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奈落ダンジョン攻略 ④

 私は目の前の光景に唖然としていた……


 私の目の前で起こっている戦いは何なんだろう?


 怪獣と光の巨人が噛みついたり斬りつけたりしながら、巻き起こる爆風などに耐えていたのだ。


 私が師匠から聞いていたラクリエスという魔術は、一時的に光の精霊を具現化させるものだと聞いていたから、もっとスマートなものかと思っていたら、動きは凶暴そのものだった。


 光の巨人は初手でドラゴンの口を斬り裂く事に成功したため、ドラゴンがまだ一度もブレスを吐いていなくて、ドラゴンの攻撃がどれくらい光の巨人にダメージを与えているのか見た目では分からないが、ドラゴンのダメージは片翼が大きく斬り裂かれ、腹にも切傷がいくつも出来ていたので、結構大きいものだと分かった。


 このまま光の巨人が頑張ってくれたら勝てるんじゃないの?


 しかし、そんな光景は長くは続かないみたいだった……


『そろそろ魔力が怪しくなって来たからラクリエスを切るぞ。わしの魔力がある程度回復するまで頼むぞ?』

『あっ、はい! 魔術の準備は大丈夫です!』

『ふむ、頼りにしておるぞ……ドラゴンは隙を与えてしまうと、傷を回復してしまう恐れがあるから気を付けるのじゃぞ』

『はい!』


 ドラゴンはあんなに強いのに、回復すらしてしまうの?


 きっと、回復されてしまうといろいろな意味で私達の負けになりそうだから、私は師匠が戻って来るまでは休みなく魔術を発動させてやろうと思っていた。


 私が師匠に唯一勝っている魔力量を全て使いきる勢いでドラゴンにぶつけてやる。


『それじゃあ、任せたのじゃ』


 師匠はそう言うと、光の巨人も急速に小さい光の珠に戻ったかと思うとパーンと消えてしまった。


 そして、師匠は素早い動きで私の前から退避していく。


 さてと……私はとりあえず準備していた超級の氷魔術・氷結世界を発動する。


 この氷結世界は師匠から習った魔術ではなく、私がアイスブリザードを何度か発動させていたら自然と覚えた超級の魔術で、他にも氷魔術に関してはいくつかの魔術を覚えていた。


 きっと私には氷魔術の適正が一番高いからだろうと思う。


 しかも私が独自で覚えた氷魔術は何故か魔力消費が少なくて、この一面を氷の世界に作り替えるめちゃくちゃな魔術ですら、上級魔術位の魔力消費しかしないので、立て続けに氷結世界を発動させる。


 この氷結世界は何度も発動させる事で範囲内の温度がどんどんと下がっていくのは実験済みである。


 氷結世界を発動直後はドラゴンもこちらに向かって攻撃をしようとしていたけど、動きが先程の光の巨人で見せていた早さは全くなくなり、次第には動きを止めてしまい、今では氷漬けのドラゴンが出来上がっていた。


『相変わらずその魔術はわしの常識を覆してくれるのう……』


 魔力回復している師匠が呆れた感じで話しかけて来るが、私からしたら師匠の方が常識を破壊しまくっている張本人だと思っているんだけど……


『これでもダンジョンボスは死んでないんですか?』

『普通のダンジョンボスなら死んでいるところじゃが、まだドラゴンの鼓動を感知出来るから魔術が切れるのを耐えるつもりじゃな。しかし、このドラゴンの苦手な属性は氷属性かもしれんのう。わしのラクリエスより手応えがある感じじゃな』

『氷属性が有効なのに耐えるドラゴンって……』

『古代種のドラゴンを氷漬けに出来るのじゃったら、わしが居なくても倒せたかもしれんのう』

『いやいや、師匠がラクリエスで時間を作ってくれたから楽に氷結世界を展開出来ましたけど、一人だったらドラゴンの攻撃を防ぎながらだと無理ですよ』


 氷結世界は魔力消費は少ないが、1回目の展開時にはそれなりの時間がかかるし、集中もしないといけないから、1人で戦うには向かない魔術だったりする。そして2回目以降の発動は何故か展開時間は劇的に短縮されるので、連続しようが可能になる。


 まあ、これも氷結世界内でも死なない師匠が時間を作ってくれたから出来る、私と師匠の連携なんだよね。

 師匠の話では普通の人なら安全圏まで退避するのは不可能に近いから、使うなら一人の時だけにしろと警告を受けていた。

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