事件解決!
長くてすみません。謝ります。ごめんなさい。今度からは気をつけていきたいです。
それじゃあ簡単に、最終的なオチの場面。俺達一行が最後に入った教室は、どこともわからいわけではないにしろ、普段は入るような場所ではなかった。
そこは、今は封鎖されたふつうの教室だった。
しかし、そこに入るきっかけとなったのはもちろん、霧咲さんなんだけども、これがまた奇妙な話があるわけですわい。
そして今の、このなんとなく古ぼかしい教室に入ったとたんの霧咲さんの様子も奇妙なものであった。
俺はそんなちょっとした奇妙な光景を目の当たりにしている。
俺の前には、大輝と零子、そして少し離れたところの窓際いちばんうしろ席の机のところに、霧咲さん。
俺の後ろには、ちょこっとピクピクしている我が愛しの雪風さん。雪風さんは、なにがそんなに恐ろしいのかわからなかったけれども、なんと、おんとも可愛らしく無意識なのだろうか、とにかく俺の袖口をぎゅっと握っている。
しかしだ。「ありがたき幸せ。」と思うことも俺には三秒の猶予しかなかった。
なぜならば、俺は今の目の前の光景に唖然しているわけだからな。
つまりだ。俺は今、この目で、涙を大量にこぼして泣いている、霧咲さんと、その霧咲さんが、少しだけ薄くなり、体全体が普段よりも光を放っていて、泣いているのにも関わらず、霧咲さんの顔は笑っていて机に左手を置いたままつったっていたり、外はいつの間にか雨が止んでいてその代わり霧がすごく出ていたり、俺の前にいる霧咲さん以外の大輝と零子は警戒半分、驚愕半分、といった顔つきで霧咲さんほかそのたの光景を見ている。
っと。なぜこんなことが起こっているのかほ少しばかし説明するために、話を少しだけ遡らせてもらいます。
あれは、俺たちが探索を初めて半時がすぎたくらいの時、俺たちがまた違う教室に入るために廊下を移動しているときのこと。
「・・・・」
全くの沈黙。誰もしゃべろうとはしない。
先頭を歩く俺もその隣にいる雪風さんも、その他三名も何も喋らない。
しかしだ、おかしいのは、俺と雪風案以外全員だ。俺たちの後ろについてくる、霧咲さんは、初めて会った時のような、オロオロしたドジっ娘雰囲気は全くなく、まっすぐ前だけを見ていた。もしかしたらどこも見ていないのかもしれない。
その後ろに大輝が何か考えている雰囲気を出しながら、前を歩く霧咲さんをみていた。
それから、その大輝よりも深刻そうな顔つきをして、窓の外の眺めながら歩いている。そういえば、コイツの深刻そうな顔を見るのは今日が初めてかもしれん。今までのこいつは、考える前に行動していたような気がする。コイツもたまに、霧咲さんをチラチラ見ているようにも思える。
とにかく、霧咲さんは心ここにあらずみたいに、夢遊病者のように、魔王の白を徘徊するゾンビか死神のようについてくるだけで、何も喋ってくれないし、大輝と零子は各々が考え事しているようで口をひろうともしない。
てなわけで、未だ正常な私と雪風さんは気まずい雰囲気の中、お互いに苦笑いしながら、次の教室を目指そうとしていた。
すると、
「そうだ。ごめんなさい。私忘れていたんだけれども、ちょっとした急用を思い出したわ。すぐに行かなくてはいけないの。ごめんなさい。直ぐに終わると思うし、終わったらすぐに合流するから、私少し抜けさせてもらうわ。」
とか、零子が言っていたような気がするが、そんなようなことを言ってちょうど分かれ道になったんで、俺たちとは違う道に歩いて行った。
それからしばらくして、ダイキも同じようなことを言って俺たちとは別行動となった。
いたって普通の会話。どことなく不自然なとこはあったとしても、俺は全く気にせず、また雪風さんも同じようです。霧咲さんはまたもやノーリアクション。
そんなわけで大輝と零子が俺たちとは別行動となったわけである。
それからも、何も気にせず残った俺たち三人は、また学校探索を続行させた。
大輝や零子が何をするために俺たちと別れたのか。なんてことを考えることはなかった。
それから、また半時ぐらいが過ぎた頃だろうか、学校探索もそろそろ終盤という頃だったろうか。ちょど、本校で唯一自販機がある、食堂にたどり着いたためそこで少しの休憩をしよういう話になった。
しかしまだ、大輝や零子は帰ってきておらず、一体何をしているのやらとか思いながら、俺は、あったかいホットコーヒーを、暑いのか袖口を使って持ちながら湯気たつコーヒにフーフーと息をかけながら飲み、まだ暑かったのか、少し咳き込んで涙目になるという雪風さんの愛くるしい限りの行動をしている雪風さんと、未だに無反応、無表情を決め込んで椅子がたくさんあるにもかかわらず、ボート立っている霧咲さんに、「お手洗いに行ってきます」的なことを言って、トイレに行った。
そこに待っていたのは、極楽でもなく、また時刻でもなく、よく手の行き届いた、トイレの便器その他でもなく、俺の嫌いな物ランキンぐに毎回用にのトップ10に入ってくるような、態度をいつもはとっている零子と、俺の友達にして親友の何か心配事があるのか、いつもの無表情ではなくどこか浮かない顔をしていた。
がすぐに俺の姿を捉えたとたん、なにか決心したのかいうも異常の表情になった。これは、零子も同じである。そして零子は、俺にこういった。
「目的解決の糸口がわかった。今すぐそこに行きましょう。早くしないと、手遅れになってしまうわ。」
といつもよりもしたから、(いつもが超上から目線だから今はそれよりは少し下から上から目線)命令してきた。それだけ言って、俺の返事も聞かずに霧咲さんや雪風さんが待っているほうへ、長い黒髪をたなびかせながら、歩いて行った。
もちろん俺の頭はそんなに良く出来ているわけではないため、今の一瞬では判断できなかった。それを分かっているのか、いや分かっている俺の親友大輝が、近づきながら補足説明をしてくれた。
が、それはもっと俺の頭を混乱させることでもあった。
てな感じで、俺たちは、先ほどの、摩訶不思議な光景を見ることになたのでした。
つまりこの俺は知らなかった、教室に連れてきたのは、零子である。が今はそんな話はどうでもいい。後で聞いてやるがな。
しかしなんだろう。おかしい。これは現実とはかけ離れた非現実的な光景は。
人が光るなどありえない。ましてや、すけるなんてものは、もってのほか。しかしだ。俺の目の前ではそれが起こっちまっている。それを証明するかのように、俺の目は霧咲さんを凝視すると網膜が焼けると実感できるほど、目がくらみ、霧咲さんの体は、半透明で普通は見ることができない霧咲さんの体で見えるはずのない教室の窓際の壁や窓がうっすらと見えてしまう。
いやいや。待て待て。おかしい。おかしいおかしい。
Q、ここはどこだ。
A、俺の通う私立西野也高校だ。
Q、今は何時代だ。
A、近代化が進み、価格がものすごく発展した時代だ。
Q、そんな時代に、この今見ている光景を目にすることがほかにあったか。
A、いやないね。絶対に。俺の、頭を疑う余地もなく俺の出来損ないな脳みそでもはっきりわかる。
これは、現実では起こりえないことだ、と。
とか、いろいろ、俺は自分自身のひとりで一問一答をしている。
そんでもって、俺の中にいる、多種多様な人格を今ここに集結させて、会合を開いても、有益な情報は手に入らなかった。
そのため、おれはもっとあせった。未だにくっついている雪風さんとともに。
しかし、そんな俺たち二人をのけものにして、それ以外のお二人さんは、なんだかわかったような顔をお互いにしている。何がわかったんだろうか。わかったんだったら早く言ってくれよ。
俺の念じが通じたのかはさて置き、零子が、この教室に入ったや否や、すぐに目の色を変えて飛びつくように駆け寄った机に触り、今のような状況になったまま、微動打にしていない霧咲さんを見ながら、説明を始めた。
「まずこの教室。ここは今からおよそ、4年ほど前まで使われていた教室よ。しかしその4年前にある事件が起こって、それからこの教室は封鎖されていたらしいわ。教師どもに聞いたところ、それを知る人は少なかったけれどもね、知っている人もいたから結構情報が手に入ったわ。どうやって聞いたかは聞かないでね。」
いや聞かねえよ。いいから先へ。
「あら、そう。まあいいわ。でね、そしたらその4年前にこの教室を使っていたある女子生徒がなくなったそうよ。しかもこの場所でね。首吊りだったらしいわ。警察も自殺と断定したらしいは。しかしね、ほかのクラスメイトも教師も信じられなかったらしいわ。なんせその人は毎日学校に来るのが楽しくていつもニコニコしていたらしいわ。クラス内でもみんなと仲良くしていていじめもなかったそうよ。しかし彼女は死んだ。この事件は、ほかにクラスメイトや教師陣にも疑問を残すだけで、そのままだったらしいわ。これが私の得た情報よ。さっき少し外させてもらったのはこれを調べるためだったのの。」
長々と喋っていた零子のセリフが終わったあとすこしのあいだ、おれはまたもや疑問の渦に飲み込まれていた。
自殺事件?
俺の頭では全く理解することなど、北極にいるくまさんたちが一夜にして赤道付近に氷山ごと移動する可能性よりもなく、それだから、俺は考えることを諦めてしまいますと自分に宣告した。
それから直ぐに、次は大輝が話し始めた。
「俺も、中島と同じく、さっきお前たちとは別行動で、図書館に行った。もちろん、本を借りたいと思っていたわけではなく、昔の新聞がないか調べに行っていたんだ。司書の先生に聞いてみたところ、きちんと倉庫に保管されていた。そんなかには、昔の図書員か文芸部員が作ったであろう新聞の切り抜きがあった。きちんと年外別に整頓されてあったから、見つけ出すのは簡単だった。」
そして、おもむろに大輝が取り出したのは、大きな水色のバインダーで表面には20XX年4月~5月とでかく書かれたもんだった。
どこからそんなもん取り出したさっきまでは持ってなかっただろとかという感想はとりあえず後回し。
そして、その下にはきちんと製作者の名前も書かれていた。
そこまで俺が目にしたところで、俺の見えないところから声が上がった。
もちろんその声の主は、俺でも未だにくっついている、雪風さんでもなく、話しての大輝でもなく、そもそも玲子はそんな声は上げない。そうすると残ったのは、そう。その声の主は、霧咲さんその人だった。
俺は、そう頭で判断したあと、本人の方へ顔を向けた。まともや驚愕。目を見開いた。そろそろ、眼球が飛び出してきそうだ。
俺が見た先には、なぜか霧咲さんが膝を屈して、涙を流しながらうなだれていた。
「そんな・・・。そんなはずはない。私は確かに・・・。そうかあれは・・・。」
霧咲さんは、独り言のような小さな声でなにかブツブツ言っていたが、よく聞こえない。最後の方ではなにかわかったような感じだった。
大輝は、そんな彼女を無視して話を進めた。
「これは、ある文芸部員が作った、新聞の切り抜きのまとめだそうだ。そして、問題はこの中にある記事。」
そう言いながら、大輝はおもむろにバインダーをめくり、あるページで指の動きを止めた。
それを俺たちに、見せてきた。
これで何回目だといいたい驚愕。
その記事は、ページ見開きを使うほど大きな記事だった。
細かく読まなくてもわかる。なぜなら、デカデカと見出しがあり、それを読むだけで大体の内容が把握できるからだ。
「私立西野也高校女子文芸部員、謎の自殺!理由解明不能!迷宮入り確定か!?」
と。
先ほどの零子の話と一致する。しかしそれがなぜ霧咲さんと関係するんだ。なんお関連性も見えてこんが。
大輝は、そんな俺の疑問にすぐに反応してくれた。
「簡単な話だ。この記事に名前が書いてある。きちんと。はっきりと。滲んだボールペンで・・・。」
大輝の声が少しだけ、小さくなったきがする。ついでに顔つきも暗くなったような。
しかし大輝はすぐに顔をいつもの顔に戻して続ける。
「普通に手に入る記事では、ここに名前が書き込まれているはずはない。しかし、この記事には欠かれている。それは、これが、この学校の生徒が編集したものだからありえることだ。この学校の当時の彼女を知る物がこれをつくたからだ。」
少しの間。
「この記事の感想がこの記事のしたに小さくこう書いてある。」
大輝は深呼吸をして、その感想を読んだ。
「彼女の名は、”霧咲 透香”私の大切なたったひとりの宝物。それをいつまでもいつでも忘れないためにここに名を記します。」
この教室一体が、静まり返る。外の雨の音なんて聞こえない。雪風さんが、俺の袖を握り、おれが唖然し、零子は目を閉じて、霧咲さんは、目をいっぱいに開き、大輝を、大輝の持つバインダーを見ている。涙をいままで以上に流しながら。
どれくらい沈黙したかはわからない、多分一瞬でコンマ数秒だったと思うけけど、俺たちは何時間にも感じた。
大輝がその口を開けバインダーを閉じた。
「ここからは俺の推測だが、きっとこれを作ったやつは、おまえの親友だったんだな。そしてこの文を読む限り、彼女は、昔いじめを受けていた。しかしそこを助けたのが、おまえだ。霧咲。切り裂きはみんなとも仲が良かったから、お前が、彼女とつるみ始めるとたちまち、彼女のいじめは解消された。きっとはじめは、彼女を文芸部にでも誘ったんだろう。それから彼女たちは楽しい日々を過ごした。そんなある日、お前は死んだ。彼女は、きっと愕然な気持ちになっただろう。今まで一緒にいた奴がいきなりいなくなるのはな。もちろんお前がいなくなったからといって彼女をまたいじめる奴はいなかった。が、彼女はどうしてもお前の死因が気になる。そして調べたところ、あることに気がついた。それは俺にはわからん。が、彼女はお前を忘れないために、この新聞の切り抜きバインダーを作ることに決めた。つまりこれは、作成第一号となる。その一番最初のページがこの記事というわけだ。」
大輝はもう少しだけ続けるようだ。
「しかし少しだけ分からないことがある。では、お前が本当にこの記事に書いてある、「霧咲透香」だとする。そうすると、お前はこの世に存在するはずがない見えるはずがないいわゆる幽霊みたいなもんになるわけだ。しかし、一般的に幽霊がこの世に残る理由としてはこの世に未練がある場合が一番多いとされている。ではそれは一体なんなのか。それだけが俺には理解できなない。」
ここで大輝は口を閉じた。大輝の発言タイム終了。
で。
・・・・・・
とりあえずそんなもんしか表現しようがなかった。
全くの無の世界。それ以上に恐ろしいものはこの世にはないとどっかの誰かさんが言ったきがするがそれは置いといて、誰も喋らず、圧巻されるだけ。もちろんそれは、俺と雪風さんの仕事であって、大輝と零子のもんではない。お前たちふたりは、俺と雪風さんの代わりに、問題をすべて解決してくれればいいさ。俺たちは、なんの危害も加えられない、高いところで文字どうり高みの見物をさせてもらうからさ。
まあ、実に今のこの状況が、その状況であるわけだから、俺の仕事は未だに俺につかまってくれている雪風さんを最悪このみが焼け付きても、悪の手からだけは助けてあげるという大切な使命がある。
のだけど、きっとそんときの俺の脳内回路はパンクしていて思考回路も止まり何も考えていなかったんだな。うんそうしかありえない。いつもの俺ならば絶対にしない行動を俺はしてしまった。
「きっとそれは、その時の思い出とか、最後の挨拶とか、そういうもんなんじゃないのかな?」
こんなバカみたいな発言をしてんのはどこのどいつだ。あたりを見渡してみる。雪風さん、俺の方を見る。大輝、零子も俺の方を見ている。霧咲さんは、まだ泣いているがはっきりとこちらを見ている。
というわけで、みんなが虚を突かれたような顔をしている訳は、言うまでもなく、さっきのバカみたいな発言を空気を読まずに言ったのは・・・
俺だった。
俺は無意識のうちに歩き出していた。雪風さんは動かないので当然、雪風さんのてが俺の裾からはなされる。少しもったいない気もするが、今はそれどころではない。いつの間にか、大輝や零子も抜かして俺は一番前に目から涙を絶やしていない霧咲さんと面向かった。そして、こういう。
「霧咲さん。本当におめでとうございます。」
は?だよな。何言ってやがる。言ってる本人が一番よくわかっていないのだから仕方ない。と、また続く。
「あなたの探していたものが、今ここで見つかりました。」
「え。でも・・いったい・・。」
霧咲さんの小さな声が、俺の耳に届いてきた。どうやら彼女は気づいていないらしい。
では教えてやるしかないな。
「何を言っているんですか。あなたの探していた物っていうのは、あなたが幽霊になても探して、求めているのは一体。簡単なことです。なんたって、それは、この教室で、彼女とあなたとその仲間たちすべてとの思い出です。楽しかったことはもちろん、苦しかったことや悲しかったことも全て、今ではいい思い出として、いつまでも存在し続ける。あなたは成仏する前にもう一度ここに来てそのことを思い出したかったんですよ。そして最後に、この教室とあの人との思い出に蹴りを付けるために。」
ひとつ深呼吸。そして、
「ただ一言、さようならの挨拶をね。」
ここで俺は、今までにしたことのないようなとびっきりの笑顔をしていた。さらに俺の顔はもう霧咲さんとの距離わずか数センチというところまで来ていた。すると、霧咲さんは、今まで泣いていた、目を拭いて、彼女もおれに惚れてしまうようなとびっきりの笑顔をしてくれた。
そして霧咲さんは、すっと立ち上がり、もう一度教室を見渡して、ゆっくり教卓の方へ歩き、黒板の前に立ち、きょうしつで先生が生徒を見るように霧咲さんは、俺たちの方へ向き、ひとつ深くお辞儀をした。
そして。
「皆さん本当にありがとうございました。そしてごめんなさい。ここまで付き合わせてしまって。でもこれで・・・。本当にありがとうございました。」
それでは、さようなら。私の生きた、教室。さようなら、私の記憶。さようなら、私とあの子の思い出よ。
彼女はこう思ったのだろう。口には出していないが、表情を見れば、一目瞭然だ。また泣いている。今回は今まで以上に。しかし、表情はしかり保ったまま、
「それでは、私もそろそろ行かせていただきます。早くしないと、もうここから動けなくなってしまうかもしれません。皆さん、本当に、ありがとうございました。」
もういちど、霧咲さんは頭を下げた。それと同時に、彼女の足のほうがだんだん光を増してきた。どんどん消えていく。体の半分ぐらいが消えかかったところで、霧咲さんが俺の方を見ていった。
「今回は本当にありがとうございました。もう感謝のいっぱいです。・・・ありがとう。
・・・・・赤丸・・・・・勇樹君・・・。今回はこんな出会いになってしまったけど、またいつか、会いましょう。今度会った時には・・そうですね、仲良くしてくださいね。それでは、また・・・」
涙がひとしずく、落ちる。
と同時に、霧咲さんは消え、その周りのまばゆい光も消えていった。
おれは、聞こえない聞こえるはずもない人わかっているけど声をかけた。
「ありがとう。霧咲さん。あなたとあったことはきっと忘れません。いつまでもいつまでも。俺が死んだとしても。きちんと成仏してくださいね。そして生まれ変わったら、もう一度、お会いできることを楽しみにしています。」
すっきりした。俺の心の中には何も残っていない。清々しい。よし。
おれは、そこで踏ん切りをつけ、我らの現在の仲間の方に向きを変えた。
あるひとは、泣いていて、またある人は、いつもの無表情、またある奴は、たまにしか見ないいや初めてかもしれないそいつの微笑みを見た。
それで、俺たちはいつものように、四人で下校するのであった。
下校途中、俺は心の中でこんなことを考えていた。
俺たちはいつかわ高校を卒業して、離れ離れになるのかもしれないが、俺たちなら大丈夫だろう。いつだって、どこえだって。俺たちの日常は変わらない。どんなに日が経とうとそれは変わらず、そこにあり続ける。それが、思い出ってもんだろ?
・・・・と。
今日はひさびさに清々しい気持ちなので、家に帰って、飯食って、風呂入って、すぐに寝た。
ぐっすり寝れた。しかしその次の日に、化学の小テストがあることとかはすかりわすれ、学校に向かう最高時刻までねていて、起きたら、目覚ましが止まっていたとか、かぞくがいまいえにいなかったとか、急いで学校に走っていく道で、猫のしっぽを踏んで、めっちゃ謝ったこととか、例の彼女との約束を果たしていたとか、そういうの、これからの話。また別のお話のため、それはまた別の機会に。今回は、いきなり俺に頼みごとの依頼が来るとか、学校を小学生以来に探検して、幽霊と出くわすという、少しだけ、日常とはちょっと違った、物語でした。
・・・・っと。ここで夢は終わってしまった。
しかしとても懐かしい、優しくてちょっと、辛い、夢だったな。っと、もう次の時間が始まる時間だ。
俺は、ぐっすり寝たからかとてもすっきりしていた。保健室の先生に一言挨拶をしてから、俺は、いつもの教室に、戻っていった。
それはとても軽快で、スキップのように、雲のように軽い足を、手を、こころを振りながら、廊下を歩いて行った。