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遅くなりました。

今後もスローペースになると思います。

食事を続け食べ終わると、私はエリーに連れられて自室へと戻るった。


「ねぇ、エリー。前女神のさくらちゃんは誰とも、その、男女の関係にはならなかったのかな?」

私はずっと気になっていたことを尋ねた。

エリーはお茶の用意をしてくれていたが、いったん手元をとめると、こちらへとやってきて、辛そうに語りだした。

「あの日、サクラ様を元の世界に還す帰還の儀が行われているときでした。アレン様がさくら様にご自身の想いを告げられたのです。」


ーーーっ!!

アレンが、さくらちゃんに。。。

衝撃に息が詰まりそうになり手で胸元をおさえる。


「ですが、、サクラ様はそれをお受けにならずにご自分の世界へ帰られてしまいました。サクラ様は多くの殿方から想いを寄せられていたのですが、アレン様とは相思相愛に見受けられましたのに、ご本人もきっとお辛かったと思います。何でも、元の世界に家族を残してこちらには残れないとおっしゃっていました。」


「さくらちゃんはアレンルートだったんだ。」


「?、何かおっしゃいましたか?」


「っいいえ!エリー、教えてくれてありがとう!」

つい、ポロっとこぼれてしまった言葉はエリーに聞こえなかったようだ。よかった。


「とんでもございません。城にいる者でしたら皆存じ上げていることですので、、、」


エリーは私から離れるとお茶の準備を続けた。


さくらちゃんの両親は小さい頃に事故で亡くなっており、

唯一血の繋がっている祖母に育てられていたという設定になっていた。攻略者からの告白を断る理由も

"あなたのことが大好き!でも、おばあちゃんを一人にはできないわ!" だ。

フラれる側のことを考えたら、もう一生会えない相手なんだし、こっぴどくフルべきだと私は思う。だって、好きな人に大好き!だなんて言われたら、

忘れたくても忘れられなくなりそうだ。

いつか時間が解決してくれるとも思うが、どちらにしろひどくフラれるよりも引きずる期間は長くなるだろう。


さくらちゃんが帰還してから何年もたっているが、アレンまださくらちゃんのことが好きなの、、かな、、?

そう思うとやっぱり胸の奥が痛むのだった。






ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーー



私がこちらの世界に来てちょうど1週間たったころ、

私はアレンとカイルと一緒に近くの孤児院を訪ねることになった。

今後のことを話し合った後、王もアレンもカイルも皆職務に追われていたようで、私は攻略者たちには会わずにエリーと庭にでてみたり、城を探検してみたり、庭にでてみたり、城を探検、、、、。

そう、やることが無さすぎて発狂寸前。

今まで週5日勤務で仕事をしていたのだから、いきなり何もせずに何日も過ごせという方が無理がある。

庭の散歩も城の探検も2日すれば終わってしまった。

城下に降りるにはアレンかカイルを伴わなければならないが、二人ともそんな暇はない。

見かねたエリーが王に進言してくれて、

どうにかアレンたちに休暇を与え、私を外へと連れ出してくれることになった。


本当に出来た侍女をもって私は幸せである。

エリーには、足を向けて寝れねーなこりゃ(笑)



そんなこんなで、現在は馬車で孤児院に向かっている途中だ。

カイルが私の迎えに座り、アレンは馬上にいる。有事の際にすぐ行動できるよう一人は馬で向かうとのことだった。

私は変わり行く景色を見ながら、馬車と平行して駆けてくるアレンを盗み見てはタメ息をついた。

せっかく見たかった外の景色を拝めるチャンスなのに、

頭の中はアレンがさくらちゃんに告白したことでいっぱいだった。


「何かお悩みが?先程からタメ息ばかりですが。」

窓枠に肘をおき顎を乗せていた私は目線だけカイルに向けると、

珍しく彼は心配そうな表情をしていた。

「カイルさんが心配してくれるなんて、どんな風の吹きまわし?

いつもバカにするくせに。」

「心外ですね。これでもあなたのことは気にかけているつもりでしたが。」

「気にかけてくれてたといえば、ある意味そうね。いじめの対象として。」

「いじめなんてとんでもない。私なりの愛情表現ですよ。」

「愛、愛情ってっっ!?」

動揺している私に更に彼は近付くと、

ぷにっ

私の頬の肉に指を埋め込む。

「ふふふ、本当にあなたは可愛いですね。落ち込んでいると思えば今はリンゴのように真っ赤だ。」

そう言ってにこりと微笑んだ彼は悔しいぐらい完璧なスマイルだった。

例えアレンが好きだとしても、カイルのような美男子に"愛情"とか"可愛い"なんて言われたら動揺ぐらいします。

はい、私も腐っても女ですからね。


結局、孤児院までの道のりはほとんどカイルからのいじめ?で終わってしまった。カイルからすると、これまた楽しく談笑していたつもりのようだが、こちらからするとからかわれているとしか思えませんでしたけどね!


でも、不思議とさっきまでのモヤモヤした思考は吹き飛んでいた。その時の私は全く気づいていなかったけれど。




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