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⑫ スナク新政権は対中姿勢に注目/孔子学院について

質問者:イギリスの話に戻りますが、新しく首相になったスナク首相についてはどうなのでしょうか?



筆者:リス・スナク新首相についてですが、まずは緊縮派の財務大臣だったと言うことでも有名ですよね。


 しかし、インフレが進行しつつあり、リセッションが起きているかもしれない状況の中財政再建もしなくてはいけないとなると、非常に困難な舵取りを迫られるでしょう。 

 今の経済状態で緊縮財政を行うと一気に経済が崩れ去る可能性がありますからね。


 それより懸念すべきところはスナク首相はトラス前首相が早期に退陣したために、

保守党の党首選を簡略化した制度に基づき、他に対抗馬が出なかったことによる無投票での選出となりました。


 そのために、国民から選ばれた感じがあまりしないことから、またしても短命で終わってしまうと言った懸念があります。

 スナク首相が早期退陣となってしまうと更なる政治不信が起きてしまい政治の混乱を発生させてしまう可能性があります。



質問者:スナク新首相はあまり人気が無いんですか?



筆者:スナク首相はかなりお金持ちの家庭のようなんですね。

 どうやら、奥さんのお父さんの家系が非常にお金持ちで妻の財産と自身の投資家として成した財は、合わせて1230億円余り。これは、イギリスのチャールズ国王の財産(約740億円)よりも高く、今年のイギリスの長者番付の222位にランクインしているようです。


 更に奥さんには節税によりイギリスに納税していないという話もあります。

ロイター22年4月8日の

『スナク英財務相、インド人妻の納税免除への批判に反論』によりますと、

『同氏の妻、アクシャタ・マーシー氏は、インドのITサービス大手インフォシスの共同創業者ナラヤナ・マーシー氏の娘で、英国で非定住者として登録している。

 

 このため海外での所得については英国で納税義務がなく、インフォシスの株式約0.93%を保有しているが、配当金に対して税金を支払っていない。

 スナク氏はサン紙のインタビューで、マーシー氏が母国を愛しており、いずれ帰国して両親の面倒を見るつもりだと指摘。「英国で得た収入は英国で納税している。インドなど海外での所得についても全て税金を支払っている」と述べた。


 非定住者制度は海外で多くの収入を得ている富裕層に有利として批判の的になっている。野党はマーシー氏の税申告は合法としながらも、スナク氏が増税を推し進めていることを踏まえると、道徳的に正しいかは疑問だとしている。』


 奥さんはイギリスで納税していない。その上で増税を財務大臣時代に行っているので、非常に評判が悪いのです。



質問者:確かに、お金持ちなら増税より前にまずあなたがイギリスに納税して下さいって話になりますものね……。



筆者:ちなみに総選挙は解散などをしなければ2025年初頭のようなので、メンタルが強ければそこまで耐えると言うことも可能かもしれません。

 自分が思った信念を貫き通せるかがカギになりそうですね。



質問者:その他にはスナク首相について何か懸念点は無いのですか?



筆者:対中姿勢が懸念されています。


 スナク首相は過去には、英国の安全が守られている限り、中国との経済関係を重視するという発言もあったようです。


 また、財務大臣に就任したハント氏は妻が中国系であり国防費を減らすと言った決断をする可能性があります。

ウクライナに関して予算を削ることは難しいと思うので財政に関して中国寄りの姿勢が懸念されます。


 具体的にはアジア太平洋方面の予算が削られる可能性あるので日本との軍用機の共同研究などが滞る可能性があります。



質問者:イギリスの対中姿勢に関しては日本にも直接に関わってきそうですから注目ですね……。



筆者:アメリカの対中包囲網に応じなければ破滅する可能性すらありますからね。


 ただ、スナク首相に関しては7月にトラス前首相との党首選に言われていたことが注目されます。

その際には「イギリスに30か所ある孔子学院をすべて閉鎖」ということを公約にしていました。

これが実行できるかどうかが一つの試金石になるかなと思いますね。



質問者:あの……孔子学院って聞いたことはありますが具体的にはどう危ないのですか?



筆者:ちなみに日本にも15か所大学に存在しているようなのですが、表向きでは良い事を書いてあります。


 例えば武蔵野大学での孔子学院とは? によりますと、

『孔子学院は、中国語と中国文化の教育を通じて、世界各国との相互理解と友好関係を促進し、継続的な世界平和と相互発展への貢献を目的とする機関です。』となっています。



 しかし、朝日新聞デジタル 2019年6月8日『米国がおびえる孔子学院、次々と閉鎖「中国の支配下に」』という記事によりますと、

『全米学者協会(NAS)によると、閉鎖を決めたのは14~16年は3校だったが、17年は3校、18年は8校と急増。19年は6月現在で10校に上る。背景には「中国は米国の知的財産を盗んでいる」という批判が高まり、孔子学院を「国家安全保障の脅威」とみる事情がある。


 米上院常設調査小委員会は2月に出した報告書で、中国政府は06年以来、100以上の米国の学校に1億5800万ドル(約173億円)を提供し、孔子学院に派遣される中国人講師は「中国の国益を害する行為に関与すれば契約を打ち切る」とする誓約書に署名していると指摘。』


 とあります。このように孔子学院は全世界にあるようなのです。

 しかし、アメリカでは既に知的財産を盗み出し、スパイ機関とも認定しているという話もあります。国家安全保障上の問題があるとしてアメリカでは孔子学院は続々と閉鎖されているようなのですね。



質問者:なるほど……それをイギリス国内にある孔子学院を全て閉鎖するというのはインパクトがありますね。



筆者:仮に親中だとするならあり得ない行動ですし、対中国への姿勢を強めるためにも是非とも実施して欲しいと思います。



質問者:その他にイギリスで何か問題はあるのでしょうか?



筆者:エリザベス女王が崩御された際にイギリスの君主制が今後どうなるのか? と言われていることもあります。


9月12日付ロイターの記事では

『昨年実施された世論調査では「チャールズ皇太子が良い国王になる」と回答した国民は3分の1にすぎなかった。英国で王室廃止の機運が盛り上がり、英連邦諸国が反乱を起こす可能性も指摘され始めている』


 という記事もありました。過去にダイアナ妃の事件のこともありましたし、あまり国民からの心証がよろしく無いようです。



質問者:なるほど、イギリスはすぐには崩壊しなさそうですが、長期的に見たら多くの問題が山積しているんですね……。



筆者:まぁ、それは日本も全く同じことが言えるんですけどね(笑)。


 さて、次に4月末の僕のエッセイで書いた“食糧危機”について現在はどういう状況なのかについて見ていこうと思います。

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