113話 最後のチャンス ―中園利香―
初めましての方
そして久しぶりの皆様
大変お待たせ致しました。
今後も不定期更新なのは変わりないので申し訳ありませんがご了承ください。
今回の話はサンデル王国に所属する異世界の勇者の一人、中園利香の話です。
主な登場人物
・中園利香
・近野樹梨
・船戸玄
これまでのポーラの話
平本慎吾は異世界召喚されたがサンデル王国から事故を装われて処分されるも自力でダンジョンを抜け出した。サンデル王国や自身を追い詰めたり現場に居合わせても何もしなかったクラスメイト達に復讐を誓うも偶然出会った少女に体を奪われて平本慎吾は現地人の少女ポーラになってしまった(以降ポーラと呼称)。更にポーラは親公認で人身売買されるが優しい貴族に引き取られたことで数年間は平和に暮らせた。しかしその平和も崩れ去り貴族の主人やメイド達は全員死亡して同じ境遇だった二人の少年は行方不明。ポーラは自分を拾って優しくしてくれた人達へ報いるために事件に関わった存在を突き止めて根絶やしにした。更にフレイメス帝国帝都ではサンデル王国の異界の勇者であり、嘗ての平本慎吾を虐めた男達を結果的に封殺、また貴族の元で一緒に暮らした青年二人が主人やメイド達を死に追いやった一因であることを知っていたため彼らの命も奪った。そしてポーラは次なる復讐のためにムンドラ王国へ向かった……。
これまでの中園利香の話
クラスメイト達と一緒に異世界へ召喚され戸惑う中、最弱の烙印を押された平本慎吾を気に掛けていたが彼が事故で行方不明になったことで後悔するも彼はまだ生きていると信じて親友の近野樹梨と同じく平本慎吾を気に掛けていた船戸玄の三人で行方を追うことを決めた。約八年の時の中で魔王や邪神、更にはフレイメス帝国との戦争を生き抜いた彼女達は平本慎吾の行方を掴めるのか……。
サンデル王国が有する異界の勇者達が邪神カタストゥを倒してから約四年の月日が流れたある日。
或いはフレイメス帝国との戦争から一年と半年近く。
帝国とは停戦状態であり、お互いの国を分かつ山脈の南の地域で睨み合いが続いていた。
二国の間で迷惑を被っているのはサンデル王国とフレイメス帝国の南に広がるラーシャン連邦であるのは地理関係を把握して理解できた。
ラーシャン連邦もそれなりの武力を持つため、二国が領土を奪って相手の国へ攻め入ろうと言う姿勢も今のところはない。
そんな情勢の中、現在のサンデル王国内では各町村で作られた農作物を徴収しては保存食を作り続けている。
大半は王都や城内へ運ばれており、何故作り出すことになったのか町人や村人達はおろか王都内の住人達も知らされていない。
それは殆どの兵士達にも知らされてはいない。
町人や村人達は生活が苦しいと思いつつも積極的に知ろうとは思わず、日々を過ごすだけらしい。
そんな彼らの状況を王族貴族や騎士団は知る一方で異界の勇者達には知らされていない。
一部の勇者達は何となく聞いてみるが答えは常に濁される。
彼等もまた不思議に思いつつもそれ以上知ろうとはしなかった。
それらを知ったのは数日後のこと。
私は暫く前までサンデル王国とラーシャン連邦の国境でフレイメス帝国の間者を見分けていた、その長期の任務で疲弊しながら王都へ戻ってきた。
能力を使って質問をすれば仕草や体温などの当人も自覚していない変化で見極められる。
ただ、酷使すれば疲労も溜まる。
また様々な場所で重宝しているみたいで一定期間の任期を設けて全うさせて他の任務に就かされる。
人一倍能力を行使しているため一人だったら倒れていたかもしれないけど、樹梨ちゃんが傍にいたから心細くならずに済んで良かったと思う。
馬車に揺られてサンデル王国中央部にある王都へ戻ると中心部なだけに人で賑わっていた。
久しぶりの光景でもあった。
「やっと戻って来れた……。」
「樹梨ちゃんが一緒じゃなかったら今以上に辛かったよ、ありがとう。」
「利香が無事なのが一番だから。」
馬車の中で近野樹梨は照れていた。
私達が王城へ入り兵士や騎士へ報告を済ませると最初の頃から使っている部屋へ各々戻って今までの疲れを癒すように熟睡した。
私達が戻って来てから翌日。
数日は敷地を出なければ自由にしても良いと言われ、私は樹梨ちゃんの部屋でゆっくりとしていた。
そこでドアがノックされた。
「誰?」
ぶっきらぼうな声で訊ねる樹梨ちゃんに男性の声が返ってきた。
「船戸だ、二人が帰ってきたと聞いて会いに来た。」
外にいるのは船戸君。
声も間違いなく本人だから樹梨ちゃんはドアを開けて船戸君を招き入れた。
「二人とも休んでいるところ邪魔をして悪いな。」
「私達は大丈夫だよ。ねっ、樹梨ちゃん?」
「玄なら。」
俯きながら船戸君をベッドに座ってもらい、樹梨ちゃんと私は椅子に座った。
「二人とも無事に戻って来たみたいだな。」
二人の姿を見て船戸玄は安堵の息をついていた。
「私は利香の護衛をしていたからまだいいけど、利香が一番大変だった。」
「戦うことは出来ないからその分働いたって感じになるのかな?」
実際に私自身がモンスターを倒すことはしたことがない。
多分私はずるい人間かもしれない。
「だからと言って無理する必要はないからな。二人が五体満足と健康でいることが一番だ。」
「ありがとう。」
船戸君は今まで別行動をしていたようでその間の情報を交換した。
彼の場合はサンデル王国内でのモンスターの討伐が中心だったようだ。
「二人は平本に関しての情報は何か分かったのか?」
それを聞いて二人は顔を見合わせた。
「彼に関しては南の方では聞かなかった。」
「それっぽい奴もね。」
「となるとムンドラ王国で噂になっている冒険者しか手掛かりはないってことか……。」
邪神カタストゥを討伐したあとで被害に遭った国々の話で彼らはそれを耳にしていたが独断で動くことが出来ず月日だけが流れて今日に至った。
シンゴ・ヒラモトと言う人はムンドラ王国の冒険者の中では上位に位置する強さを持っている。
そんな話しが流れていた。
実際に邪神の徒を倒した実績もあり、ムンドラ王国内では有名な話しみたい。
サンデル王国もある程度は知っているものの話の真偽は確認してないらしく、異世界から召喚して自分達の都合で処分したあの少年と結びつけることはなかった。
それはある意味私達にとっては幸いで、もしサンデル王国が極秘裏に暗殺を仕掛けるのは最悪のパターン。
「俺達が行くにしても何か理由を付ければ良いのかもしれないが……。」
船戸君はその理由を捻りだす為にあれこれと材料を思い出している。
「観光とか?」
樹梨ちゃんは思いつきで口にした。
「今までそう言う理由で外出した人達っていないよね?」
「確かに。」
それから三人であれこれとアイディアを出し合ったが絶対に行けると言う名目は出せず。
それでも幾つかに絞り込んだあとに善は急げとある騎士の元へ向かった。
騎士や兵士達が敷地内の訓練場で鍛えている中、私達は休憩中の騎士バスコ・ペレスに声を掛けた。
「休憩中にすみません。少し時間をいただけますか?」
「あぁ、構わない。」
訓練場の外へ出て人が居ないことを確認してから話し始めた。
「私達、ムンドラ王国も行ってみたいのですが、何かの任務で行くことが出来ますかね?」
私が尋ねるとバスコさんは少し驚いていた。
「丁度、三人にムンドラ王国への視察をしてもらおうと話が進んでいるところだ。」
「そうだったのですか?」
「あぁ、君達が行けるのであれば明日にでもムンドラ王国へ連絡を入れられる。」
「是非ともお願いします!」
「そ、そんなに行きたかったのか……。」
「はい!」
前のめりな返事をしたからバスコさんは少し引かれたけど私達の返事を外務大臣へ伝えるみたい。
サンデル王国に限る話ではないが書状を持った兵士が早馬で運ぶため、それなりの時間が必要と言うのは私達でも理解できた。
また、今回の話は以前から決まっている部分があったために早い段階で動けると言う事らしい。
平本君の手がかりを探せるかも。
二人の表情から同じように思っているのが伝わってきた。
それからムンドラ王国へ向かう話を聞いてから一月以上が経った。
その間、私達はダンジョンの新しい場所での探索をしたり、出立の準備と忙しない時間を過ごしていた。
そして出立日。
明朝、人が四人座れる馬車の箱には私達三人とサンデル王国の外務大臣の部下の一人、ハモン・アクスと言う男性が乗っていた。
ハモンさんの身長は船戸君と私の間くらいの高さで、厚手の生地に赤や緑の装飾を施した正装を身に纏ったちょび髭が特徴の四十三歳。
前の打ち合わせでハモンさんと顔合わせをしたときに他にも自慢話をされたから年齢も知っているけど貴族の出身というのもあって丁寧な口調だけどプライドのある人みたい。
船戸君とハモンさんが後方を向いて座っており、私と樹梨ちゃんが前方へ向いて座っていた。
馬車の御者台には金属製の鎧を着た兵士二人が、後方にも必要な資材を乗せた幌馬車に二人の兵士が乗っていた。
私と樹梨ちゃん以外は皆男性ばかり、長旅と言うのもあり護衛が必要だと言うのは理解せざるを得ないことだと思う他なかった。
「今回の訪問ではリカ様にお願いしたいことがありますのでよろしくお願いしますね。」
「は、はぁ……。」
この時点でまだ知らされていないようで曖昧な返事しか出来ない。
任務や業務の話もそこそこにハモンさんの自慢話が始まる中、私達を見るハモンの目は正直、紳士的な物には感じられない。
特に近野樹梨が気持ちを隠そうともせず不機嫌な顔をしていた。
だけどハモンさんは彼女の表情に気づいていないのか無視しているのか出発してからも延々と私達を見続けている。
(今までもそうだけどこういう人達って女性に対して隠すことはしないんだよね。私達よりも堂本さん達の方が大変そうだけど……。)
それからサンデル王国とムンドラ王国の国境にある検問まで二週間以上を要して通過し、幾つかの町や村を経由してムンドラ王国の二番目に賑わっていると言うニアコスマと言う街へ辿り着いた。
街を覆う壁は二重になっており、どちらも大小様々な多くの石を整形して五十メートル以上の高さへ積み上げられている。
また、壁と壁の間は深さ十メートル以上はありそうな堀がある。
その壁を越えれば外側は平屋の建物が多く、中央へ向かうほど高くなっている。
一番高い建物は街を管理する役人達とこの街を守る正規兵達の詰め所を兼ねているらしい。
「本日はこの街で泊まりますので。」
「この街で観光をしても良いでしょうか?」
「観光…えぇ、それは構いません。ただあなた達は大事な勇者様なので護衛を付けさせていただきます。それから街を出ないようにお願いしますね。」
「分かりました。」
予め話が通っているようで中央近くの豪奢な宿泊施設に馬車が止まり、兵士達が馬車を移動させたり手続きを取り終えてから中園利香達は街を散策し始めた。
外側へ向かって歩く彼らの目に映る通りは途中から商店街のように様々な店が構えられており日用品から用途不明なものまで売られている。
その中でもサンデル王国と大きく異なる点と言えば
「獣人、って言うのが正しいのか分からないけど結構いるね。」
「うん、ラーシャン連邦にもいたけどこっちの方が多い。」
私の感想に樹梨ちゃんも頷いた。
「他の奴らから聞いたが東側には獣人達の国と友好的だから互いに行き来しているらしいな。」
「そうなんだぁ。」
船戸君は他のクラスメイト達から聞いた話を思い出していた。
彼らは背後から付いてくる兵士達を気にしつつも店を覗いたりして楽しんだ。
その路上で正面から千鳥足で歩く体毛が茶色でアヒルの特徴を持つ鳥人の男が歩いていた。
小奇麗な絹のシャツやズボンを履いて、黒い帽子を被っている。
出来るだけ避けようとしたが鳥人が思いっきり寄って来てぶつかってしまった。
「おう、あんちゃん達なんでぶつかって来たんだ?」
いきなり因縁を付けられてしまった。
「お前、酔っているとは言えぶつかって来たのはそっちだろう?取り消すなら今だぞ。」
護衛の兵士の一人が私達の前に出て強く言った。
「なんだとー?護衛がいるからって偉そうに、人としての道理がなっちゃいないなぁ?」
酔っているが言葉の応対は出来るらしい。
「下がってください。」
「しかし。」
「お願いします。」
「分かりました。」
私のお願いに兵士は渋々下がった。
「ごめんなさい、こちらが避けきれずにぶつかってしまい。」
「おうおう!それでどうするって言うんだ?」
「お詫びにお酒を一杯奢らせてください。」
その言葉に兵士達は驚くが樹梨ちゃん達は特に驚かなかった。
「なんだねーちゃん、分かっているじゃねーか!じゃあ早速、こっちだこっち!」
酔っている鳥人は反転して私達を案内した。
行き着いたお店は木造建築の平屋で中は薄暗かった。
それでも客は何人かいる。
サルの特徴を持つ獣人、チワワのような特徴を持つ獣人がそれぞれ一人で飲んでいた。
店主は人間で所々に灯している蝋燭の灯の明かりがスキンヘッドで反射していた。
「マスター、一番高い奴を一つ!」
「今回はたくさん稼いだのか?」
「こいつらが奢ってくれるってよ!」
「そうか。」
店主は木製のコップに樽から掬ってそのまま鳥人に渡した。
「これで足りますか?」
懐から銀貨を何枚か出した。
一枚一枚確かめながら枚数を数えた店主はそれらを店の奥へ仕舞った。
「お前達も飲むか?」
今の私達も飲めなくはないけど積極的に飲んだことはない、けど何か頼んだ方が良いのかな。
私が悩んでいると船戸君が懐から銀貨を何枚か出した。
「これで二人分のお酒を、そこの兵士達に。」
「あいよ。」
戸惑う兵士達を他所に店主は別の樽から酒を掬ってカウンターに出した。
「これからも暫く護衛してもらうので労いを込めて奢らせてください。」
丁寧に勧める船戸君の言葉に護衛としてついてきた兵士達はそのままカウンターに座って飲み始めた。
彼らと幾つか席を開けた状態で私達は鳥人の傍に座った。
「あなたはそれなりに商売に精通している人とお見受けしますが。」
「お!俺のことが分かるのか!良い目をしているね嬢ちゃんは!」
「ありがとうございます。」
「そうさ、俺は商人をやっている!東から西へ常に良い物を探して広めているぜ!」
お酒も相まって気分が乗り始めた鳥人。
「あの、良かったらお話を聞かせていただきたいのですが……。」
私の切り出しに鳥人は酒を一口啜ってから答えた。
「何を聞きたいんだ?」
「この国で有名な冒険者について。」
「そんなもん、たくさんいるがどう言う奴だぁ~?」
「シンゴ・ヒラモト。」
「あー、最近の奴だなぁ。」
「どういう人か知ってますか?」
「どう言う奴かって?そうだなぁ~、思い出せそうなんだがなぁ、もうちょっと気持ちが籠っていると
思い出せそうなんだがなぁ~?」
まるで足元を見るかのような発言。
樹梨ちゃんが明らかに苛立っている。
私が懐へ手を伸ばそうとしたら
「これでどう?」
テーブルに置かれたのは銀貨が五枚、樹梨ちゃんが出してくれた。
「お、いいねぇ!もうちょっとかわいい感じだと嬉しいが。」
と鳥人が言った直後、樹梨ちゃんが睨みを聞かせると鳥人は身体を震わせた。
鳥人の方が樹梨ちゃんよりも体格は大きいのだが何かを感じ取ったのか、素直に出された銀貨を仕舞った。
樹梨ちゃんなら硬貨を出さずとも問答無用で言い聞かせられるかもしれないけど穏便に済ませるために留まってくれた。
「そうだな、思い出したぞ。シンゴって奴は最高等級が青の冒険者達の中でも若手だ。パーティーは七人で入れ替わりが一度もないらしい。狼の獣人やハーフエルフもいるから見たら分かるな。奴の特徴は人間の中じゃ珍しく青みがかった黒髪と瞳で長剣で戦うらしいが、その姿を見た奴ら曰く、人間離れした攻撃をするとか。どうやらその武器が特別って話で冒険者達は勿論国や商人達も注目しているぜ。因みに噂だとパーティーの一人と恋仲だからちょっかい掛けるのだけはやめておけよ?」
饒舌に話した鳥人。
鳥人が酒を一口飲んだところで船戸君が聞いてみた。
「シンゴは何処へ行けば会えるんだ?」
「何処ってそりゃあミールドって街だ。王都から大体南東の方角だな。」
他にも彼のことやムンドラ王国について話を聞いたところで私達は護衛の兵士達に声を掛けて店を出た。
お店の中は静かだったけど外へ出れば賑やか。
護衛の兵士達には少しの間だけ店に残ってもらった。
「よく話かけようと思ったね。」
「他の人達に比べて見た目を綺麗にしていた事とこの時間で飲んでいても問題ない職業に可能性を見出したら当たったね。」
絶対に欲しい情報を教えてくれる人とは限らなかったけど偶々聞かせてくれて良かったと思う。
「あれで商人だなんて……。」
ウンザリする樹梨ちゃん。
「あとで俺から返す。」
「いいよ、寧ろ私が二人に返さないといけないから。」
「そう言うのは言わない。私達が望んで動いている事だから。」
「そっか、悪かったな。」
「分かればいい。」
一方でこの能力は外見による観察などでそれかそれに近しい相手だと思い、そうであれば国内各地を回っている可能性や商売の関係で様々な話を聞いていると踏んで流れで話しかけた。
無関係で情報を持っていない相手なら完全に損をしただろうに。
「ただ、王都より向こう側になると俺達が行くのは難しいな。」
「抜け出す?」
「行方不明になったら国際問題とかになると思うし、それ以前に私達は見張られているから。」
特に視線を動かさない三人。
彼らの周辺はこの街の住人や訪れた人々で溢れている。
街の人達じゃない、異様な存在が感じた取れた。
異様と言っても邪悪に満ちているとか魔王のような強さを持っているとかそう言う物じゃなくて気配を殺しているとか隠している感じ。
表向きは外務大臣の部下と護衛四人だけど、実際は私達が本来認知しない周辺に五人ほど紛れ込んでいた。
時に人混みの中、時に森の中。
私達がサンデル王国の意に反する行動を取れば直ぐに連れ戻されるか邪魔をされるかもしれない。
強いて言えば観光で歩き回る程度には許容されていることが分かったくらいかも。
ただ大胆に単独で行動するのは思っているより難しく、これ以上は収穫は見込めないと感じて店で飲み終わった護衛の兵士達を呼んで一緒に宿泊施設へ戻った。
数週間後、ムンドラ王国の王都へ辿り着いて……。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今後も不定期更新でありますが読んでいただけると幸いです。
次の話はシンゴ・ヒラモトの予定です。
補足・蛇足
中園利香の能力は視るに特化していますがそれらの情報は文字情報として理解するわけではなくサーモグラフィの様に赤いと温度が高く青いと低い、と言った普通の人とは違う映像と言う結果に対する自身の知識や経験などから判断していると言うのが近いです。なので今回の話に於いては鳥人に関しては観察眼が鋭い程度の部分が大きく、それ以外は能力を使って様々な経験や知識を身に着けたことで街の人達と違う特徴を持つこの人達はこんな人達だろうと思っている訳です。




