くちびると夜
心には鉄の扉が閉まっている、だれにもみせない牢獄である
人生のさいごに悔いがあってもなお正々堂々死ねればしあわせ
すごいのは愛の言葉に照れた夜に世界を綺麗と云いきるくちびる
背中には翼がないって知っているそれでも君を天使と呼ぶんだ
救えずに伸ばした両手が罪の実をしっかり掴んでただ夜になる
からまった緑の蔦が音もなくけがれた心を締めつけつづける
幸福になりたいという星たちが流れ落ちてる街の酒場に
くれないの火に燃やされる悲しみを数えて一歩前へ進める
知っている生きていることが尊いとあの日あいつに教えられたし
ただここに生きているのが嬉しいと泣きたい嘘でもつきとおす夜
なぁ空にいるならいるで神さまよせめて優しい悪も認めろ