初めてのお泊り♪
さて、あれから2年が経ち、二人は卒業を迎えます。
今回の語り部は田中さんです。(*^。^*)
今回は“田中さん”視点です。
「早咲きの桜を見に行きたい」
今年のホワイトデーはお互いの進路の事もあり、サプライズじゃなくリクエストを聞いてきた和田くんに私はこう、リクエストした。
これが無理難題だとは、その時私は知らなかった。
調べてみたら3月14日頃には“サクラチル”で……満開に合わせて旅行の日程を前倒しにするしかなかった。
「これはもう背水の陣だな」と和田くんが挑んだ大学の合格発表が6日
しかも卒業式の当日。
早咲き桜を見るための……初めてのお泊り旅行の出発日をその日と決めた。
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さて、卒業式が終わって先生から朗報を聞いた和田くんは、いかんなく人徳を発揮して、高校最後のイベントをきれいに“額”に納めた。
その一番最後の締めくくりは、私の手をす~っと取って
皆の拍手に送られて「お先に」と校門を出たのだ。
お母さんが車を回して来てくれて
助手席には和田くんのお母さん。
後部座席に私と和田くん
って乗り込んだ。
で、向かうのは和田くんのお家
旅行カバンや着替えを置いてもらっていた。
私はそこでケーブルデザインのニットとスキニーパンツに着替え、ちょっとオトナめな春物トレンチを羽織ってフリンジストールを巻く。
そして左の薬指にはこの間、和田くんと買ったペアリング……
思い返せば約2年前、
あのホワイトデーの夜
ウチのお母さんに
「和田くんに告られた」
とつぶやいたら
スマホをもぎ取られ、ソッコーで電話を掛けられた。
そこから母同士も大の仲良しになった。
その“二人の母”に取り囲まれ
なにやら“箱”を渡された和田くんは
真っ赤になった。
そんな和田くんを二人は思いっきりいじり倒して
ようやく私に返してくれた。
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川沿いの桜並木のトンネルを二人で歩く。
人とすれ違うたびに腕に摑まっている私をガードしてくれる和田くん…
気負いがなくってとても素敵。
こんな“喪女、腐女子”な私には本当に過ぎた人だ。
お母さん曰く『金の草鞋で尋ねる』レベルだそうだ。
その話を和田くんにすると、カレ、すごくマジメな顔で
「オレも同じ事、ウチの母に言われた。『あんなコはお前には二度と現れない』って」
なんて……カレは言ってくれたけど……
いいのかなあ……
私なんかで……
私は……
『オトコの子の胸ボッチ問題』が今夜こそ完全解決できると目論んでいる
腐女子ですゾ
他にも色々と……
興味深々で
ネタ探しをしようと思っている。
でもね、
「いい加減、『和田くん』はないよね…
二人きりの部屋で……カレの事、なんて呼ぼう…
『アナタ』は……まずないけど……
『ヨシマサくん』?
それとも『芳政』??
うわっ!! 恥ず!!」
なんて顔を赤らめているのも事実だから……
許してね
ヨシマサ!♡
。。。。。。。。。
イラストです。
千景さん
春色に彩色してみました(#^.^#)
このふたりのお話しは書いていて本当に楽しいので、思いついたらまた書き足したいと思います。( *´艸`)