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地上へ ①

 私は黒い灰になってしまったダンジョンボスを掻き分けながら、ドロップアイテムを探していた。


 通常はダンジョンボスを倒すと、身体は消えてドロップアイテムに変化するというゲームみたいな感じらしいのだけど、師匠の使った魔術はダンジョンの常識を覆すほどの異質なものだったらしくて、ダンジョンボスが死んだのに死体である黒い灰は消えなかったのだ。


『なんかこの黒い灰は触っていると手がピリピリする感じがするんだけど、何でなのかな?』


 気になるほどの刺激ではないから、大丈夫ではあるんだけと、なんで死体の灰を触るとピリピリするのかは疑問に思ったので、師匠に聞いてみたら驚きの返事が帰って来ていた。


『それはそうじゃろう、普通の者がその灰に触れば猛毒じゃからな。触って10分もしないうちに死ぬじゃろうな』

『えっ!?』


 私は師匠の発言を聞いて咄嗟に黒い灰から逃げる様に離れた。


『ちょ、何てものを触らしているんですか!? あと数分で死んでしまうじゃないですか!』

『おぬしは耐性があるから大丈夫じゃよ』

『えっ、耐性? 私には黒い灰の耐性なんて無いですよ』

『何を言っとるんじゃ、その黒い灰と言っている物は妖魔に汚染された残骸じゃよ。つまりはわしから溢れている薄い妖魔が高濃度に物質化された危険物質じゃな。だからおぬしみたいな妖魔耐性などという特殊な耐性を持った者以外には猛毒なのじゃよ』

『周囲を汚染する高濃度の物質って響きが危ない……って、それに耐えられちゃう私もヤバい気はするけど……あっ、何かアイテムがありました!』

『ふむ、流石は奈落ダンジョン。良さそうなドロップアイテムじゃな……』


 ダンジョンボスからのドロップアイテムは不思議な真っ黒な珠と凄く強そうな剣と高そうな杖、種類の違う腕輪や首飾り、何種類もの宝石があった。


『師匠には良さそうに見えても私にはほとんど使えなさそうなアイテムばっかりですね』


 真っ黒な珠の使い方は分からないが、剣や杖は振り回せないし、腕輪や首飾りは普通の人サイズなので、巨大な着ぐるみの私にはどう頑張っても小さいから私には使えなさそうなアイテムだった。


 でも宝石は地上に上がった時に売れば良いのかな?


『いや、ダンジョンボスのドロップアイテムとは攻略者に対応したものがドロップされる仕組みになっておるから、おぬしにも役立つものがある筈じゃよ。剣や杖はわし用かもしれんが、幻妖の首飾りや時空の宝玉はおぬしにぴったりじゃよ』


 師匠の説明では幻妖の首飾りは装着者が望む見た目を他人に見せる事が出来る首飾りで、見破るには高位の幻属性破壊の魔術を使い、首飾りを破壊するか、幻属性を見破る魔眼持ちでないと正体はバレないというものすごい貴重なアイテムで、生きている時には一度しか見たことがないらしい。


 これを使えば私の容姿も人の見た目に見せる事は出来るらしいので、これさえあれば街中に入れるらしい。


 そして、時空の宝玉は更にレアなアイテムで、別空間にものなどをしまっておけるという、いわゆるアイテムボックス的なものだった。


 しかも、時空の宝玉内では時間の流れが非常に緩やかで、ものなどは劣化しないようになる便利機能付きらしい。


 だけど、注意点として人などは入れてはいけないと言われた。


 私の場合は魔力量が規格外なので、他人を無理やり時空の宝玉内に入れる事は出来るらしいが、別空間に入れられた人は精神崩壊してしまうらしい。


『でも首飾りは付ける事が出来なそうですから、私が使えるのは時空の宝玉位ですかね?』

『ダンジョンドロップアイテムはほとんどが装着者の大きさに自動的に合うから大丈夫じゃよ』

『えっ、あっ、本当だっ!?』


 私は幻妖の首飾りを手に取り、首飾りを付けたいなと思ったら、どんどんと大きくなり私でも付けられるサイズになっていた。


 ダンジョンのドロップアイテムって凄く便利なんだなと感心してしまった。

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