表と裏
ささいなことで泣いて
もがいてあがいて
引っ掻いて情けなくなる
自分が嫌だった
いや、嫌なんてものじゃない
このまま深い谷底に
この人(自分)と一緒に
落ちるのじゃないか
という
おそろしさを長い間
抱えていた
誰にもいえないこと
言いようがないことで
勘弁してよ
勘弁してよ
と
泣いて唸ってうずくまって
いた
ヒリヒリと
そよ風さえ痛みの元になり
優しい音も鋭い刃だった
ささいなことで泣いて
唸ってうずくまるものを
思いきって裏返してみたら
ささいなことで泣いて
喜ぶ私がいて
たくさんの人の優しい思いを
心いっぱいに感じている
私がいた