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impotent  作者: 諸葛こめ男
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僕は今、他人の部屋にいる。

面識のない全くの他人。

畳ばりの6畳一間。


その他人は今、畳にうつ伏せで横たわっている。

家族であろう写真が飾られた写真立てを抱きしめて。


血だらけで。


僕は今、他人の部屋をあとにする。

血油に(まみ)れた包丁を他人の背中に最後にもう一度突き立てて。









単身赴任中に夫が亡くなった。

33歳という若さで。


病気。事故。自殺。

この若さでの死は大体そんな理由。


でも夫は違う。殺された。


滅多刺しだったそうだ。首、背中の損傷が特にひどかったと。

夫と私と2歳になる息子と三人で向日葵畑を背に撮った写真を抱きしめていたらしい。


子煩悩で、家事は何でも協力してくれて、綺麗好きで、家族を大切にして、私を全て受け入れてくれていた夫は

家族から離れた1人の部屋で痛く苦しい思いをして亡くなった。


犯人は捕まっていない。


何の罪もない夫の命を弄んだ犯人は今ものうのうと生きている。



「必ず捕まえてみせます」


40代くらいの刑事さんは真剣な表情で私に誓うようにそう言った。


でも捕まえなくていいんです。


警察が捕まえたってどうせたった何年かで出てくるんでしょう?


それなら






















私が犯人を見つけて殺します。


















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