表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憧れの元ヤンギャルママ(30)が可愛すぎる  作者: ナカジマ
第3章 家族という関係
78/100

第78話 年の瀬を初恋のお姉さんと

 12月31日、今日で今年1年が終わりを迎える。今日までの1年は、本当に色々な事があった。思いもよらない日々だった。

 順調だと思っていた恋愛は、4月に入るなり終わってしまった。意味も分からず意気消沈していた俺の前に、リサ姉が現れた。

 まさかの離婚という事実を知らされて、驚く事になった。人生何があるか分からないなと、改めて思い知った。

 それから2人で過ごすようになって、リサ姉で童貞を卒業した。まさかの展開で、異常に興奮したのを覚えている。

 初恋のお姉さんに、初体験をさせて貰えた。これ以上にない幸運だったと思った。それからまさかの、セフレという関係に発展。

 

 リサ姉とセックスをするようになって、傷の舐め合いが続いた。あれはあれで、意味のある関係だった。無意味ではなかったと思う。

 俺もリサ姉も、最初からお互いを好きだったのではない。俺は最初、憧れを拗らせていただけだった。好意ではあったと思うけど。

 リサ姉もまた、良く知っていた弟分だった筈だ。肉体関係を持ってからは、少し変わったらしいけど。でもそれだって交際までは行かなかった。

 そこへ高嶺(たかみね)部長の介入が始まって、まさかの2人目のセフレが出来る。高嶺部長は、リサ姉が俺の事を好きだと言って来た。

 最初は半信半疑だった。しかし本当なのかもしれないと思える事もあり、最終的には交際へと至った。今でも信じられないが。

 

 こうして思い返してみると、本当に信じられない事ばかり起きた。俺の人生は、どうなってしまったのだろうか?

 流石に来年は、今年以上のイベントなんて必要ない。もう十分過ぎる程に色々と起きた。そろそろ落ち着きたいところだ。

 余計な問題を抱えたくはない。来年から本格的に、妊活と結婚に向けた節約と貯金の日々が始まる。副業も始める予定だ。

 先ずは年明け一発目から、リサ姉の両親へ挨拶に行く。認めて貰えるのか、理解して頂けるのか。それはまだ分からない。


「なあ一輝かずき君、こっち観てエエかな?」


 暖房の効いた俺の家で、リサ姉と2人でベッドに寝転んでいる。朝からサブスクで海外ドラマを観ている。平和な大晦日を過ごしている。


「いいよ。俺もそれ、気になっていたから」


「ほなこれで」


 俺が持っているタブレットで、サブスクを2人でよく観ている。映画の時もあれば、流行りのアニメの時もある。

 最近はサブスクのお陰で、こうしたゆったりとした時間を過ごせる。出掛けるだけがデートではない。こんな日があっても良い。

 お金を使う時はちゃんと使うけれど、大晦日にあまり外出はしたくない。年末ぐらいは、のんびり過ごしたい。

 わざわざ海外旅行をする人達もいるけど、俺達はそこまでしたいとは思わない。そもそもリサ姉は、英語が苦手だしな。

 俺もペラペラ話せるかと言えば、そんな事はない。多少話せるけれど、翻訳なしで洋画を見られる領域にはいない。


「このスキンヘッドの俳優さん、ちょっと一輝君に似てると思うねんな」


 アメリカのドラマで主役をやっているガタイの良い男性と、俺が似ているとリサ姉は言う。そんなに似ているだろうか?


「体格の話? 俺こんなにイケメンじゃないよ」


「え~そうかなぁ? ウチはかっこええと思うけど」


 高嶺部長もだったけど、俺がどんな風に見えているのだろうか。どっちかと言えば、反社に居そうなタイプだと思うんだけど。

 顔がそっくりな父親なんて、警察官とは思えない人相をしている。あれは何人か殺している顔だ。少しマイルドにしたら俺の顔。

 そういうタイプが好きな女性も居るらしいけどね。一応これでも、実質3人の女性から評価して貰ったわけで。あ、中沢(なかざわ)さんも入れたら4人か。

 有難い評価ではあるけれど、生憎と俺は女子からモテる人生を歩んでいない。避けられる人生なら歩んで来たけど。初対面で泣かれた事もある。

 全員から毛嫌いされたわけじゃないけど、好意的だったのは体育会系の女子だけだった。大人しいタイプの女子は、露骨に怖がっていた。


「気持ちは嬉しいけど、俺は全然モテなかったからね」


「それが不思議なんやねんけどなぁ。もしかして、一輝君って結構鈍感やったりする?」


 それは……どうだろうか。リサ姉の好意に気づけなかったから、鋭くはないと思う。彩智(さち)の気持ちにも、気付いてなかった。

 うーん、これは……否定出来る要素が何もない。高嶺部長から狙われていた事も、全く分からなかった。俺、結構鈍感かもしれない。


「違う……とは言えないかな……」


「裏で泣く泣く諦めてた子、結構居るんとちゃうか?」


 そう、なのだろうか? もしそうだとするなら、悪い事をしてしまったかもしれない。俺が好意に気づけた可能性はかなり低い。

 俺はもしかして、結構悪い奴なのか? 好意に気付かず泣かせてしまっていたら。いやでも、そんなにいるかなぁ? いまいちピンと来ない。

 という思考自体が、鈍感という事なのか? ダメだ、全然分からない。女心は相変わらず難し過ぎる。精進が足りていないのだろう。


「……うん、ホンマに鈍感やったんやと思うわ」


「そ、そうなの?」

 

 あまり知りたくなかった現実。ラブコメ漫画の好意に全然気付かない主人公を見ると、イライラしてしまう。

 いやこれだけ女の子から好意を向けられて、気付かないのは有り得ないだろうって。どうしてそこで告白しないんだ! と思ってしまう。

 だけどどうやら、俺も大差なかったのかもしれない。結局女心を分かっていないのは、俺も同じだったわけだし。同族嫌悪なのかこれ?

 新年を迎えようという時に、悲しい真実を知る事になった。いや……むしろこれでいいのか。来年に持ち越さず、ここに捨てて行こう。

 どうせ俺が鈍感だとしても、今更関係がない話だ。俺はリサ姉以外の女性から、モテる必要性なんてないのだから。


「ほ、ほら、俺リサ姉の事なら何でも分かるし」


「……あんまフォローになってへんで」


 良いんだよこれで。他の女性には鈍感でも、リサ姉にだけ発揮しないなら問題ない。これからもリサ姉だけを見て生きて行こう。

 そんなやや残念な感じのする来年の抱負を掲げつつ、大晦日を2人で満喫する。夕方になり、2人で外出する。目的はただ1つだ。


「年越しラーメンかぁ。ウチはやった事なかったなぁ」


「大学の時に友達がさ、言い出してね」


 日本の文化、大晦日の年越し蕎麦。それを大学の時に年越し中華そばだと言い出した奴が居た。案外悪くないかもと、一度試してみた。

 これが案外悪くなくて、それ以来仲間内で年越しラーメンが定着した。結果俺も毎年、大晦日の夜にはラーメンを食べる事にしている。

 前もって31日の夜まで開いている、近所のラーメン屋を見つけてある。個人経営だけど、結構美味しそうだった。

 今時流行りの家系のラーメンではなく、昔ながらの中華そばという印象だ。でも案外そういう店程、結構美味いって事がある。

 長年それ一本でやって来れたという事は、それだけ味が美味しいという証明だ。不味いならとっくの潰れているだろう。


「ここだよリサ姉」


「へぇ~結構良い感じやんか」


 町の中華屋さんという、昭和を感じさせる味のある外観。真っ赤な屋根に、店名が書かれた年季の入った(のぼり)

 くすんだガラスケースには、食品サンプルのラーメンやチャーハン等が展示されている。入ってみると、趣と歴史を感じさせる風景が広がっている。

 常連客なのか、カウンターに座っている老人が店主を会話をしていた。多分奥さんかな? と思われる女性に席へ案内された。


 リサ姉と2人でメニューを眺めて、何を頼むか相談する。頼む物を決めた俺達は、再び店主の奥さんらしき女性を呼んで注文を済ませる。

 暫く雑談しながら待っていたら、頼んだノーマルの中華そばとチャーハンが到着した。リサ姉のチャーハンは小サイズだ。

 先ずはラーメンだろうと、熱々の麺とスープを味見する。思った以上に美味しくて、当たりを引いたと分かった。


「これは美味い」


「せやなぁ、エエやんこの味」


 新しく見つけた美味しい店で、リサ姉と年越しラーメンを食べた。来年はどんな1年になるのだろう。良い年になる事を祈るばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ