厨二病による無線放送
―ゲンソウ―
おそらく、このクラスの中で、誰も知らないだろう。僕が芸能活動を行っていることなんて。
実は、僕は人気ラノベ作家としてラジオ出演し、ラジオの素質が認められて、今ではあるラジオのMCを務めているんだ。
すこし深夜に近い時間でね、ゲストには声優を呼ぶんだ。
今日もそのラジオの収録がある。
「今日のゲストはXXさんです」
「どうも~XXです」
「XXさんは〇〇に出演されているんですよね」
適度に告知をはさむ
「それでは、告知時間をかけて、今回はこのお題にチャレンジしてもらいましょう。題して『セリフを言え』」
「え~、何をするんですか?」
「私が何かお題を出します、そしてそれに合うようなセリフを心をこめて言ってください。適切だったか、そうでなかったかは、私の独断で決めます」
声優さんの見事な演技に身悶える。
「では、30秒で告知をどうぞ」
告知をさせて、エンディングに入る。
「それでは、また来週も聞いてください。さようなら~」
ほらね、ぼくのラジオには沢山のおたよりが届くし、ゲストも豪華。
僕は人気ラジオパーソナリティーなんだ。
―ゲンジツ―
うちの子がアニメにはまりだしたのは中一の夏頃、今や立派なヲタクね。
部屋にはポスターが貼ってあるし、棚にはライト……なんだったかしら、ばかりだし。
休日はどっか行っちゃうし。
大晦日なんて大変よ。有明に行ってくる~、て言われたからテニスでもするのかと思ったら、リュックサックをパンパンにして帰ってくるんだもの。
あとね、ある日見ちゃったのよ。
あれは午後11時ころだったかしら。
夜中トイレに行きたくなって起きちゃったのよ。
そうしたらね、どこからか声が聞こえてきたの。
「XXさんは〇〇に出演なさっているんですよね」
息子の部屋からだったわ。
「それでは、告知時間をかけて……」
息子がね、一人でラジオに向かって話しかけていたのよ。
「私が何かお題を出します……」
「では、30秒で告知をどうぞ」
「それでは、また来週も聞いてください。さようなら~」




