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男子高校生のとある学校生活  作者: 彩島 明樹
第二章「こんなもんだっけ?」
7/25

ま、まさか!

もしかしたら誤字や脱字があるかもしれません。すみません。素人ですみません。

長くなってしまってすいません。


退屈である。

これは俺の、俺だけの感想であり、世界の小学生から中学生までの男のお子様がよく持つ感想であろう。

何が退屈かって?そりゃあもちろん、この世界にだよ。

しかし、今は、昔よりは、少しわ、少しわだぞ?酸素原子よりは小さく、水素原子よりは大きいぐらいには、退屈ではないのかもしれない。

なぜなら。その理由は、その理由は、その理由は、・・・・・・。

と、ここまで書いて、筆が止まってしまう。今が、退屈でない理由とか聞かれても、答えられるやつなんて、いるのかね。とか鼻で笑ってみたり。いるなら今すぐ俺のまいに集合しろ。なんてな。

まぁ、今思い出してもどうしようもないことだし、どうでもいいことなんだけれども、今俺はピンチというか、死と隣り合っていたりする。

とりあえず、今の俺の置かれている状況を説明しておく。後世にでも伝承してやってくれ。そんな暇な奴がいるのであればな。俺的には、雪風さんにそうしてもらいたいね。

っと、そうだ、その雪風さん。そう彼女。俺の今の状況を作り出したのは、彼女がおおいに関係していることに皆は気がつくだろうだろうか。

いや無理だな。雪風さんは俺だけのものだ。他のどんな野郎にも教えてはやらん。と・・・



俺は今三途の川を見た。いや、渡ろうとしていた。なんと恐ろしい。

俺がそんな状況にある理由を今こそ教える。

それは、


零子が俺に、とてつもない攻撃の連撃をカマしてきたことに決まっている。


その内容とは、語るのも苦労しそうな内容でわあるがまあ聞いてくれ。まずは、空手の平手打ちをみぞおちに数発食らわされて、そのあとすね蹴りにローキック、そして俺がバランスを崩して倒れそうになったら、回し蹴りを顔面に喰らう。そこでもうほとんど、意識はなくなりかけていたが、コイツはまだ続ける。ほんとにダウンしかけたところで、流れるように、俺の腕と掴んで、投げ技を決めた。そこで終わって欲しかったんだが。もちろんそのまま俺は、地面に叩きつけられる。そして俺は思い出した。地面が柔らかく反発してることに。そんな俺の思考はお構いなしに、コイツは、そこに倒れる俺を、プロレス技を決め込んで来た。もう痛覚はない。そのまま、俺は意識も、脳の活動も、筋力活動も、血流も、何もかもを、必要最低限の分だけ残し、停止させていた。かもしれない。しかし、そこらへんで俺の意識は消えてしまった。

そして気がつくと俺は、真っ白い部屋にいた。

ああ、俺は死んだのかとか、本気で思ってしまった。ここは天国か?みたいな。

すると、白いカーテンがわれて、その間から白衣の保健の先生が出てきた。

俺は、その保健の先生に、いろいろ事情説明を受けてやっと、理解した。というか、思い出した。

さっきの俺の死闘は、体育の授業で、柔道での零子との模擬戦だった。その相手に俺が指名され、案の定ボコボコにされたという感じであった。

指名された理由はまだ聴いていないが、きっと雪風さんについてだろ。きっと。

一応説明しておくと、我が校では、体育は男女共通というなんとも小学生らしい、校則が存在する。まあ私立だし、っていうのはどうでもいいか。校長の趣味か。

そしてその模擬戦で、完敗した俺はそのまま気絶したそうなので、そのまま、保健室に直行したそうだ。

「赤丸くん。どうする?授業に戻る?私としてはもうちょっと、残っていったほうがいいと思うんだけど?」

メガネの白衣の先生は、心配そうな顔をしている。そこはお言葉に甘えて、

「それじゃあ、もうちょっと、ここに残っていきます。今戻ったって、ほかの人の迷惑になると思うので。」

「そうか。よかった。それじゃあ安静にしていてね。」

とか言って、うんうんと頷きながら、メガネの白衣の先生は、カーテンの外に出ていった。

さてと、寝るか。眠いし。よし。

俺は静かに目を閉じた。




そして、俺はある夢をみた。昔の、あのちょっと奇妙でだけど、楽しかった、あの、ちょっとした冒険の思い出を。・・・・・・・





・・・・・・・


・・・・・・・

今はとある月のとある日、某月某日と書いておこう。

時期的には、俺の人生の中で上位に入り、なおかつダントツでワースト一位であろう出会いをした、あの高校入学式から少し経った頃である。

出会いというものは突然現れるのだと、俺はその時思った。

何もないところから現れ、何もないところで消える。まるで霧のように。

そうその人の名前にも、その文字が入っていた。霧咲透香。それが彼女の名前であった。はずである。

俺としても、一度あった女子の名前ぐらいは覚えているという変態よりはマシな方だが、覚えていたいとは思っているし、忘れるのもなんだか申し訳ない様な気もするので、覚えることが多い。

そんな俺でも、俺さえも、その名前が最近になってあやふやになってきている。

本当にそんな人が存在していたのか。とまで疑うようになってきてしまった。

だが、大丈夫。確かに、その霧咲という名前に、覚えがなくなったとしても、きちんと彼女との思い出は俺の頭の中に残っている。

今はそれだけでいいじゃないかと、正直思っている。

あいつは確かに、ここにいるなんて、胡散臭いことはさて置き頭の部分に話を戻そう。

場所は、知っての通り、俺達の通う私立西野也高校1年B組での出来事であった。がしかし今はそれから少し時間が経過しているようです。場所も変更済み。すみません。



俺たち、すなわち、俺、大輝、雪風さん、零子の四人がいる。

しかし今は、そのほかに、もうひとり。

彼女は、身長は、雪風さんと同じくらい。つまり俺と同じくらい。で、髪は薄い黒色でショート、目の色も少し薄いような気もする。生気が感じにくい人みたいな感じかな。名前のように、まるで霧のように、影はあまり濃い方ではなく、あまり目立つタイプではない。いつもクラスでは端の方でよく本を読んでいるそうだ。そうだというのは、この人とは、今日が初めて会うし、クラスも違う。

1年D組、霧咲透香。これが彼女が俺たちに教えてくれた、ありったけのプロフィールであり、それ以外はだんまり、という、有様である。

霧咲さんは余程の照れ症なのか、俺たちが、口を開くたびに、「ひぃ」とか「ふぅ」とか怯えたような声を上げる。

これはこれで、愛らしくていいのだけど。と、俺がそう霧咲さんの感想を考えていると、俺の正面にいるやつが、こちらを睨んでいる。ので、ひとつ咳払いをして、思考を中止させた。

その霧咲さんは今、あの元文芸部室で机に座り、その周りを、俺たち四人が取り囲む形になっている。まるで取り調べ中の刑事ドラマみたいだ。

これで空が夕焼けで夕日が差し込めていたら、まあまあいい感じにはなっていたと思う。しかし今はあいにく、どしゃ降りの大雨である。残念だ。

とここまで来て、なぜ俺たちが、こんな、物騒なかたちで、今そこで怯えている、小動物のような少女を取り囲んでいるのかというと、時間は少し過去へと、逆上る。


場所は、1年B組。時間は帰りのHRが終わっってすぐのこと。

今日もつまらない授業が終わり、さてさて俺も帰ろうかなと思い、ふと今日の天候に気がついた。

雨。しかも、夕立とか、通り雨とか、お天気雨とかではなく、本気の本降りであった。霧まで出ているという最悪の天候である。

さらに俺は気づく。今日は傘を持ってきていない。ことに。

なんという不幸な日だ。仕方ない、濡れて帰るのもどうかと思うので、やまないかもしれないが、弱くなるまででも、学校に雨宿りさせてもらおう。

それに連れもいる。なんと、あの大輝様までも、今日は傘を持ってきていないそうだ。よし、何かして時間を潰しておこう。

そんな、他人にはどうでもいいような、予定を立てている俺たちを呼ぶ声があった。

「・・・っくん。」

女子の声。でわあると聞いてすぐにわかった。しかし問題は、誰の声であるか?ということになる。

近くには誰もいない。

少なくとも、雪風さんではない。あの人の声なら聞いた瞬間に分かる。

では零子か?いや、論外。あいつは絶対に、俺のことを君付けはしないだろう。毎回決まって、見下したように呼び捨てをしてくるはずだ。

俺はとりあえず考えた。俺の小さな容量しか持たない脳のすみずみまで神経を行き渡らせて、過去を回想してみる。

しかし、いくら考えてもわかるはずがない。なぜならその声を俺はその時初めて聞いたのだから。

もしあるとするのであれば、未来の俺の記憶の中くらいだろうか。

そう、その声は、いきなりとか、突然とか、何もないところか、などの修飾語がつくくらい、いきなり、現れたのだ。

俺がその声の正体に気づくのは、俺の親友白井大輝の俺を呼ぶ声であった。

「おい、勇樹。」

呼ばれた方を向くと

「お前に客だぞ。お前に用があるそうだ。直ぐに来い。」

大樹の声が聞こえた方に顔を向けるまで気づかなかった。確かに俺の席は入口からは遠いので誰が入ってきたかはわからない。しかし、入口でただ立っているだけの人を目の端で捉えなかったのも俺が考え事をしていたせだろうか。まあいいや、そんなこと。この際は関係ない。

今考えるべきことはそんな事ではない。俺に用があるやつなんてこの学校で教師と大樹と雪風さんくらいだろう。だから、俺は余計に首をひねる。

一体、誰だ?と。

俺はとりあえず、席を立ち、大輝が呼んできた方へ歩いて行った。

そこには俺の想像を遥かに超える、俺の想像力のちっぽけさに呆れるほどのものが待ち受けていた。


なんと、あの無表情なまでにムカついてきそうな顔の大輝の傍に、なんとも言えず、もし言葉であらわすのであれば、一言でお人形さんのような、お方がおられたのであった。


雪風さんとはまた違う、可愛らしさを放つそのお方こそ、霧島透香さん、その人である。

しかし、俺がその名前を知ったのは、もうちょっとあとの、元文芸部室でのことであるので、ご愛嬌を。

俺はその時とりあえず、霧咲さんの話を聞きたかった。なぜここに来て、なぜ俺の名前を知っているのか。と。

決して下心あっての行動ではない。

俺は彼女の両肩をとりあえず掴んだ。

そこを偶然的か、神様のいたずらか、ただのあいつの遊び心か知らないが、その、俺が、霧咲さんを触った瞬間をある二人組に目撃されたのだ。

その二人組とは、もちろん。雪風桜花さんと、中島零子である。

その瞬間をピックアップいて描写してみよう。粗くね?大体でね?


俺が霧咲さんの方に手を置く。その瞬間、二人がろうかの角から顔を出す。少し遠いところにいた気がするのは俺の勘違いであろうか。

零子は顔を出すなり一瞬止まり、止まったかと思うと、俺が勘違いだと錯覚するほどのスピードで、まるで瞬間移動のように瞬発時一回髪を翻しただけで、気がつけば俺の目の前に零子の顔があった。

それまた一瞬で俺の見ている景色が回り始めた。正確には、俺の頭を含むすべてが空中で一回転していた。

回転する景色はこれも一瞬で終了、地面に叩きつけられる音と痛みを伴って、零子の攻撃も一旦終了した。

その時、やっとの思いで俺は顔を上げ、これを見ていた三人の顔を順番に見た。

まず一人目。俺の近くにいる女の子。霧咲さんは、怯えているだけで何か言えるような状況ではないと分かった。

次に二人目。俺の近くにいるもうひとりの男子。大輝は、無表情なまま、「スゲェな。人ってアニメや漫画みたいに殴っただけで空中を回転できるんだ。これは面白いな。」なんてことを、俺や零子を見ながら独り言のようにつぶやいていた。見てないで止めるか、起こすの手伝えよ。

三人目は、「どうしたのみんな?なんか凄い音したけど、って、えぇぇ!どしたのゆうくん?バナナの皮でも踏んでこけちゃったの?大丈夫?」と、なんとも微笑ましいが、なんとも遅れたリアクションをしながら、歩いてきていたが俺が倒れていることに気がついたらすぐに駆け寄ってきてくれた。ありがたい。更には手まで貸してくれた。天使だ。

しかし、そんな天使の手を払いのける、女悪魔がここにいる。

そいつは、「ダメよ。雪ちゃん。こんなやつに手を貸す必要はないわ。そいつは、雪ちゃんというものがありながら、ほかの女に手を出そうとしたのよ。」と、顔は、雪風さんに、しかし体は、俺の体を完全に固める技をやり続けていた。

もう体全体全く動くことができない。動くとしたら、頭か顔の表情を変えることか、口を動かすことくらいしかできなかった。が今はそれで十分だ。

とりあえず、反論を。

「俺がいつ、ほかの女に手を出したって?それに、おれは、俺は雪風さんさえ視界に入っていればそれで満足だし、それ以上は全く求めていない。それに、俺はお前がそこまで起こっている理由がわからん。それはきっとなにかの誤解だ。」

ありったけの、俺の反論は、物理攻撃として帰ってきた。こいつ、俺の締めをきつくしやがった。「・・・おい。・・ちょ・・っ・ときついん・・だが。・・」という俺の抗議の声もコイツには聞こえないらしい。

そして零子は一度、鼻で笑って、

「何を言っているのかしら。あなたは確かにそこにいる彼女を触っていた。これは、立派なセクハラじゃない。」

「違う。それは、この子が、俺に用があるとここに来たんだがその内容を話してくれなかったから、何処かに・・」

「連れ込もうとした。

「違うだろぉ!!なわけねえだろ?」

「そうね。あなたがそんな度胸のある人ではないと思うし。」

じゃあ言うなよ。

などなど、少しの間、俺と零子はいいあいを続けえいると、

「おい、お前ら二人。そろそろいい加減にしろよ。」

とこんな状況でも無感情な無表情の大輝があいだに入り、ことを説明してくれた。もちろん俺は零子に固めを食らったまま。

「つまりだ。コイツが1年D組の霧咲透香っていって、こいつがさっきこの教室に来た。しかし、その要件を話してくれないから、困っていた。とりあえず場所を変えようとしたら、お前たちの登場。で大体わかったか。」

と、なんとも的確で簡単にこの状況を冷静に説明してくれた。大輝がいてくれてよかった。と本気で思う。

「なるほどね。あなたが言うのであれば信じましょう。」

などと、顎に手をつけながらふむふむ言っている。早くどいてくれという俺の要望は無視される。

それからしばらくして、やっと、俺の体が自由になる。

しかしというか、なんというか、零子の早とちりからなるこの、俺ほ痛めつけた事、コイツが謝るはずもなく。それもなんとなくわかっていた。

今回の零子の暴挙の謝罪文は、こんな言葉で済まされてしまった。


「あなたそういうキャラでしょ?」


誰がだ。誰が、そういうキャラだと?いつ、誰が、どこれ、どうやって、なんの理由でそんなことになった。俺は知らん。あとで制作の人にでも聞いてくれ。俺からはノーコメントだ。

きちんと謝ってくれよ。

「嫌よ。それにさっきから言っているように、あなたは受けで受け役でどんな肉体的攻撃を受けたとしても何も文句は言えないし言ってはいけない。そう決まっているの。」

誰が決めた。

「神様よ。それはあなたにはどうにもできないことだから諦めなさい。」

それに何故、文句が言えない?

「そういう役割だから。」

だからそれを誰が決めたんだ。

「私よ。」

「さっきと答えが違うだろ。そこはきちんと神様の流れで通しておけよ。それだとこっちもリアクションしずれえじゃねえか。」

「あら、そうね。では、あなたは家畜以下のゴミみたいな人間よ。”まるで人がゴミのようだ。”ならぬ、”まるであなたがゴミのようだ”!!!」

「そんな堂々というもんやぁねえだろ!?お前はム○カか!それに俺はゴミじゃねえ。って今はどうでもいいや。とりあえずもういいわ。もう謝らなくていいから。もうなにもしゃべるな。」

諦めた。駄目だこいつ。絶対に謝る気がない。もうどうしようもない。だから・・・諦めた。

「うふふ。面白い人。」

・・・・・・・



とそんなこんなで、俺は、今の今まで霧咲さんを置いてきぼりにしてることに気がつき自粛する。

これも、ダイキの助言のおかげである。誠に面目ない。

とりあえず、仕切り直しのために、どこか場所を移ろうといい場所を探していると雪風さんがなら文芸部室に行ったらと提案してくれた。のでそれに乗らせてもらう。なぜか。



そして、またもや冒頭の状況に舞い戻る。

外は大雨。女の子の周りには俺たち四人、ほかには誰もおらず、逃げるのは難しそう。って逃げる必要はないだろ。相談を持ちかけたのは彼女であるから。

またしばらくの沈黙。人も何かようがない限り来るはずのない場所なので足音はなく、ただ、雨の雫が落ちる音だけが響く中、彼女はその小さな口を開けた。


「あのぉ。実は私・・・落し物しちゃって・・・。あの・・・一緒に探してくれませんか?と思いまして・・・。」


優しく、しかしはっきりと、迷っている感じはしたが、まっすぐ、途切れ途切れに天使の声のような溶ける声で、そう言ったのを俺は確かに聞いた。聞いたはずだった。しかし、それから霧咲さんが何ひとつ喋ろうとしないため俺の聞き間違いじゃないだろうか?という疑問が頭に浮かんでしまったわけである。

それから少しの沈黙を空けてしまったのは少しまずかったんじゃかとも思ったがそうでもなかった。

こういう時ほど前に出たがるやつが今は俺たちと一緒に居るためであるのは言うまでもあるまい。

「そう。」

何がそう。だよ。

「それじゃああなたがこの変態に用があったというのは本当だったのね。」

って、そこからかよ。それに誰だよ。その変態ってのは。

「あなたに決まっているでしょ。ほかに誰がいるというの。それにね、今はそんな事はどうでもイイのよ。」

いや良くねえだろ。おい。せめて物を言うのであれば、少なくともそいつの目を見て言えや、こら。どっち見て言ってんだよ。

「そんなことはないわよ。ただあなたの目には変態光線というやつが常に放射されているらしくてね。それを目に入れると、自分さえも変態になってしまうという、ものすごく危険だと、通りすがりのAさんが教えてくれたわ。私は変態にはなりたくですから、その予防措置ですけど何か?」

無視無視。もういいや。こいつの言うことは、半分以上を聞き流してりゃあいいんだと俺はここでもう一度再確認する事とになった。が、ひとつかふたつか、誤解だけは解いておかなければあるまい。

なぜか?それは、もちろん雪風さん、今回は霧咲さんまでもが、それを聞いた瞬間に「え?!」とか「ウソ?!」とか「本当に?」とか、「私さっき合わせちゃった。」と言ってらっしゃるためである。それに加わるように、余計なことを零子が二人の耳元で何か、囁きやがった。おい、何二人にデタラメたらしこんでいやがるんだよ。

そんなおかげでというかなんというか、二人が少しの間俺の視線から外れるために、惹かれてしまった。それがものすごく、へこむ。

まぁ、しかしだ。そんなことを只聴いてるような奴は俺の親友には居まいと信じていた。案の定、大輝が二人にそんな光線は存在もしないし、俺の目からも出ていないから安心しろ、と説得してくれた。

二人もそれで納得したようで頷いてくれた。

は~。それでは本題の戻ろうではないか。で、どこまで話が進んだっけ?霧咲さんが俺に惚れているとか惚れてないとかっていう話だっけか。

「そんな話はしていないし、する気もないわ。あなたは本当に妄想スケベなのね。」

ああもういいよ。冗談に決まっているし、こいつのイラン付け足しはもうどうでもいい。次だ次。

やはりこんな時に先導してくれるのは、大輝だけだろう。やはりいいよお前。リーダーに向いてるんじゃね。

「すまない、霧咲。俺たちは、まだ良くお前の要件が把握しきれていないんだ。とりあえず、お前が何かを落とした。それを勇樹に探して欲しい。それでいいのか?」

大輝は、霧咲さんに厳しくはないが、優しくもない口調で平坦に言った。

「うん。」

霧咲さんはそれに、小さく応答。

「そうか。それでは、その落とした物とか、時期とか、落とした時の状況とかを教えてくれないか。それくらいわからないと、俺たち、特に勇樹でも探しようがないからな。」

そうだった。俺たちは、まだ霧咲さんの依頼内容を聞いてはいなかったな。さすがは大輝。聞くとこはきちんと聞いてんじゃん。

霧咲さんは、少し悩んでいる様子ではあった。がそれもつかの間の出来事であった。しかしそれは少し、耳を疑うような内容だった。

「実はですね。私・・その落とした物が・・・なんなのか、わらないんです。・・・ごめんなさい。落としたというか、無くなったというか、なんていうんでしょ。確かにあったはずのものが無くなったって感じがするんです。でもそれがなんのかは・・・ごめんなさい。わからないの。だから、いつそれがなくなったのかもわからないの。・・・気がついたらなくなってた。・・・・・私ってホントに何も知らないんですね。依頼しときながら。ごめんなさい。・・・・・・」

これには本当に耳を疑った。いや、霧咲さんの落としたものがわからないなってことに驚いてるんじゃないからな。決して。勘違いするなよ。俺は、今まで何を聞いても答えてくれなかった、霧咲さんが天使の産声のような声をものすごくたくさん聞かせてくれらからこその疑いである。決して、下心あってのことでもないのでご注意あれ。

んで。落としたものがわからないか~。どうしよう。それじゃあ探しっこないな。

「・・・あ、でも・・・今日の朝学校に居る時まではあったと思うの、・・・だから、あるとしたら学校かなって。・・・それぐらいしか。・・・ごめんなさい。」

ああ、全然いいんですよ。そんなに謝らなくても。大丈夫です。まだ、時間はありますし。

「大丈夫です。いまから、この五人で手分けして探せばきっと見つかるはずですから。霧咲さん。一緒に学校中を探しましょ?ね?」

と俺は、いっちょ前にも言ってやった。どうせ雪風さん以外のやつは暇なんだろうし、付きやってくれるよな。

それに、まだ、雨は弱まる気を知らないらしい。先程と全然様子は変わってはいなかった。

「本当ですか。ありがとうございます。」

と霧咲さんは微笑んで笑ってくれたし、ほかの連中は、顔を合わせながら、微笑んでいる。どうやら全員一致でこの件は手伝うことで可決されたようだ。

時刻は午後4時を回った頃。俺たちのはじめての依頼を遂行するべく行動は、始まった。


しかし俺は、その時気づくべきだった。先程から話し込んだり、黙った時間があったりと体感では最低でも三十分は話していたと思うのに、時計は俺たちがこの、東棟の元文芸部室に入ってきた時間から一秒も動いていなかったことに。しかしなんというか、その時はきっと浮かれていたのだ。だからこの小さな食い違いもきっと、気のせいで済まされてしまったのだろう。まぁ今更言ったところで遅いし、何か言うことで過去や未来が変わるはずもないので、それはもうここで打ち止めておこう。

さて、俺たちの探し物探索を始めよう。



てなわけで、俺たちの落とし物探しは、着々と言っていいほど、簡単に進んでいった。

結論から言わせてもらうと、探し物は結局見つからなかった、というオチである。オチをさっさと言っちまったのは、単に俺が面倒なだけである。

なぜならと言わなかろうと、俺たちは、学校中をあちこち歩き回ったわけである。

しかしそんな、重労働をしたにもかかわらず、コレといって探しものは、発見できなかったわけである。

全く、迷惑な話だとか、言ってやりたかったけども、相手が霧咲さんだし、それ以外のメンツは何を言ってもスルーするだけだろうから、やめておこう。せめてもの気休めとして、自分相手にでも言っておいておくか。

全く迷惑だなお前は。

とかまあいろいろと言ってやりたいことが山のようにあるんだが、そんな感想を俺が持つのも仕方がなかろうことを今から皆にもわかってもらいたいと思っているが、どうだろうか。

ただしだ。俺のアホみたいな脳みそを頼っても、わけのわからんことしか出てこんかもしれんが、まあ気にしないでいただきたい。

とか思っているとだんだん、話したくなくなってきたね。

だけれども、各スペースはまだまだたくさんあるわけで、天から聞こえる声に従わなくてはいけない、俺の無力に乾杯。なんてな。

とにかく、とりあえずは書いてやろうと思う。いまさらなんだが、「ならば書かなくてもいいだろ。」とかいう感想は言わないでいただきたいね。

しかしだな。書くのはいいが、それはあまりにも内容がありすぎるため、今度は逆に各スペースがなくなっちまうわけだし、俺もそこまで各自信がないわけだ。だから、俺の頭ん中に残っている、印象的だった場面を少しだけ。

まずは、俺たちが、元文芸部室を出てすぐのこと。


俺たちは、霧咲さんの落とし物を探すべく、とりあえずぞろぞろと歩いていた。

と、突然、霧咲さんが脚を止めたところがあった。

そこは、なんというか、少しだけほかの場所よりは、思い出の深い場所だった。そう、そこは・・・

「渡り廊下?」雪風さんの可愛げな疑問符である。

そうそこは、入学式、雪風さんと初めてふたりっきりになった場所である。それ以降もちょくちょくここを使うようにはなっていたが、今はそれどころではないな。うん。この話はまたいつかに。っと。

「・・・」

しかしながら、霧咲さんはというと、さっきからピクリとも動いていない。どうかしましたか?

俺が心配の目を向けていると、ふと霧咲さんは我に返ったかのように、しかし、そこにおは意外と近くに俺の顔があったためか、

「きゃぁ。」という悲鳴じみた声を少しだけして、すぐに、立ち直ってくれた。

そんな中、大輝は何もいはずに、無表情を決めこみ、零子はしらん。雪風さんは、それまで俺とおんじ様な顔をして、霧咲さんを見ていた。

「ごめんなさい。なんでもありません。それでは次に行きましょうか。」

と、流れるよに、まるで今まで時間が止まっていたのを今さっき時間凍結を解除したみたいに唐突に動き出していた。

霧咲さんは、スタスタと歩いて行って、もう廊下の角を曲がりそうである。それに続いて、大輝、零子、雪風さんの順についていく。

おれは、まだ、廊下につっ立っていた。はっと、我に返ることはなかったが、少しだけ、ほんの少しだけ、何か、違和感を感じた。

しかし、そんなもんは一瞬にして消えてしまったため、俺も気にしなくなってしまった。

そんなこんなで、俺もようやく歩き出した。ふと、見ると、雪風さんがこちらを見ながら少し先で待っていてくれた。ありがとうございます。

俺は駆け足で雪風さんに追いつき、二人ならんで前の三人衆に追いつきまた五人で学校探索をすることになる。

そんな俺たちの行動を、只、ひとつの紫陽花が見守る限りだった。



それから俺たちは、教室という教室を、片っ端りから、探しまくった。

ところで、俺たちがさがす物ってなんだっけか。

「それがわかれば苦労はしないですよね~。」という、笑い混じりの雪風さんの声が帰ってくるだけで、またもや大輝も、零子も何もいうことも無かった。珍しいのかわかりませんが、霧咲さんも無口だった。



探すものがわからない探し物なんて、どうやればいいんだってと言いたい気もするが、霧咲さんが直接相談してきたことでもあるし、学校にあるのは確からしいので、とりあえずさがすかという感じである。



俺たちは、それからもたくさん回ったな~。

んでもって、面倒いんで、そこらへんは飛ばしてもらいます。もし聞きたい人がいるのであれば、またいつか。今回は関係ないので。



つなぎや、引っ張りが下手くそですみませんM(_ _)m


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