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憧れの元ヤンギャルママ(30)が可愛すぎる  作者: ナカジマ
第2章 親友と大人の関係
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第44話 魅惑的な上司

 勢いで高嶺(たかみね)部長とも関係を持ってしまった俺は、いざ会社に来てみると複雑な気分だ。

 クールで美人な上司の、かなりプライベートな部分を知っている。

 普段は見せない雰囲気と表情、特別な相手にしか見せない仕草を知っている。

 だけど今は仕事中だから、余計な事を考えてはいけない。業務に集中しないとミスをしかねない。


間島(まじま)君、今日は午後から新しい取引先に行くから、後で着いて来なさい」


「はい、分かりました」


 高嶺部長はというと、いつもと全く変化が見られない。俺はこんなにも動揺させられているのに。

 元々綺麗で魅力的だとは思っていたけど、肉体関係を持った事で更に女性として意識してしまう。

 昨日はあんなにもガッツリセックスをしたのに、高嶺部長は平常心を貫いている。

 午後から一緒に行動なんて、大丈夫だろうか。仕事に集中出来るとは思えないけど。

 俺にもっと女性経験があったら、こんな風に悩む事は無くなるのだろうか?


 モテる男性は余裕があるなんて聞くけど、この余裕の無さが駄目なのかな。

 だから俺は彼女にフラレたのか? セフレが1人増えたぐらい、スッと受け入れる包容力が必要なのだろうか?

 だけどセフレが居る男性なんて、彼氏にしたくないという女性も居る。正解が分からない。

 大学時代の友達にも相談してみたけど、真面目過ぎると返って来た。やっぱり俺がおかしいのか?


 中には2股3股をしているという奴も居る。それは流石にやばいと思うけど、案外そんなものか?

 世の中には複数人の異性と、関係を持つ人達が居る。男性女性に関わらず居る。

 この程度でいちいち思い悩む方が、間違っているのかな。実際高嶺部長は、気にしていないみたいだし。

 俺も気にせず普通に過ごしてみようかと思った。だけどそんな事は不可能だった。


「どうしたの間島君?」


「い、いえ。何でもないです」


 高嶺部長と2人で営業車に乗っている。すると勝手に昨日の光景が浮かんでしまう。

 セックスをするのが好きだと言わんばかりに、俺の前で乱れていた高嶺部長の姿が。

 リサ姉に負けない素晴らしいスタイル。柔らかな感触と、しっとりとした手に吸い付く肌。

 恍惚とした表情と、初めて聴いた高嶺部長の嬌声。昨日の今日で、忘れられる筈がない。


「昨日あれだけしたのに、もうしたいのかしら?」


「ちっちがっ!? そうじゃなくて!」


 変な誤解をされてしまった。またセックスをしたいと、言い出せずに居ると思われた。

 そうじゃなくて、ただ切り替えが出来ていないだけだ。仕事とプライベートの。


「あら? 一度抱いたらもう満足?」


「そうでもなくて! どうしても意識してしまうと言いますか……」


 必死で弁明する俺を、高嶺部長はクスクスと笑っている。もしかして揶揄われた?

 高嶺部長は楽しそうにしている。思っていたよりお茶目な人だと、昨日から思ってはいたけど。

 どうやらこの姿こそが、高嶺部長の本当の顔なのだろう。より魅力的に見えるから困る。


「俺で遊ばないで下さいよ」


「ごめんなさい。君があまりにも可愛い反応をするから」


 リサ姉と仲が良いのも納得だ。こういうところは良く似ている。ちょっと高嶺部長が可愛く見えた。

 もし俺が12年前に知り合っていたのが高嶺部長だったら、どうなっていたのだろうか。

 リサ姉ではなく、高嶺部長に初恋をしていた可能性はある。俺、やっぱり年上が好きなのか?


 リサ姉が特別なだけでなく、年上のお姉さん自体が好みなのかも知れない。

 高嶺部長に対して、リサ姉ほどではないが惹かれてはいる。好きという程ではないけれど。

 仲良くなりたいという気持ちは、以前よりも遥かに強くなっている。


「思ったより高嶺部長って、意地悪ですよね」


 高嶺部長も同じなのか、昨日から態度がかなり柔らかくなっている。


「ごめんなさい。私は間島君みたいな、可愛い年下が好きだからつい」


「……この顔を可愛いと言われましても」


 怖いなら散々言われて来た俺の顔。父親譲りのガタイと顔立ちを、高嶺部長は可愛いと感じるのか。

 分からないものだ。何もしていないのに、大人しい女子に泣かれた事すらあるのに。

 後で謝られたけど、あれは結構辛かった。そんなに怖がるような顔なのかと。

 今まで言われて来た事と180度違う感想に、俺は戸惑う事しか出来ない。


「間島君は可愛いわよ。理沙りさが好きになるのも分かるわ。弟に欲しいタイプね」


「弟、ですか……」


 今はもう違うと言われたけど、リサ姉も前までそう思っていたらしい。

 やっぱりそう見えるのかな。男性よりも、弟分の方がしっくり来ると。

 嫌われるよりは良いけれど、ちょっと複雑な気分になる。頼れる男性として、カッコイイと思われたいなぁ。

 怖いと泣かれるとよりは良いけど、そういう事じゃない。素直に評価されたいというか。


「もしかして気にしている? そう悪くないわよ弟って。年上と恋愛がしたいなら、可愛さって大切よ」


 そういうものなのか? どうもピンと来ない。可愛いという評価は男性としてダメな気がしてしまうけど。


「可愛げのある年下の男性が、必死になってくれるから良いのよ。年下と付き合うメリットはそこね」


「は、はぁ……」


 分からない世界だ。俺が年下に興味がないからかも知れないけど。色んな考え方があるんだな。

 カッコイイと判断されるだけが、良いとも限らないのか。複雑なんだな恋愛って。というか、女性の心理かな。

 それを学ぶ為にこうして、高嶺部長とも関係を持った。ピンと来なかったとしても、頭に入れておかないと。


「さあそろそろ到着するわよ。意識を切り替えてね」


「……分かりました」


 少々雑談を挟みはしたが、今は仕事の最中だ。恋愛の機微について考えるのは後回しだ。

 無い頭を使ったからか、高嶺部長への気まずさは和らいでいた。そのまま業務を順調にこなし、今日の業務を終わらせる。

 帰る準備を進めてから、高嶺部長へいつも通り挨拶をしようとした。集中が途切れてしまったからか、また少し意識してしまう。

 

「じゃ、じゃあ高嶺部長、お疲れ様でした」


「ああちょっと待って。少し良いかしら?」


 何だろうと思いながらも、俺は高嶺部長に着いて行く。今は使われていない会議室に2人で入室した。

 正直今の状態で、2人きりになるのはあまり嬉しくない。不躾な視線を向けないようにするだけでも大変だ。

 昨日の記憶が浮かびそうになるのを、どうにか堪えながら俺は高嶺部長と向き合う。


「はいこれ」


 高嶺部長は、ポケットから取り出した小さなカードを差し出している。何だろうこれ? ポイントカード?


「私の家の合鍵よ。渡しておいた方が楽でしょう?」


「えっ!? い、良いんですか? その、俺に預けて……」


 確かにセフレの関係となったわけだけど、だからって合鍵を渡して平気なのか? 女性の1人暮らしだよな?

 もちろん俺は悪用する気なんてないけど、不安に思わないのだろうか? そこまで俺を信用出来るのか?


「間島君の事はある程度知っているし、理沙も信頼している。そんな貴方が、変な事には使わないでしょう?」


「そ、それはもちろんですよ」


 高嶺部長に対して、悪事を働くつもりなんてない。そもそも理由がない。それならばと、俺はカードキーを手渡された。

 受け取るべきか悩んだけど、ここで拒否するのもどうか。せっかく信用してくれたのに、気持ちを裏切るのも悪い気がする。

 毎回オートロックを解除してするのも、面倒臭いというのもあるだろうし。預かるだけ預かっておくか。

 そう考えていたら、高嶺部長が俺の耳元で囁く。高嶺部長の良い匂いが俺を刺激する。


「ねぇ一輝(かずき)、私としたくなったら、いつでも来てね」


 それだけ言い残すと、高嶺部長は会議室を出て行った。今のは流石に卑怯だろう。昨日の光景が頭から離れなくなった。

 リサ姉とのセックスの質を向上する為に、今日も高嶺部長の家へ行くべきかという誘惑が俺を襲う。

 ただ流石にそれはどうなんだと悪魔の囁きを振り切って、どうにか俺は帰宅する事が出来た。

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