第37話 2人でショッピング
今回のリサ姉はあまりにも衝撃的で、思わず目を逸らしてしまった。
だってキャミソールの隙間から、ヒョウ柄のブラジャーがしっかりと見えていたから。
俺はどうにかして、見えていると指摘するのが精一杯だった。しかし俺がそう言うと、リサ姉は笑っていた。
どうやら見せブラという、わざと見せるブラジャーだったらしい。俺はそんなものがあるのかと、驚愕させられた。
「そっか~。一輝君ぐらいの世代は知らんのか」
「始めて見たよ。その……見せブラなんて」
見せる為のものとは言っても、やはりブラジャーである事には変わらない。つい視線が吸い寄せられる。
リサ姉の小麦色の肌と、豊満なバスト、そしてヒョウ柄の組み合わせはあまりにセクシーだ。
こんなの見せて良いのか? お金を払う必要があるレベルだろう。この溢れ出る魅力は。
「……そんな気に入るとは思わんかったわ」
「えっ!? あっ、ちがっ、その……」
恐ろしい吸引力に敗北していた俺は、何も言えなくなってしまう。気に入ったかどうかで言えば、最高としか言えない。
でもこれで外に行くと、凄い視線を集めそうだ。道行く数多の男性達からね。俺だってこんな女性が居たら、つい見てしまうだろう。
実際に意識を持って行かれているのだから。もう何度も一糸まとわぬ姿を見ているだけに余計と。
ただリサ姉の家の前でいつまでも、その素敵な胸部を見ているわけにはいかない。
「一輝君、こういう感じが好きなんや」
「う、うん。今好きになった」
今日この瞬間に、新たな扉を開かれた。黒ギャルお姉さんとヒョウ柄のコンボは凄い威力だ。二度と忘れられないと思う。
昔のリサ姉は子育て優先で、あまり派手な格好はしていなかった。だが今では会う度に、新しい一面を見せられている。
関係性が変わった事も合わさって、あまりにも刺激的で困る。何せ俺は、脱がす楽しみを知ってしまった。
この格好もまた、そういうタイミングになったらより刺激的だろう。今でも十分ヤバイけど。
「もう、買い物が先やで」
少し恥ずかしそうに、リサ姉がそう答えた。ただでさえセクシーさが爆発しているのに、可愛い反応までされると困る。
「そ、そうだよね……じゃあ行こうか」
移動を始めようとしたら、リサ姉はいつものように腕を絡めて来た。もう俺達は外でこうしているのが当たり前となった。
「ウチもその……一輝君の今日の格好、好きやで」
「あ……ありがとう」
色々と悩んだ甲斐があった。リサ姉が気に入ってくれたのなら、少なくとも隣に居る資格ぐらいはあるだろう。
リサ姉の趣味が悪いと、誤解される心配はないかな。いつもその点には気を付けている。どうやら今回も合格らしい。
この頃リサ姉は、こうして俺の服装を褒めてくれる。好みに合ったチョイスが出来ているのだろう。
初恋のお姉さんからこんな風に言われるなんて、光栄というほかない。素直に嬉しいと思える。
そんな最近増えて来たやり取りを挟みつつ、俺達はマンションを出て駅へと向かう。
「今日もあっついなぁ~」
「凄い熱気だよね」
暑いと言いながら、俺達はくっついたまま離れない。彩智は夏場にベタベタするのを嫌うタイプだった。
だからこんな風に、夏でも腕を組んでいた事は殆どない。色々と新鮮な気持ちだ。
暑いのにくっついてるのは辛くないのか? なんて思っていたかつての自分に言ってやりたい。
実に最高であると。俺が何も分かっていなかっただけだ。夏場でも触れ合っていたいと今は思う。
リサ姉のいい香りも漂っているし、柔らかい感触も味わえるし。多少の暑さなんて気にならない。
「駅着いたらジュース買わへん?」
リサ姉がそんな提案をして来る。30℃を超える熱気に包まれている以上、反対する理由なんてない。
「うん、そうしよう」
それからはスムーズに事が進んでいく。駅から電車に乗って、いつもの繫華街へと向かう。
電車を降りて駅から出れば、休日の繫華街が広がっている。地方都市とは言っても、人口はそれなりに多い。
沢山の人が街中を歩いている中を、リサ姉と共に歩いて行く。良く利用するデパートへ2人で入る。
「涼し~気持ちエエわぁ」
エアコンの良く聞いた店内は、外を歩いて来た俺達には天国に思える。リサ姉が胸元をパタパタと動かし、冷たい空気を衣服の中に取り込む。
その度に色々と見えそうで困ってしまう。だがここは2人きりの空間じゃない。鋼の意思で、見なかった事にする。
「とりあえず、何から買う?」
「ん~ほな、先に水着見てエエ?」
リサ姉の意見を採用し、先ずは水着を見に行く。リサ姉が言うには、7月に入ってからでは遅いらしい。
可愛い水着はもっと早い時期から販売が始まるそう。真夏になってからでは、良いデザインの水着が品切れしている可能性が上がるとか。
一番良いのは6月だと、リサ姉は言っていた。女性はファッション関係が複雑で大変そうだ。
男性は水着なんて、適当に買う人が殆どだろう。俺はあんまり気にした事が無い。大学の友人達もそうだったし。
水着売り場に着いた俺達は、先ずリサ姉の水着から選び始める。カラフルな水着が並んでいる。
ランジェリーショップと違い、水着売り場は開放的だからだろうか。一緒に着いていっても拒否感はあまりない。
「う~ん……一輝君はどれがエエと思う」
「え? そうだなぁ。やっぱりリサ姉はスタイルが良いから、ビキニタイプが似合うんじゃない?」
これは俺の下心から来るチョイスではない。あくまで素直な感想というか、事実に基づいた意見だ。
見たいか見たくないかで言えば、超見たいけど。ただリサ姉の水着姿は既に何度も見ている。
派手な水着姿は見ていないけど。知っているのは母親として、娘と一緒に遊ぶ為の水着だった。
だが今選らんでいるのは、母親としての水着じゃない。俺と2人で、海へ行く為のもの。
「じゃあ、こういうのとか?」
「う、う~ん……似合いそうだけど、絶対ナンパされると思う」
簡単に外れてしまいそうなチューブトップと、同じ柄のパレオ。ピンク色の生地に、ヒョウ柄が入っている。滅茶苦茶似合いそうだ。
ただなぁ、絶対に注目を集めるだろうな。ここまで来る間だって、沢山の視線がリサ姉に集中していた。
今は俺が居るから大丈夫だったけど、リサ姉1人だったら変なナンパに遭っていそうだ。
「え~そうかなぁ?」
「この前もされたじゃん。絶対俺から離れたらダメだよ」
行く前から起こりそうなトラブルが予想出来る。まあどんな水着を着ていたとしても、効果は変わらないだろうけど。
リサ姉は何を着ていても美しい。結局海へ行けば、ナンパの標的にされるだろう。
そんな事前対策も考えながら、俺達は買い物を済ませてデパートを出る。適当にウィンドショッピングをしつつカフェへ行く。
ある程度楽しんだら、俺達はホテル街へと向かう。いつもの定番コースであり、日が落ちるまで俺達は肌を重ねた。
今日は外食して帰ろうかという話になり、シャワーを浴びてからラブホテルを出る。
「どうする~今日はラーメンとかにしとく?」
「あ~自宅で美味しいラーメンは難しいからね」
腕を組んだ俺達がラブホテルから出た瞬間、思わぬ展開が待っていた。まさかの人物と、遭遇してしまった。
同じ土地に住んでいるのだから、いつかこうなっても不思議ではない。絶対に有り得ない展開とは言えない。
ただ俺としては、非常に気まずい状況だ。まさかのタイミングで、私服姿の高嶺部長が目の前に居る。
「あの……えっと、これは……」
どう弁明するべきか、俺は必死でない頭を使う。だがちょうど良い言葉が出て来ない。俺が固まっていると、更に予想外の展開へと発展した。
「雫やん! 1人で何してんの?」
「理沙? 貴女こそ、何をしてるの?」
まさかのお知り合いらしい。お隣の美女と、職場の美女はお互いを名前で呼び合っている。
俺が驚いている内に、2人はサクサク会話を進める。気付けば3人で夕食を食べる事が決まっていた。えっと……マジ?




