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神の罪  作者: 霊魂のミタマ
1/4

神の存在

貴方は神を信じるだろうか?

 この質問に対しYESと答える人と、NOと答える人はほぼ同じ人数だと言えるだろう。

 もちろん、どちらが正しいかなど判断する方法はない。

だが、一人の人間である私の意見としては「神は存在する」と考えている。

 しかし、多くの人が思っている神と私が考えている神とは少し違うのではないのかと私は思う。

 私の思う神は、実はその人もただの人として生き、誰も知らないところで神として平和をまもっているのではないか。

 そして、そんな神の存在がこの世界に明らかになってしまった時信じる人は決して多くはないだろう。

 また、神の「役目」について知ってしまった時には……

 ――

「はぁ……」

少年は疲れを吐き出すようなため息を吐いた。

その少年の名は「紅炎」といい、現在小学5年生で普通の少年だ。

そんな紅炎は、今日はプリントの直しなどで居残りをしていたのだ。

10分ほどで終わるだろうと思っていたのだが30分以上かかってしまって想像以上の疲労感を感じていた。

 今まで溜めてしまっていたことを後悔しながら

「……帰ったら仮眠取るか」

 と呟いた。

そして、正門に向かって歩いて行き、体育館の前を通り抜けようとしたところで急に目の前に太陽のように明るい玉のようなものが出てきた。

その玉はほんの数秒経つとすぐに消滅した。

「一体なんだったんだよ」

紅炎はその光のことについて考えても状況を理解することができなかった。

 そして紅炎は、疲れによる幻が見えたのだろうと考え、早く家に帰って休むため少し早く歩いた。

だが、その光が消えて数十秒ほど経った時だろうか。

声が聞こえて来る。

「おいそこの少年よ」

紅炎は進んでいた足を止めた。

「は?」

聞き覚えのない声が背後から聞こえてきた。

後ろを振り返るとそこには髭の生えた、老人が立っていた。

 そして、その老人は紅炎の元へ少しずつ近づいてきたので、紅炎は不審者の可能性を考え、少し後退りした。

「ワシの代わりに「神」になってはくれぬか?」

紅炎は思いもよらぬ老人の一言によって思わず苦笑いを浮かべてしまった。

「君ならきっと凄い神になれる。」

 紅炎はさらに少し後ろに下がった。

 (神?何を言ってるんだ。そんなものは存在しないし、俺を神にする?意味がわからない)

紅炎は昔から存在を証明できないものは信じないようにしてきた。

恐竜などのような化石として残っているものは信じたが、神などのように存在の証明をしようがないものには一切の興味を持たず、存在すらも否定している。

そして、今はその存在を否定している「神」という存在に自分がならないかと見たこともない老人に問われている。

(この老人は頭がおかしいのか?)と心の中で思いながらも言葉にはしなかった。

「ワシのことを頭のおかしい老人だと思ったじゃろ?」

「……は?!」

紅炎の考えは老人に読まれていた。

「どうして……」

老人は少し微笑みながら

「これも神の力と言ったら信じるか?」

 と両手を広げて問いかけてくる。

「……」

 今、紅炎は焦りを感じている。

 だが、よくわからない焦りである。

 まるで、自分に神の存在を肯定させられているようだ。

紅炎は信じたく無い気持ちがあるのだが、さっきの出来事は自分でも感じたことのない不思議な感覚だった。

メンタリストなどの相手の心を読むことができる人などは基本相手の行動や目線などの情報から読み取る事が基本だ。

だが、紅炎は感情を行動に出したりなどは昔からしないように意識している。

何か強盗などに巻き込まれた時に相手に自分の感情を読み取られ、どういう行動をしようとしているかなどをバレるのは良くないと思っているからだ。

 さらに、何を考えているのかが分からないというのは少しかっこいいと思っていたからである。

そんな紅炎の心が読まれると言うことはこの老人が只者ではないことは明確だ。

「あなたは一体……?」

「さっきから言っとる通り「神」じゃよ。お主が実在しないと思ってる存在じゃ」

「では仮にあなたが「神」だとしましょう。何故本当の神がこんなふうにいてニュースなどにならないのですか?」

紅炎は大きなため息をついたあと少し間を空け質問した。

正直なんと言われようとこの老人を神と認めるつもりはなかった。

「うーむ」

紅炎はこの老人にはこの質問の回答は返せないと思っていた。

 だが、「それは、お主を含め人間には神が見えないからじゃな。」という呆れるような回答が返ってきた。

「へー、俺には見えるんですね。」

「それはお主に神になる誘いをしに来たからじゃ。」

「なんで俺なんだよ……というか俺が凄い「神」になるってのもその力でわかったのか?」

「いや、ほとんどわしの勘じゃ」

紅炎は呆れつつ老人の話を聞いていた。

「なんだその当てにもならない勘は。残念ながら俺は強い人間じゃないです。どっか行ってください。大人を呼びますよ?」

「老人の勘をあまり馬鹿にしないほうがよいぞ。結構当たるもんじゃからな。」

「……分かりましたよ。早く帰りたいのでさっさとその「神」に出来るもんならしてください。」

「いいのか?!」

「なんですかその反応……あなたが言い始めたんじゃないですか。」

「そうじゃがのう。まさか認めてくれるとは!」

「早くして!」

「それじゃ行くぞ!」

紅炎はこの老人に自分を神などと言う存在にする力は無いと思っていた。

そして、何よりこの日は居残りした後の帰りなのでとても疲れている。

なので、どうせ疲れで自分はおかしくなってしまったのだと思った。

そして、紅炎は謎の光に包まれ気を失った。

この一日によって彼は人生……いや、宇宙全体の分岐点を変えたと言えるだろう。

「神」という存在には力がある。だが、その「神」が元々は人だったとしたきっと……


 この物語は、これからを変えていくはずだ。しかし

 、きっといつか、終わりを迎えると、ここは忘れられ

 て、みんなの記憶には残らない。物語というものは終わ

ったら、いつ、消えてしまうのかは、、私にも分からない。

 

 



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