、倒す方法、思い浮かばへんし、スルーして行くか。いや、良かったぁあいつの攻撃方法が魔法で。さっき、倒して行くかとか言いながら、倒さずにスルーして行くっていうのが、どうかと思うけど、まぁいいか。どっこらせっと。俺に気づいたゴーストが魔法を放ってきたが、俺のスキル〈能力魔法無効化〉によって防がれていく。やはり、弾くとうより、吸収に近かった。ゴーストは驚いて逃げ出していった。
まぁ唯一の攻撃方法が防がれたら逃げるか。
ふ~やっと出れた。あの後は特に何事も無く、洞窟を出れた。洞窟を出た先は山だった。しかも、結構、崖が多いっぽい。さて、どうしようか。日が暮れる前に寝る所は欲しいな。本当は食料も欲しいけど、1食いや、明日の朝の分入れて、2食か。抜いても大丈夫だろう。出来れば小さめの洞穴が望ましいな。あるといいんだが。
お、あったあった。探し始めてから約1時間、やっと見つけた。本当は明かりと熱、両方を補える火が欲しいんだが、今はおいとくか。出入り口を木や葉っぱで閉じて、完成だ。暗いけど、そこは我慢だな。しかし、この洞穴は中々立地が良いな。周りは木で覆われてるから魔物も来ないだろうし、近くには川もある。ってそれじゃあサバイバルじゃん。違う違う、今重要なのは此処で生き残る事じゃなくて、人、もしくは亜人と呼ばれる魔物に会う事だ。ん、なんで俺亜人なんていう言葉知ってるんだろう?まぁ、取り敢えず寝るか。あ、でもその前に称号の効果を確認するか。
どうしたら、良いのかな。ステータスと同じ方法だったら良いんだけど。
『称号!』
悟られぬ者
監視、解析系能力魔法無効化。
転生者
ステータス補正。
能力魔法無効化、習得。
熱寒に耐性を持つ。
永遠の童貞
結婚不可能。
精神系能力魔法無効化。
特異者
転生の圧倒的素質を持つ。
異世界の知識を少し持つ。
範囲魔法無効化。
う~ん、何て言えばいいんだろう。永遠の童貞が意外と強かったな。でも、結婚不可能ってどんなんやねん。特異者がよく解らんな。転生の圧倒的素質を持つって、何だろう?っていうか圧倒的素質、何かなくね?。だって俺、基本能力めっちゃ弱いもん。後、俺が亜人を知ってたのは特異者の効果だな。後、夜こんな所で寝てても、寒くないのは転生者の効果か。じゃあ、改めて寝るか。
ん、朝か。取り敢えず排尿してっと。特に昨日と変わった事はないな。さて、どうするか。何処方面に人もしくは亜人がいるかな。あ、そういえば、川の下流には集落とか町とかあるんじゃないか?よし、そうと決まったら行くか。じゃあこの川を下っていこう。見た限りでは特に何もなさそうだな。大分歩かんとあかんかな。
ふ~結構歩いたけど、一向に見えないな。あ、川に俺の顔が映ってる。おぉ~顔が、顔が、良くなってる!さて、それはさておき、俺スタミナあんまないから、疲れてきたな。もう、ご飯2食も抜いてるからな。あ、やっべ。俺は栄養失調?により倒れ、意識を失った。
「ん、此処は何処だ?」
まさか、もう死んでしまったとか?それは嫌だな。折角転生したのに、一瞬で終わるとか。
「此処はドワーフの村ですよ」
「ドワーフの村?なんで俺がそんな所に居るんだ?」
「あなたが川の傍で倒れていたのを偶然、水汲みに行ってた同胞が発見して、此処に連れてきたんですよ」
「そうか。ごめんな、水汲みを邪魔しちゃって。後、ありがとう」
「いえいえ、大丈夫ですよ。水汲みなどすぐに終わりますから」
「いや、そんな事は無いだろう。だから、お詫びに俺に出来る事があったら言ってくれ。ところで、俺はどれ位ねていたのか?」
「3時間程ですよ」
「3時間か。あの、悪いんだがご飯を食べさせてくれないか?ほんの少しでいいから」
「分かりました、ご飯ですね。すぐに用意致します。後、少しと言わずに、たらふく食べて頂いて結構ですよ」
「そうなのか、じゃあお言葉に甘えて」
「おぉ、凄い美味しそうだな」
「はい、こちらはホルイド豚の丸焼、こちらが「あぁ料理の紹介はしなくて大丈夫だから」そうですか」
「うん、美味い」
「そうですか。お口にあって何よりです」
「そういや何でお前、俺に対して敬語使ってんだ?」
「申し訳無いのですが、その話は後で宜しいですか?」
「ん、別に良いぞ。さて、じゃあ、俺に役目を与えてくれ」
「いえ、別に働いて貰う必要は無いのですが」
「俺は、お前等に助けて貰ったんだ。そしたら次は、俺がお前等を助ける番だろ」
そういえば、この世界に来てから、心が少し軽くなったな。後、感情豊かになった気がする。俺って恩返しとかするんだ。
「そうですか、ならお言葉に甘えて。それでは、あそこの隊の護衛を願います」
「分かった。で、その隊は何しに行くんだ?」
「森へ木の切り出しか、洞窟に鉄鋼石を掘りに行くのですが、今日は洞窟へ鉄鋼石を取りに行きます」
「洞窟か。まぁ大丈夫かな」
「大丈夫だと良いのですが、洞窟は比較的強い魔物が多いので、気を付けて下さいませ」
「そうだな、油断せずに行こう」
油断が敗北を招いた戦いは多い。ありがちな所で赤壁の戦いや桶狭間の戦いかな。
「では、もうすぐ出発すると思います」
「あぁ分かった。じゃあ行ってくる」
「村長、あの方は他の者とは違いますね」
「うむ、他の者は我等に高圧的な態度を取ってきたが、今の方は我等に高圧的な態度を取らずに、気軽に話して下さいましたね」
「しかも、洞窟へ行く隊の護衛まで引き受けてくれましたね」
「そうだな。全員へ命じる!絶対に今の方には無礼な態度を取るな!」
「はっ!」
「此処が目当ての洞窟か?」
「はい。そうですね。この洞窟の深層部に鉄鋼石があります」
「なぁ悪いが、この隊俺が指揮して良いか?」
「えぇ良いですよ」
「ありがとう」
今こそ、歴史シュミレーションゲームで培った指揮能力を活かす時だ。
「今、編成ってどんな感じだ?」
「掘る係が2人、灯り係が3人、護衛があなたを抜いて、5人です」
なるほど、なら陣形はこんな感じでいいかな?
割と普通だな。まぁいいか。俺が1番楽な位置にいるけど、俺は真ん中で能力魔法無効化で皆を守ってるんだよ。
「おぉ~流石ですな。我等には陣形など思いも浮きませんでしたから」
「そうか?まぁ陣形は組んでた方が良いと思うな」
「確かに。安心感が違います」
「じゃあ行くぞ」
「はいっ!」
第1話どうでしたでしょうか?感想お待ちしております。