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今回短いです
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「私はこことは違う世界から来ました!」
静粛な空気の中、私は遂に言葉を言いはなった。
「私のいた世界には魔術なんて存在しません。私が全く魔力を持たないとカイルさんがおっしゃっていましたが、そもそもそも魔力が存在しない場所で生きてきたからだと思います。私は日本という小さな島国の住人です。仕事が終わり帰宅したところまでは覚えているのですが、気がついたときにはあの森にいて、自分でもどうしてあの場にいたのか分からないんです。信じてもらえるかわかりませんけど、何か企んで皆さんに危害を加えようなんて決して思っていません。」
上手く説明できたかは分からないけどとりあえずは言い切った。
せめて危険人物ではないことだけは伝わっているように祈る。
「異世界…それに日本…。黒目黒髪であることから異世界人ではと思っていたが、4年前に帰還した女神も確か日本という国の民だと話していた。最近、また悪しき気脈が現れ始めているが、そなたは新たな女神なのか、、、だが、一体誰が召喚したのか、、、」
ん!!!!????
えぇっっつ!!??
ちょっと待った!!!!!なぜそうなる!!??
絶対女神ではないのは自分がよく分かっている。
それに前女神は帰還したってことは誰とも両想いにならなかったってこと?なかなか難易度が高いゲームだし、上手く好感度上げられなかったのかな?
ふと、一瞬思考が飛ぶが、すぐに今はそんなこと考えている場合じゃないことを思い出し、王にすかさず反論する。
「あっ、あの王様!私は決して女神様とやらではないです!!宣言します!誓います!
そんな特別な癒しの力なんて持っていないですし、ほらっ、見た目からして美人でもないし至って普通じゃないですか!?」
「!!…確かに特別目を引く美貌ではないが…。」
おいっ!そこはちょっと否定しろよ!と心では突っ込んでみるもののここで女神に祭りあげられても後々困るのは自分だ。だって、明らかに何か力が宿ってる気配なんてない!!
「そうですよ!!女神様はさくらちゃんみたいに綺麗な子がなるべきもので、私みたいな一般ピーポー(英語って通じる?)なアラサーがなるなんて恐れ多いです!!私は断じて女神ではありません!!」
私は勢いのあまりいつの間にか立ち上がっていた。
いかに自分が普通かを力説する日がこようとは、人生って何が起こるかわかったもんじゃない。
「ふむ。女神が召喚の儀なくして遣わされるという話も耳にしたことがないしな。それに前女神のサクラは美しかった。」
私が女神だという可能性が否定され安堵する。ちょっと引っかかるけど。
「ところで、サクラのことを知っているような口ぶりだな。女神の癒しの力のことも知っているようだが?
…サクラとはどういう関係なのだ。」
ギクっ
安心しきって弛んでた頬が瞬時に引き攣った。
あっもしかして私、墓穴、掘りました・・・?




