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36話 下級戦士

本日もよろしくお願いします。

前日も更新していますので見ていない方はそちらも見ていただけたら嬉しいです。

 ポーラ達が戦う少し前、ビューテの花が咲いている山の麓で討伐任務を受けているパーティーの一つが探索していた。

 ハドリー、テリー、パメラ、二コラの四人である。

 彼らは皆中級者として認められる緑の等級であり陣形も常に意識しているようで一番前から斥候の二コラ、戦士のハドリー、魔法使いのパメラ、戦士のテリーと並んでいる。

 昼間で森になっているとは言え日差しが地面に届く森は視界も良好で目立つ敵なら直ぐに分かる。


 「最近は同じ場所で戦って飽きちゃうわぁ。」


 「確かにね。」


 ウンザリするパメラに同調する二コラだが彼女は正面と左右を警戒しながら歩き続ける。


 「スタンピードじゃないだけマシだろ?」


 ハドリーの言葉にパメラは首を振る。


 「そうじゃなくて、別の場所で依頼を受けたいってこと。偶には違う景色とかご飯を食べたいし。」


 「近隣の村も管轄内だから行こうと思えば行けるだろ?」


 「村の依頼だとあんまり報酬がもらえないじゃない。」


 「贅沢な悩みだな。」


 「こう言うときだから余計に思っちゃうのよ。」


 「まぁ、落ち着いたら付き合ってやるよ。」


 ハドリーも何となくはパメラの気持ちが分かったらしい。


 「そういやこの山ってジェイソンが落ちた穴の近くだよな?」


 後方で警戒しているテリーが思い出したように言うと二コラが返事をする。


 「裏側だと思いますよ。山を挟んで町の反対側。そこまで行かなければそもそも落ちることはないです。」


 「でも実際に行くんだろう?」


 「まぁ、依頼ですからねぇ。」


 山にいるモンスターの討伐依頼は主に町から出される。

 基本的には行き来する人達が襲われないように予め間引きする意味合いが強い。

 あとは山の資源をモンスター達に荒らされないように退けたり、数を減らす。

 最近の討伐依頼の大半はこの町の防衛を意識しており、最近増えていると言う話を含めて進めている。


 「皆!戦闘準備!」


 戦闘の二コラが緊張した声で全員に伝える。

 周辺の茂みや木々が揺れる。

 ハドリーとテリーは腰の剣を抜剣して構え、パメラは何時でも魔法を放てるように構えた。

 二コラも腰の短剣を構える。


 「Wgggggggq!」


 唸り声が響く。

 同時にその姿を現す、体長は一メートルほど、腹は白くそれ以外は緑の体毛で細身なネコ型のモンスターはレダリスと呼ばれている。

 その数は五匹。

 三匹は茂みをかき分けて迫り、二匹は別々に登っている木で様子見。

 一匹目は一番前に居る二コラへ狙いを定めた。

 それに気が付いた二コラは左に離れてレダリスを迎え撃つ・・・と思いきや華麗に躱す。

 後方へ着地したレダリスは直ぐに身を翻し二コラへ襲い掛かる。


 「させるか!」


 しかし、ハドリーがレダリスの背後から剣で斬り付けた。


 「Nyaaaaaaa!?」


 背後からの攻撃に怯んだところへもう一撃。

 強力な攻撃を受けてレダリスは直ぐに動かなくなる。


 「ありがと!」


 「当然だ!」


 二コラはお礼を言いながら他の二匹を引き付けて攻撃を躱す。

 レダリスの爪は毒が出るようになっていて引っ掻かれると時間をかけて体が動かなくなる。

 一方でレダリス自身は毒に対する免疫があるため同種で争っても毒で決着が着かない。

 その毒を知らなければ無鉄砲に攻撃したときに引っ掻かれやすくなるが、知っていれば冷静に躱しながら攻撃を加えることで対処できる。

 言うは易し、するは難しだがそれをやってのけるのが彼等冒険者達だ。

 二匹のレダリスの攻撃を捌く二コラだが一匹の飛び掛かりを避けた直後にもう一匹が襲い掛かる。

 その一匹に透かさずハドリーは入り込んで剣を振り上げて後方へ飛ばした。

 顔面に切り傷が出来ても戦意を失っていない。

 それでも躊躇はしたのか直ぐに動かない。


 「次はこっちだな!」


 別の一匹が前両足を伸ばして引っ掻こうとする。


 「このっ!」


 二コラは真上に跳躍。

 それに合わせてレダリスも同じタイミングで飛ぼうとした。


 「おりゃっ!」


 レダリスの正面には剣を右に構えたハドリーが思いっきり振り回す。

 ブンッ

 重い音と共にレダリスの前両足を切り裂いた!

 それだけでなく顔半分も切り分けて刃は最後まで振り抜かれた。

 脚と頭半分を失ったレダリスはそのまま正面から地面に落ちる。

 赤い血が地面に広がるが誰もそれを気にしない。


 「Grrrrrrrnyaaaaaa!」


 顔面を傷つけられたレダリスが二人の隙を突いて襲い掛かる。


 「ウォーターボール!」


 後ろに控えていたパメラがタイミングを見計らって水の球を打ち出す。

 二人に襲い掛かろうと地面を駆け抜けたレダリスの左側から見事水の球が当たる。

 水の球に巻き込まれレダリスが数メートル先へ吹き飛んだ。

 奥の木に打ち付けられレダリスの体に衝撃が伝わる。

 更にハドリーが追い打ちを掛けて腹を見せたレダリスに叩き込む。

 三匹目を仕留めて残りは二匹。

 木の上に二匹がまだ居る。

 襲い掛かってきても対応できるようにすぐさま四人は陣形を立て直した。

 レダリス達が四人を見つめていた。

 しかし、彼らは顔を別の方へ向けた。

 頭の上に付いた三角の耳を何度も動かしている。


 「どうしたんだ?」


 テリーが(いぶか)しむように三人も同じ様に感じている。

 しばらく様子を観ていたら二匹のレダリスが四人を放置して木の上から別の木の上を飛び移ってこの場を離れた。


 「逃げるのか!?」


 ハドリーが追いかけようとしたがパメラに止められる。


 「足元の悪い場所で追いかけるのは分が悪いわ。それに逃げる方角は町の方じゃないし一先ず落ち着きましょ?」


 「・・・そうだな。」


 彼らは周辺にモンスターがいないのを確認してから倒したレダリスの処理を行おうとした。


 「それにしてもなんで奴らは逃げたんだ?」


 「レダリスって様子見なんてするっけ?」


 ハドリーとパメラが頭に?を浮かべる。


 「様子見するのは前から確認されてるみたいよ。特に集団で行動している時は。」


 「そうだったんだぁ。大体二、三匹しか相手にしなかったから知らなかったわ。」


 二コラの情報にパメラは腑に落ちたようだ。


 「勉強不足だな。」


 「あんたもそうでしょ?」


 「まぁな。」


 テリーに揶揄(からか)われて頬を膨らませるパメラだがレダリスの爪を斬り落とすのに苦戦している。


 「それで逃げ出した理由は分かるのか?」


 テリーが二コラを見ると二コラは腕を組んで思い出す。


 「多分警戒する敵が来たから逃げたのかも。」


 「敵?俺達じゃなくて?」


 「距離はあると思うけどレダリスって耳は人間よりもいい方だから遠くの音を聞き分けたのかも。」


 「それなら俺達もさっさと終わらせてそいつを探しに行かないとな。」


 二コラの話にテリー達は作業の手を早める。


 「あいつらが逃げるほどの敵ってウルサクとかだよな?」


 ハドリーが思い浮かべるのは最近ではポーラとジェイソンが遭遇して穴に落ちた熊型のモンスターである。


 「キャニプスも厄介そうだな。」


 「テリー、あいつらって互角じゃないの?」


 「数はキャニプスの方が多いから多分互角とは言いづらいな。」


 パメラはふうんと言って作業に戻った。


 ガサッ ガサッ


 彼らの近くの茂みから音が聞こえた。

 全員が作業の手を止めて音の鳴った方を見る。


 「なに、あれ?」


 パメラの顔が引きつる。

 緑色の流動体を纏った人型の骸骨が剣と盾を持って移動している。

 ただし剣は何かの生き物の牙を加工したものに見え、盾はリクガメのような甲羅に思える。

 そして向かっている方角は・・・ハドリー達のところだ。


 「こっちに来ているね。」


 二コラが腰を上げて臨戦態勢に入る。

 それを機に他の三人も立ち上がって武器を手に取る。


 「あれはインフェリアマイリス・・・。」


 二コラが声を震わせる。


 「インフェリアマイリスって動く死体の中でも下級の奴らを指す名前だよな?」


 ハドリーが言う様に目の前に迫る相手は静かに動き続ける。

 骸骨に纏う緑色の流動体は常に動いてどこかしらの部位の骨を常に見せる。


 「あんなやつ、この山にいたか?」


 「いないでしょあんな奴!?」


 テリーの顔には汗が滲み、パメラの呼吸は荒くなる。

 人の形をしたモンスター。

 それ自体は数多くいるが元の骨は人間、それを得体の知れない何かが動かしている。

 初めて見る相手に嫌悪感を覚えるパメラ。

 だがパーティーで逃げ出す選択肢はないのかパメラを含む誰もが後退しない。


 「あいつを倒せば報酬が上がるだろうな。」


 「そうだったら今日は気にせず酒を飲めるな。」


 ハドリーとテリーは自身を鼓舞して走り出す。


 「男って単純ね。」


 二コラは呆れているが短剣を構えたままパメラの近くで護衛に回る。


 「でも、今は頼もしい限りよ。」


 呼吸を整えて攻撃の準備に入るパメラの視線の先には茂みから出てくるインフェリアマイリスに二人が攻撃を仕掛けるところだ。

 正面右側でハドリーが剣を振り下ろす。

 しかし甲羅の盾で防がれる。


 「硬いぞこの盾!」


 感触を確かめながら全員に伝えるハドリーは距離を取ってから剣を構え直して再び斬り付ける。

 インフェリアマイリスも再び甲羅の盾で攻撃を防ぎ、その直後牙の剣で突きを放つ。


 「このっ!」


 体を捻ってギリギリ躱すハドリーにインフェリアマイリスが斬りつけようとするが左手の甲羅の盾を後ろに回した。


 「くそがっ!」


 背後にはテリーが回っており、隙を見て攻撃を仕掛けたようだ。

 しかし、インフェリアマイリスは気配を感じたのか即座に盾で背後の攻撃を弾き返した。

 一方で正面にいるハドリーは相手の攻撃を剣で受け止めるが見た目以上に力があるのか鍔迫り合いに持ち込まれた。


 「片手相手に互角なのかよっ!」


 ハドリーは踏ん張って押し返そうとするが中々優勢にならない。


 「ウォーターボール!」


 パメラの声が森に響く。

 それを聞いたハドリーとテリーが同時に左右へ跳ぶ。

 相手が力を抜いて消えたことでよろけるインフェリアマイリスの正面には水の球が迫っていた。


 「!?」


 正面から水の球を受けて茂みの中に吹き飛ばされる。


 「やったか!?」


 テリーが思わず叫ぶが茂みに飛ばされたインフェリアマイリスは直ぐに飛び出してきた。


 「効いているのか分からないわね。」


 「この場所でファイアボールはやれないわよ。」


 二コラの苦々しい表情に森林の保護を前提に動くパメラは念のためにと言っておく。


 「知ってる。他に使える魔法は?」


 「火と水の柱くらい。」


 「それならウォーターボールを撃っていた方がいいかも。」


 「分かっているわよ!」


 パメラは再び水の球を形成する。

 その間にハドリーとテリーがインフェリアマイリスに仕掛けるが有効打がない。


 「こいつ、守りが堅いな!」


 テリーがハドリーと挟み撃ちして攻撃するが流動体を傷付けるまでに至らない。

 それに牙の剣や甲羅の盾も傷一つ入っていない。

 その内インフェリアマイリスはただ攻撃を受けるだけではなくなっていた。

 偶に斬りつけたり突きをしていたがその数が段々と多くなっている。

 背後のテリーが斬り払いをするがそれをノックバックしてよろめかせる。


 「くそっ!」


 体が後ろに傾いたテリーへ更に甲羅の盾で押し出して衝撃も加える。


 「ぐはっ!?」


 直ぐに剣で受け止められえずテリーは後方へ吹き飛ぶ。


 「テリー!」


 ハドリーが叫ぶがインフェリアマイリスの突きによるラッシュが少しずつ早くなる。


 「早くなってるだと!?」


 ハドリーも相手の攻撃を捌くが気づけば仕掛けるどころじゃなくなっていた。


 「ウォーターボール!」


 再度パメラから放たれる水の球がハドリーの背後に迫る。

 それもハドリーは気づいて難なくその場から離れると残されるのはインフェリアマイリスだけ。


 「いけ!」


 ハドリーが避けながら見届ける。

 だが、二度目のウォーターボールは甲羅の盾によって弾かれた。


 「うそっ!?」


 弾かれたことにショックを受けるパメラだがそんな彼女を気にせずインフェリアマイリスはゆっくりと近づく。

 その横へハドリーが斬りつけるも牙の剣で防がれる。

 再び鍔迫り合いになるかと思えば甲羅の盾で殴りにかかった。

 予想外だったのか直ぐに動かなかったハドリーは右側から殴り飛ばされて左側へ思いっきり飛ばされる。

 それと入れ替わりに吹き飛ばされていたテリーが駆けつけてインフェリアマイリスに仕掛ける。

 テリーは斬りつけたら直ぐに引いて相手に受け止められないように何度も撃ちあう。

 インフェリアマイリスはテリーの攻撃に対して殆ど甲羅の盾を使って防ぐ。


 「重そうな盾なのに軽く振り回してよぉ!」


 「テリー、避けて!」


 二コラの声に反応して攻撃の手を止めて後ろに下がる。

 インフェリアマイリスの足元に渦巻く水が出現。


 「ウォーターピラー!」


 パメラの声に合わせて足元から水の柱が一気に噴き出る。

 常人相手なら十数メートルは吹き飛んでいるだろう。

 勢いの強い噴水の如く噴き出る水は一帯を水浸しにする。

 上空を見れば噴き出る水が見えるだけ。

 吹き飛ばされているはずのインフェリアマイリスはいない。

 では、何処に居るのか?

 果たしてそいつは、水の柱から一メートルほど離れた場所に無傷で居た。


 「聞いてないわよ!?」


 パメラは攻撃魔法を外したことに憤慨するが相手は先程から一言も口を利いていないのだからある意味当然だ。


 「隙だらけだ!」


 インフェリアマイリスの傍にはいつの間にかハドリーが駆けつけていた。

 大振りの剣は相手の頭部をしっかり捉えて、振り抜かれた。

 緑色の流動体を纏った頭部は物の見事に吹き飛び近くの木に当たって転がった。


 「おっし!」


 ハドリーは手応えを感じて笑顔になる。

 それを見ていた三人も表情が緩む。

 誰もがそう思っていた。

 四人の喜びと気の緩みが出来た瞬間に首なしの異形は動いた。

 頭部を失ったインフェリアマイリスはハドリーへ振り向きざまに一閃。

 喜んでいたからなのか対応できずにそのまま牙の剣は軌道を描いてハドリーを切り裂いた。

 分断されたハドリーの体は数秒後に血を吹き出しながら左に転倒。


 「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 それを見てパメラが絶叫する。

 森中に響く悲鳴。

 近くで見ていたテリーも一瞬恐怖に染まるが直ぐに激高する。


 「ふざけんなぁー!」


 中段から右払いをするも甲羅の盾で防がれる。

 素早く何度も撃ちこむが全てを対応されている。


 「こいつっ!?」


 テリーが盾を壊そうと大振りの一撃を放とうとしたところでインフェリアマイリスの突きがテリーの首を貫いた。


 「!?」


 気づくのに遅れて驚愕するテリーだが何も言えない。

 剣が引き抜かれたと同時に首の傷から血が噴き出てテリーの体も力を失って地面に倒れる。


 「嘘でしょ・・・!?」


 二コラも直ぐには現実を呑み込めず不安な表情になる。

 彼女が後ろを向けばパメラも顔を青くして体を震わせている。


 「パメラ!逃げるわよ!」


 「え!?でも!?」


 「いいから走って!」


 二コラは声を上げてパメラの手を取ってインフェリアマイリスと反対方向へ走り出す。


 「どうするの!?」


 「兎に角、町に戻る!」


 「あいつは倒せる!?」


 「わからない!」


 「なんなのよ!?」


 「それは。」


 パメラを引っ張っていた二コラの姿が消えた。

 何故消えたのかパメラは直ぐに理解できなかった。

 慌てて止まって周囲を見渡すと地面に一人倒れ込んでいる。

 それは先程まで一緒に走っていた二コラ。

 うつ伏せになっているが、先程と違う点が一つ。

 彼女の背中から一振りの剣が生えている事。

 いや、生えているわけじゃない。

 後ろから突き刺さっている。

 しかも剣の握りには・・・。

 それを見たパメラの表情はさらに引き攣る。


 「きゃあああああああああああ!?」


 振り返れば離れた場所で倒されたハドリーの剣が無くなっていた。

 何故ないのか?

 それはインフェリアマイリスが牙の剣で倒した相手の腕を斬ったからだ。

 距離は離れているがパメラの視界にはまさに倒されたテリーの右腕を切断している光景が映っている。


 「は?なにあれ?何しているの?」


 パメラは目の前の光景に理解が追い付かず体も動かせない。

 テリーの握っていた剣をインフェリアマイリスは左手で掴む。

 甲羅の盾は近くに放り出しているようだ。

 掴んだ剣を後ろに構えたと思えば思いっきり正面に投げ飛ばした。

 放物線を描いて飛ぶ剣の行き先。

 それを目で追うパメラは直前になって気づいた。


 「え?」


 彼女は胸と背中の痛みを感じた。

 いつの間にか空を仰いでいる事に混乱する。


 「な、なに?何で私は空を見てるの?それに体が痛い・・・。」


 口から血を吐き出すが自身に訪れた現実を上手く認識できていないようだ。

 そして彼女の顔から生気が失われた。

 それを確認したのかインフェリアマイリスはいつの間にか足元に近づいてきた自身の頭部を手に取って首に付け直した。

 頭部と首の流動体が再び一つになる。

 その一瞬だけ首の骨に灰色の水晶が光って見えたがこの場で見た者はいない。

 甲羅の盾を左手で持ち、何事もなかったかのように歩き出す。

 インフェリアマイリスの進む方角。

 それはポーラ達が拠点にしている町である。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

不定期更新ですがお時間のある時に読んでいただけると幸いです。




雑談

インフェリアマイリスはラテン語の下級戦士を元にした造語のつもりです。

作中では人の骨に取り付くスライムの親戚の状態を指していますが、人以外にも動物やモンスターの骨を含めています。

下級と言われているのに一対四で勝つとはこれ如何に・・・。

根本的な動作は大きく変わらず、それでも少しずつ学習するモンスターと言う感じにしました。

(無意識に既存の存在をベースにした)作者が考えたつもりの紹介でした。

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