決闘後
一瞬時が止まった様な静寂の後、急いで回復魔法使える教師達がケリー王子に群がり魔法を掛ける。
強硬派の生徒達が一斉にインチキだと声をあげ始める。
「奴は禁止されている魔法を使ったでもなきゃ説明がつかない、拳一つで木刀をへし折り更に王子を倒す何て不可能だ!」
正直私もそう思う。そうでもないとルドガーの強さはあり得ない!と言うか魔法を使ってもあり得ないと思う。
ルドガーが何事も無かったように笑顔で私に親指を空に向けているし…
怒号や混乱が飛び交うなかゲイリー国王陛下が口お開く。
「静まれ」
一言その言葉に会場は途端に無言となる。
「ルドガー殿は不正などしていない!むしろ手加減をしていたくらいだ…」
会場の皆がルドガーを怯えた表情で見つめる中再度ゲイリー国王陛下が口を開く。
「ルドガー殿、御身は身分を隠しての留学生のはずだが?」
ゲイリー国王陛下はルドガーを睨む。
ルドガーは、
「すまいません。見過ごせなかったものですから。」
と頬笑む、その表情は反省の色を全く感じせない。
「この者は正式名はルドガー・アース・ビルクード、アース帝国第三王子にして継承権第三位して称号は戦神!
かつて1000年前に最終決戦を控えた勇者一行が魔王を倒すための聖剣を取りに行った、通称英雄ダンジョン勇者一行が一年掛りで攻略したそのダンジョンを、ルドガー殿は単独な上に1ヶ月で攻略した。
勇者を越えし者!実力が違い過ぎて最所から戦いすらならん。」
私も会場全ての人間が声を失う。
驚きが大きすぎて多すぎる!
この大陸には21の国がある20ヵ国の小国もちろんアイルラウンド王国も20ヵ国の一つだ。
そして、大陸半分の国土を持つアース帝国その国力は20ヵ国の総量を軽く上回る。
ミドルネームは神が与えし名前と呼ばれかつて勇者の一族のみに与えた名前と言われている。
そんな事はこの大陸の子供でさえ知っている常識だ。
つまり勇者の子孫を示すための名前それがミドルネームだ。
この世界は国には王家の名前を使う風習がある、アース帝国はミドルネームを使用する。
てか!英雄ダンジョンを単独攻略!?
アース帝国にある全ての冒険者が一度は夢見る究極のダンジョン、100階あるそのダンジョンの勇
者一行以外の最高記録は72階20人よるフルパーティーによる記録だ…
ダメだ色を理解が及ばない、私は考える事を止めた。
そうこうしているうちに治療を終えたケリー王子が目を覚ます。
国王陛下はグレン王子に勝敗を促す。
「勝者ルドガー・アース・ビルクード。」
静まった会場にグレン王子の声が響き渡る。
ゲイリー国王陛下は今回の沙汰を申し上げ始める。
「まず、グレン今回の決闘を止められなかった責任として、お前には10日間の自宅謹慎を申し渡す。不服はあるか?」
第二王妃の眉がつり上がる中、グレン王子は。
「畏まりました。不服は御座いません。」
膝をつき頭を下げる。
「続いてケリーとアイナ嬢に関してだが婚約の解消を宣言するがアーノルド不服はあるか?」
ゲイリー国王陛下は父に問い掛ける。
「不服は御座いません。」
父は先ほどとはうって変わったスッキリした表情で告げる。
「そして、ケリーとリリアナ嬢の婚約を成立を宣言するがポール不服はあるか?」
ポール男爵に問い掛ける。
「不服は御座いません。」
ポール男爵は訳も分からず返事している感じだった。
ケリー王子は大きな声で喜びさっき負けた事をすっかり忘れている様だった。そんな王子に国王陛下は
「ケリーは王位継承権の剥奪と卒業後はクラフト男爵家に婿入りを申し付けるが不服はあるか?」
「不服はある!なぜ俺の継承権が剥奪されなければならないのですか!?」
「王位も欲しい!女も欲しい!そんなわがまま本気で通用すると思ってるのか?」
「…」
黙るしかないケリー王子に国王陛下が追い討ちをかける。
「ケリー貴様は武術は目を見張るものがあるがそれだけの男だ、それ以外は全てにおいて弟のグレンが遥かに凌駕している。
しかし、王国の今後を考え継承争いが起きぬ為に令嬢の中の令嬢と言われるアイナ嬢との婚約を公爵家に頼み婚約を結んだ。
心苦しいが貴様のフォローをアイナ嬢にある意味私が押し付けた形になってしまったがな…」
それでも納得が行かないケリー王子は国王陛下に対して詰め寄る。
「納得いきません。私は第一王妃の息子で長男なんですよ、そんなことになれば国には荒れますよ。
それに約束したんだリリアナを王妃にするって!」
私は確信したコイツ純粋なアホであることを…そういえば婚約をしてからも何度か顔を合わしていたがまともに話したことがなかった何てふと思う。
そして、ゲイリー国王陛下がキレた。
「ふざけるな!貴様と同じ母から生れたて妹達を貴様の剥奪あとに小さくガッツポーズしてたぞ!!!
大体娘三人から貴様を讃える言葉など一切でない!それどころかお前と同じ母から生れたて妹達は貴様の悪口ばかりだ!
仕舞いにはどうやったらグレンが国王に成れるか何て陰で話してるくらいだ!」
身内ましてや完全に血の繋がった妹達の真実は流石にアホでも堪えたようでそれ以上言わなくなった。
国王陛下は私に向かい話しかける。
「今回はアイナ嬢には多大なる迷惑を掛けた本当に申し訳ない。」
「いいえ、最後に願いを聞いていだけますか?」
国王陛下に頭を下げる。
「私はどんな処分でも従います。だから当家のソレーユ家には何卒寛大な処置をお願い申し上げます。」
「こちらから願い受け入れ貰った婚約をこちらの都合で解消したのだ貴殿とソレーユ家には全く責はない!
それにグレンの報告によるとルドガー殿より婚約の申し出がると聞いてるが?」
顔一気に暑くなる。
「あのその、あの」
国王陛下は
「貴殿も満更でもない様子だな、大体アース帝国とその王子であり勇者を越えた者との敵対は国としても私個人しても全力で避けたいのだがな。」
と、言って笑って続けた。
「貴殿とルドガー殿との婚約は私の関与する所ではないが家同士の事だから、当人とその家族に任せる。
私と王家は反対しないから安心してくれて構わん。
本日はこれにてお開きだ皆のも解散!もうすぐ日暮れだ片付けは明日にせい。」
そう言ってロイヤルファミリーと私の家族とポール男爵と生徒達は解散していった。
残ったのはルドガーと私だけだったあのアホ王子の父親とは思えないほどの気の回しかただななんて思いつつ私ルドガー王子の前に立つ。
「今回は本当にありがとうございました。それとルドガー王子に働いた無礼をお許しいただけますか?」
私は背一杯冷静を装い頭を下げる。
「本当だよ!ゲイリー国王陛下や親父にはさ身分を隠して通えって言われてたのにさ!」
冗談交じりの軽口でルドガー王子が答える。
そして、不意に真剣な眼差しに変わった。
「そんな約束がどうでも良くなる位にアイナ・ソレーユ守りたくなった。
だから、誓って欲しい今だけは公爵令嬢アイナ・ソレーユではなくただのアイナとして私の思いを聞き入れていただけますか?」
ルドガーの眼差しにつられ私に真剣に答える
「明日貴方を会うとき私は公爵令嬢アイナ・ソレーユして立つでしょう、ただし今はただのアイナとして答えます。」
ルドガーは膝をつき私手を握り私を見つめた。
「アイナ貴方を永遠に愛しています。永遠が終わったその後も…死が二人を肉体を奪い魂だの存在に成ろうとも…」
私はただ心のままに言葉を…
「今の貴方の言葉で私は永遠に生きていけるでしょ…ただこれが夢ならば私は永遠に眠っていたいわ。」
ルドガーと私は見つめあいそしてキスをした。