第3話 校内バトモン大会
タカシとのバトル後…転入生として紹介された私はチャンピオンの娘ということで、クラスメイトなどに囲まれ質問せめされた。
その後、私は授業中にバトルデヴァイスで検索しある記事を見つけていた…
チャンピオンコトリに認められた天才少女とそのセコンド…ジュニアチャンプミサキとアオバの2人が写っている記事を。
……私は授業を受けた。
放課後、私はクラスメイトとなったアオバに校内大会のことを聞いていた
アオバ「……というわけで、バトモンバトルの育成にも力を入れているこの学園では、月に1回全校生徒で1番強いトレーナーを決める校内大会が開催されてるの」
テンカ「なるほどね。ミサキさんはいつもそこで優勝していて、そしてこの校内大会が終わったらこの国のチャンピオンを目指す旅に出るんだね」
アオバ「そうなんだ!今回がミサキを打ち負かすラストチャンスなんだ…だから…!」
テンカ「……そうだね、チャンピオンの娘として挑まれたからにはその挑戦を受けるよ。それに、気になることもあるしね」
アオバ「やった!テンカ、ありがとう!」
テンカ「でも、今のままじゃミサキさんにバトモンバトルで勝てない…だからどこかでバトルできる場所なんかはないかな?」
ムゥ「練習相手を探すなら、バトステーションに行ったらいいと思うわ」
話を聞いていたムゥ教官が声をかけてきて
ムゥ「テンカさんは初心者だからな、そこのアオバにバトモンバトルの指南をしてもらうといい。こんなのでもセコンドだから、教えることに関してはその辺りの人たちより知識があるはずだからね」
アオバ「ちょっとムゥ教官、その言い方はどういう意味なんですか…」
ムゥ「知識があっても人としてはまだまだということよ。ここ最近は逃げられてばかりだろ、朝のヨシオみたいにな」
アオバ「うぐぅ!」
ペガシス「テンカ…なんだか遅くなりそうだから、バトルデヴァイスからコトリたちに連絡をいれておきなよ」
テンカ「そうだね、コトリ母さんたちにこのこと伝えとこうか」
そうして、私とアオバは学園をあとにするのだった……。
アオバに案内され、私はバトステーションにやってきた
アオバ「この街のバトステーションにステラトレーナーはいないけど、練習相手はたくさんいるよ」
テンカ「じゃあ声をかけて、見つかった相手とバトルを始めようか」
バトステーションにきているトレーナーたちとバトルをし…私はバトル初心者だからアオバに教えてもらいながら、他トレーナーと戦って戦闘経験を得てバトルに慣れていく…
そして休憩中、私はある事を聞いてみる
テンカ「そういえばだけど、ミサキさんとアオバの2人はコトリ母さんと面識があるみたいだね?」
アオバ「ええ、コトリさんに憧れてアオバはトレーナーになったからね…テンカには話しとかなきゃだったね」
……少し昔の話、まだミサキがトレーナーになる前…私とミサキはチャンピオンであるコトリさんの試合を見て、ファンになった私たち2人は試合後にコトリさんに会いに行って
少し幼いミサキとアオバ「コトリさん、握手してください!」
コトリさん…と、隣にはアイリスさんとスタッフの計3人がいた
「こら君たち、ここは関係者以外は…」
コトリ「ん、いいよ」
しゃがんで同じ目線となったコトリさんと私たちは握手する
少し幼いミサキ「ありがとうございます!私、将来はコトリさんみたいな最強トレーナーになります!」
アオバ「じゃあ、私がミサキちゃんのことを隣で支えるよ!」
コトリ「ん、2人の成長を楽しみにしてる。そうだ、この子をあなたにプレゼント」
ミサキのバトルデヴァイスに、小さなドラゴンのバトモンが送られてくる
アイリス「コトリ、名残惜しいけどそろそろ向かわないとだよ」
コトリ「ん、確かこの後はあの子に会う予定だったね。それじゃあね2人とも、また会える時を楽しみにしてる」
こうしてバトモンをもらったミサキはトレーナーとなった…。
その後…コトリさんにもらったバトモンを『完全体』まで育て頭角を表したミサキは、トレーナーになって以来その相棒と共に数多くの大会に参加して何度も優勝を果たしジュニアチャンプまで登り詰めた。
セコンドをしていた私は、ミサキを尊敬し慕っていた…んだけど…
ジュニアチャンプであることが周囲に妬みを買って、天才さまは良い御身分だのそのドラゴンが強いだけだろと言われ孤立して…
その為ミサキは自分自身の努力と強さを見せ付ける為に相棒を私に預けて、その相棒と距離を置いて1人で戦う事を選んで…
それでも元々実力が高く努力も続ける為、その後も負けなしの成績を誇っていた……。
アオバ「ミサキ負けず嫌いだから意地になって、自分の努力が認められなかったからその相棒を使わなくなった…だから今のミサキに勝って負かせば、あの頃みたいに2人は共に戦えるようになるって私は思ってて…」
テンカ「なるほど…でも本当にそうかな?」
アオバ「えっ」
テンカ「プライドは高そうだったけど、相手を格下と見て小馬鹿にするようなところまではいってなかったし…それにバトモンのせいにするようなタイプには見えなかったけど」
アオバ「……確かに昔からバトモンのせいにするの一度もなかったけど…じゃあなんで私に預けて1人で戦うことを選んで…」
テンカ「さあ、そこまでは。まあ真意はともかく、私が彼女を打ち負かして話し合いの機会を作ってあげる…だからアオバも1人で悩まず元気だしな、私に任せといて」
アオバ「テンカ…うん、ありがとね」
テンカ「さあそれじゃあ、私がミサキさんに勝てるようになるまで付き合ってよね」
そうして特訓は夜遅くまで続いた
私はこの時気づかなかったが…ペガシスによると、コトリ母さんとアイリス母さんがバトステーション来て遠くから見守っていたそうだ
そして翌日、校内バトモン大会当日…。
テンカ「さあ、私の1回戦の相手は…」
タカシ「俺だ!」
アオバ「なんだタカシか、なら楽勝ね」
ミサキの取り巻き②「へへ…今度はそう簡単にはいかないと思うぜ」
アオバ「何よ、その自信は」
タカシ「2人で特訓したからな…今度は負けないぜ、さあ勝負だ!」
ペガシス「すごい自信ね」
テンカ「ええ、今度は油断も慢心もなさそう」
ムゥ「それでは一回戦、始めなさい」
テンカ「バトルカード ソード セット・イン!」
自信満々のタカシとカッチマンに対して、私とペガシスは先制で攻撃を仕掛けてみる
タカシ「耐えろカッチマン!バトルカード バリア セットイン!」
その攻撃をカッチマンは防ぎ、そのまま防御の体勢を取り続ける
タカシ(焦るな俺…攻撃のチャンスを見極めろ…!)
テンカ「ペガシス、そのまま攻め続けなさい」
私の指示通りペガシスはソードを振るい攻撃を続け、カッチマンは守っている
やがてバリアの耐久力を突破し、バリアが砕け散ったところを畳み掛けようとする…
タカシ「今だ!必殺のカッチパンチ!」
カッチマン「任せろ!うぉおおおっ!」
ペガシス「っ…!」
カッチマンたちは見極めてカウンターしてきて…私たちは攻撃ごと押し返され、纏ったソードのエネルギーは砕かれ吹き飛ばされる
タカシ「ははは!どうだ!」
ペガシス「やるわね」
テンカ「ふふ…パワーではそちらが上のようだね、だけどそれだけじゃ私には勝てないよ」
戦いは続き、私は再びバトルカードを使おうとして…
テンカ「ソード セットっーー」
タカシ「もらった!もう一度カッチパンチ!」
その攻撃に合わせて、カッチマンは必殺技を発動する…
テンカ「ペガシス躱わしなさい」
ペガシス「よっ」
私の指示でペガシスはその攻撃を紙一重で躱わし、タイミング通り相手のふところまで飛び込むことができた
タカシ「なんだと!?」
テンカ「バトルカード ソード セット・イン!」
カッチマン「ぬぉおおっ!」
そのままソードでカッチマンのお腹を攻撃し、カッチマンは地面に倒れてKOされた
ムゥ「へぇ…まさか『バトモンの攻撃を見てからそれを見切って指示を出すとはね…バトモンの素早い動きについていける動体視力と反射神経をトレーナーが持っている』…彼女は生身でバトモン並みの戦闘能力を秘めているみたいね」
アオバ「はい、ですがそれだけじゃないです…テンカのその指示に的確に応えているペガシスもすごいですよ、昨日何度もバトル重ねてコンビネーション経験値を積んだとはいえ」
ムゥ「そうだな。そしてあえて同じ攻撃を続けることで、慣れたところを行動パターンを変えて相手の隙をつき、さらに相手の突っ込んでくるパワーを利用して攻撃の威力を上げた最後の一撃…オペレーションも完璧だった」
……。
創造神「危険な任務に出る騎士の娘としてその姿を見て育ったテンカは、自身も昔からずっと剣の稽古をして生身も鍛えてますから当然です」
破壊神「バトモンの攻撃を確実に眼で追えて、敵の動きが見えてるから確実な対処できるわけですね」
……。
タカシ「……。」
ムゥ「勝負ありよ」
テンカ「いい勝負だった、ありがとう」
タカシ「……昨日は悪かった…あれはまぐれなんかじゃなかった、お前は俺より強かったのを認める」
今度はちゃんと手を取り握手するタカシ
タカシ「ミサキさんが負けるところは想像できねーが、まあ頑張れよ」
そうして取り巻き②と去って行くタカシ
アオバ「……タカシたちって意外と悪い奴ではなかったのね」
ムゥ「そういうこと。お前はミサキのことばかり考えすぎて、周りが見えてなかったってことよ」
アオバ「うん…反省する」
テンカ「まあ気付けたのだから、それを糧にして次に活かしてけばいいと思うよ」
ペガシス「さあ、このまま蹴散らしていくわよ」
そうして私たちは勝ち上がっていき、決勝戦へとコマを進めて……。