生体完全乾燥切断
地球以外の、ある惑星に棲む、いわゆる宇宙人。
地球の生物を完全に乾燥させて、任意に切断する技術を開発した。
乾燥に要する時間、そして、完全に乾いた生体を切断する時間は、どちらもゼロに近く、
一瞬のうちに、「干物」が任意に切断される。
この「特殊技術」を持つ宇宙人は、相当数が地球にひっそりと飛来し、
世界各地で「表向きはふつうの人間」として暮らし、
隙をみて「犯行」に及んでいた。
犠牲者は毎月1人。
世界各地で「事件」が発生したが、当初は「奇怪な事件」として扱われた。
従来の殺人事件では、現場に多量の血液等が残されるが、
新手の事件ではそれらが皆無。
遺体を調べた専門家は首をかしげた。
「考えられないことが現実に。不可解で、きわめて高度な技術と理解せざるをえない」。
(続く)