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街中探索 ③

 朝になったらモンスターか動物を狩って久しぶりに肉を食べたいなと思っていたのに、私は何故か昨日と同じ様に騎士との鬼ごっこをしていた。


 ってか、何で朝になった途端に騎士は戻ってくるなり、私を追跡するのだろうか。


 基本的には争いたくはないから逃げていたのだけど、ここまで執拗に追跡されたらストーカーと変わらないと思いなおす。


 うん、よく考えたら私が逃げる必要はないじゃない。いきなりこちらから攻撃はしないけど、何で追跡してくるのかを聞いても良い気がしてきた。


 召喚されたばかりの時は戦い方が分からない上に学生なども助けなくてはいけないと思っていたから逃げるしか選択肢は無かったけど、今追跡してきている騎士ははっきり言って弱いから、問答無用で攻撃してくるなら容易に撃退も出来ると思う。


 うん、そうしよう。


 悪そうな騎士なら捕縛して情報を聞き出すのも悪くは無いだろう。


 私は逃げるのを止めると決断したら、すぐに防御魔術と周囲に捕縛魔術を展開する。


 向こうの騎士も私が動きを止めると、警戒してか近寄ってくる速度が遅くなったのが分かった。


 しばらくすると、まだ遠いが私の視界にはゆっくりと歩いてくる騎士が見えていた。


 騎士をしっかりと観察すると、思っていたよりも小柄で、もしかしたら中身は女性なのかもしれない。


 それに騎士は腰に体格には似合わない大きさの剣を差しているけど、剣には手をかけていないので、もしかしたら争う目的以外の理由で追跡していたのではないかな?と希望は持てていた。


「逃げないで僕の話を聞いてくれませんか!! 僕はあなたと争うつもりはありません!」


 騎士は数十メートル程度離れた場所から私が警戒しないように叫んできたのだけど、声を聞いて子供の様な少年的な声だったのでびっくりしてしまった。


 この国は子供も騎士にするのかな?


 いや、単純に少年っぽい声の青年なのかな?


 私も話をするつもりだと叫んだ方が良いか……


「クワッ! クワッ!?(私も争う気は無いので! って話せない!?)」


 あれ!?


 師匠から融合魔術で声帯模写っぽいこと魔術を習って、奈落ダンジョン内では成功していたのに、地上に出たら使えなくなった!?


 これじゃあ話せないじゃん!?


 しかし、騎士からは予想外の返事が帰ってきた。


「僕にはそのままの声でも内容を理解する事が出来るので大丈夫ですよ!」


「ク、クワッ?(え、本当に?)」


「はい、本当ですよ!」


 一応は会話が成り立ってる。


「クワッ、クワッ!!(じゃあ、私の名前はマギ!!)」


「マギさんって名前なんですね! 僕の名前はマリウスです!」


 おお、本当に会話が成立しているし、名前も当てられたので私の話を理解する魔術?を使えるのが分かった。


 騎士と仲良くする気は無いが、情報交換をするという意味では有用性が高いかもしれないと思った。

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