第49話 2人の美女と海水浴
遂にこの日が来てしまった。元々リサ姉と行くだけでも、かなりドキドキさせられる海水浴。
だがここに高嶺部長まで加わる事になり、3人で特急に乗って海までやって来た。駅を出れば晴れ渡る青空と、青い海が広がっている。
そして俺の左右には、2人の美女がいる。金髪ショートに小麦色の肌、ガッツリギャル系メイクで決めているリサ姉。
いつものように、デニム生地のショートパンツと、へそ出しチビTシャツのスタイルだ。肌色成分があまりに多い。
リサ姉とは真逆の真っ白い肌に、腰まである艶々の黒髪の持ち主であるクールな女性。堂々と立っている高嶺部長は、今日も凄くカッコイイ。
真っ赤なロングスカートに、白いブラウスが良く似合っている。高嶺部長の出掛ける時の姿は初めて見た。
リサ姉とはまた違った形で、大人の女性らしい魅力が出ていると思う。普段の落ち着いたイメージと、良くマッチしている。
まあその本性は超肉食の狩人なんだけどさ。現在は週3でしっかりと頂かれている。色々と勉強にもなっているけど。
「海なんて久しぶりやで」
「私も2年振りぐらいかしら」
2人の美女がいるお陰で、結構俺達は目立っている。どちらもモデルか芸能人じゃないかと、つい思ってしまうぐらい綺麗だからな。
注目を集めてしまうのも仕方ないだろう。リサ姉と居るだけでも大概注目されてしまうし。その分ナンパなどのリスクがある。
ビーチで悪ノリした大学生にでも絡まれないか心配だ。1人だけでも魅力的なのに、2人も居れば声ぐらい掛けたくもなるだろう。
特に今は夏休みシーズンだから、酒に酔った変な奴が好き放題している可能性は十分ある。俺が注意しておかないと。
今こそレンタル怖い人のように、悪い虫を寄り付けない徹底ガードが必要だ。俺がトイレなどで、一時的に離れた瞬間が一番不味いか。
「2人とも、ナンパには注意してね」
プライベートの時は、普通の話し方で良いと高嶺部長からは言われている。上司と部下であっても、会社を出ればセフレの関係だ。
セックスをしておいて、敬語もクソもないと言われたらその通りだし。何とか慣れて来たけど、オフでは雫さん呼びに変えている。
逆に会社でやらかしてしまわないか、今からドキドキしている。社内で名前呼びをしたら、関係がバレるかも知れない。
色んな意味で注目されている人だから、急に親密な雰囲気を見せたら疑われ兼ねない。良く注意しておく必要がある。
「流石に今回は大丈夫ちゃう? 若い子が一杯おるやろうし」
「私に声を掛ける勇気があるのなら、そこだけは評価してあげるわ」
それぞれ実に個性が出ているリアクションを返して来た。そういう事じゃないんだけどな。あと肉食な顔が出てますよ雫さん。
「いやあの……うん、俺が頑張るね」
どちらもあんまり気にして居なさそうだ。もうなるようになれ。ずっと話していても仕方ないから、3人でホテルへ向かう。
そこまで有名な海でもないから、3人での2泊3日に変更しても問題なく部屋が取れた。微妙な地方だからこそ融通が利く。
これが和歌山の白浜だとか、沖縄だったら厳しかっただろう。隠れた名所とまではいかない絶妙さに助けられた。
オーバーツーリズムなんて無縁な我が県は、そこそこ盛況程度の盛り上がりだ。俺としてはこれぐらいが丁度良い。
駅から出ている送迎バスに乗って、俺達はホテルへ移動する。もちろん部屋は1部屋しか取っていない。
到着したホテルの部屋は、結構広くて良い感じだ。眺めも良くて、ベランダから海を見る事が出来る。
夜にどうなってしまうのか、正直少し不安である。俺は明日、起き上がる事が出来るのだろうか。柔道の試合より緊張している。
雫さんがね、もう凄い積極的だからね。セックスが好きだと言うだけあって、搾り取られるという表現がピッタリだ。
あれはもうストレス解消なんてレベルではない。とにかく好きでやっていると、言動だけで伝わって来た。
「さあ! 早速行こうや海に!」
「元気ねぇ理沙。学生みたいよ」
親友というだけあって、2人はとても楽しそうにしている。リサ姉が笑ってくれていて嬉しい。俺が見たいのはこういう姿だ。
自分の事を卑下して、無理に笑っている姿じゃない。俺だけじゃこの空気感を作るのは難しい。雫さんが居てくれて良かった。
単に色んなテクニックや女心を学ぶだけでなく、リサ姉を楽しませるという点でも、大いに貢献してくれているから。
昔からの仲だからってのもあるんだろうけど。だけど俺はそれが嬉しい。この旅行で、一杯リサ姉を楽しませたい。
そしてもう一度、リサ姉に本気の恋をしたい。いきなりすぐは無理でも、切っ掛けになってくれたらいいかなと思っている。
どうも俺には、一度諦めてしまった影響が出ている。恋愛をする相手ではないという意識が、まだ強く残っているみたいだ。
だけどリサ姉が本当に俺を好きで居てくれるなら、こっちも応えてあげたい。かつて初恋をしたように、また恋をしたい。
今度は諦めずに、突き進みたいと思っている。だけどそれは、中途半端な気持ちじゃだめだ。とりあえず付き合うみたいな、軽い関係はダメだ。
それじゃあリサ姉も不安だろうし、俺だってまた失敗をするかも知れない。間違いなくリサ姉を愛していると、言えるぐらいじゃないと。
失敗した俺と、裏切られたリサ姉。俺達が抱えている問題の解決には、次のステップへ進む必要があるんだ。
傷の舐め合いから少し先へ進み、完治へ向けて歩んで行く。出来るかは分からないけど、やるだけやってみよう。
「ほなウチら洗面所で着替えるし、一輝君は部屋の方を使い」
「う、うん。分かった」
着替えを手に洗面所へ向かうリサ姉と雫さん。俺の横を通り過ぎるついでに、雫さんがボソッと耳打ちしていく。
「覗いても良いのよ?」
またしても雫さんが揶揄って来る。そんな無粋な真似はしないよ。正直見たいとは思うけれども。
だけどそれは夜にとっておく。そこまでしなくても、きっと見る事になるのだから。少なくとも雫さんは、そのつもりで居るだろう。
だって先日も、セフレとしての行為が終わった後に宣言していたから。夜も楽しみにしているからと。
ただそれよりも今は、2人の水着姿が楽しみだ。だって絶対に、魅力的だと決まっているから。役得というか、眼福というか。
こうして2人と海に来た以上は、一番近くで楽しませて貰っても良いだろう。今は俺だけの特権なのだから。
「お待たせ~~どう? 似合うてる?」
洗面所から出て来た2人の美女は、驚くほど扇情的な姿だった。リサ姉の水着は、試着を見ていたから知っている。
だけど改めて見ると、やっぱり惹かれてしまう。憧れのお姉さんは、ヒョウ柄のチューブトップとパレオの組み合わせ。
そして雫さんは、真っ直ぐストレートに真っ黒なビキニだ。クールな雰囲気と合わさって、もう芸術の域に達している。
こんな絵画があったとしても、俺は何の違和感もない。スタイルの良さが遺憾なく発揮されている。
もちろんリサ姉も負けていない。大きな胸に小麦色の肌、スラリとした体は何回見ても1児の母とは思えない。
「今、俺は10億円が当たったぐらいの幸運を感じているよ」
「大袈裟やなぁ~」
いや本当に、気持ちとしてはそれぐらいなんだよ。こんな幸運が俺の下に訪れるなんて、想像もしていなかったよ。
「素直に褒める所が一輝の美点よね」
「そ、そうかな?」
誰でもこんな状況になったら、褒める以外の行動を取れないと思うけれど。だって2人共、凄く魅力的だし。
この素晴らしさを表現するだけの、十分な語彙力が俺にはないのが悔やまれる。とりあえず最高だというのだけは間違いない。
2人の女神と共に、俺はこれから海水浴をするわけだ。思っていた以上の体験が、これから出来るかも知れないな。




